原作の連載開始から2年後となる1996年より放送をスタートしたTVアニメ『名探偵コナン』。30周年を迎えた2026年までに、1100話以上のエピソードが絶え間なく放送されてきた。なぜこれだけ長く継続し、原作とともに幅広い層に親しまれてきたのだろうか? 主題歌を担当してきたアーティスト、作品愛にあふれるコナンファン、番組制作陣の証言などをもとに〝30〟年支持されてきた〝真実〟を明らかにする!
TVアニメ『名探偵コナン』には放送当初から守られてきた〝型〟がある。初代監督やプロデューサーによって考え抜かれ、作り上げられた、アニメの土台ともいえる型にある、30年愛されつづける秘密を藤堂プロデューサーに聞く。
ぶれない理由は第1話から携わるスタッフに有り!

トムス・エンタテインメント
制作本部 第1スタジオ プロデューサー
藤堂真孝さん
PROFILE
アニメ『名探偵コナン』プロデューサー。2005年、トムス・エンタテイメント入社。入社後すぐよりコナンに携わり、’14年からデスクとして20周年企画にも参加。’21年「名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story」のプロデューサーを経て、’22年からはコナン本編を担当。
コナンだからこそという目線は決して外さない
トムス・エンタテインメントはアニメ制作のスタジオ。その藤堂プロデューサーが統括している制作現場は大きく3つのワークフローに分かれている。プリプロダクションはシナリオの開発、プロダクションは絵コンテ作成から撮影まで、ポストプロダクションが音響・編集を担当する。
「これら全部を1人で担当するのは無理ですので、プリとポストをメインに担っています。プロダクションには制作進行などを統括しているデスクがいて、彼と情報共有しながら制作しています」
ほかにも、スケジューリングを吉田プロデューサーと共に行う。
「去年でいうと劇場版では、第9弾(『名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)』)以来、約20年ぶりに小五郎が活躍したので、4月から5月にかけては小五郎の話が多かったと思います。夏休みは少年探偵団にスポットを当てたりします」
アニオリだけの登場人物も多く、その数は1000を下らない。
「第1話からずっと携わってくださっているストーリーエディターの飯岡順一さんの意見を踏まえてシナリオを開発しています。そこが、コナンという作品がぶれない理由だと思います」
文芸と呼ばれるシナリオを開発する部署と、飯岡さん、監督、プロデューサーによって毎週シナリオ会議が行なわれているのだ。
「脚本家の方にも面白いことをいっぱい考えていただくんですけど、コナンが主人公として立たないといけない。飯岡さんがこれは刑事でも解決できるとか、鑑識で十分だとかチェックしてくださる。コナンだからこそ、その証拠を見つけられたっていう目線をしっかり守っている感じです」
それによって脚本家たちも「コナンとは?」を学ぶのだという。
「シナリオのストックとしては来年度分まで貯まっています。あとはいつ、どの話を入れていくか、というところを選定中です」
とはいえ、まだまだ連載は続き、終わりの見えない作業。だからこその苦労もありそうだ。
「例えば30周年イヤーの今年については2年くらい前からこのプロジェクトについて話していました。それに向けて今年は何ができるか、来年は何をしていこうと伝えたことで、チームからもこういうことしたいですと積極的になりました」
30年、歴代のスタッフが守ってきたことも多い。
「初代の、こだま兼嗣監督やテレビ局の諏訪道彦プロデューサーなどが、ルール作りを徹底されていました。コナンが言う『真実はいつもひとつ』というセリフも諏訪さんの発案。これは本作のキャッチコピーだと思っています。原作にはないのでアニメ本編では言わない。オリジナル脚本でも、コナンは犯人に対して同情しない。いろんな事件があり、被害者はもちろん犯人の事情も描いています。でも、コナンはあまり感情移入しないし、涙を見せないんです」
先代たちが作り上げた土台=型を大切にすることで親しみやすさを実現しているのだ。
藤堂Pの思い出のエピソード01
第425話 ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間
2006年1月9日放送

アニメ放送10周年記念に制作された2時間スペシャル。黒ずくめの組織の一員である水無怜奈が初登場した。当時は制作進行で、これが初めて担当する黒ずくめの組織の話だった。
藤堂Pの思い出のエピソード02
第1168話 元太のうなぎ捕物帳
2025年7月19日放送

少年探偵団で唯一シリーズがなかった元太初のアニオリ主演作。演者の高木渉さんから「みんなあるのに、オレだけない」と言われたそう。『満天☆青空レストラン』とのコラボ回。
藤堂Pの思い出のエピソード03
第1187話 エピソード“ZERO”工藤新一水族館事件
2026年1月3日放送

初回放送の後、『金曜ロードSHOW!』にて放送されたエピソード“ONE”でも一部が使用され、今年の年始にリメイクされた。その3回全てにかかわっている縁の深いエピソード。
コナンらしさを表現するアニメだけの演出
TVシリーズのルールでは、血は黒っぽい色に、原作では開いたままの死体の目も閉じるよう(初期は開いたままもあり)徹底。CMの際には扉が開閉し、次週予告のネクストコナンズヒントも第1話から。



取材・文/内野智子 撮影/タナカヨシトモ 編集/寺田剛治
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