甘みやジューシーさが魅力のフルーツ。美味しくて身体にもうれしい食べ物だが、皮むきやカットなど手間もかかり毎日食べるのは難しい。
そんな中、デルモンテから登場した、パウチ入りのすりおろし果実を手軽に楽しむ『ピュレフルーツ』が、忙しい現代人の新たな食習慣として注目を集めている。
『ピュレフルーツ』は、果実そのもの100%で、いつでもどこでも“ピュルピュル”と吸うだけで楽しめるパウチ型のすりおろし果実のこと。
3月には東京・六本木ヒルズの大屋根広場で、フルーツ狩りのように『ピュレフルーツ』をもぎ取ることができる期間限定イベント『大都会のピュルーツ狩り』も開催され、新CMキャラクターに起用された原菜乃華さんが登場。
りんごをイメージした真っ赤な衣装で登壇し、原さんが「来場者第1号」として『ピュレフルーツ』を“収穫”した。
1日の果実摂取目標値は200g。生の果物でもカットフルーツでもない「新しい選択肢」
今回は『ピュレフルーツ』を販売するキッコーマン食品株式会社プロダクト・マネジャー室 デルモンテグループの野中亮佑さんに、開発の裏側にある40年にわたる技術の蓄積や、「果汁100%」ではなく、「果実100%」の理由、過去の商品から得た教訓などについて話を聞いた。
厚生労働省が掲げる「健康日本21(第三次)」では、1日の果物摂取目標値が200g(※)と明確に数値化されている。しかし現代人にとって、生の果物を毎日食べるのは容易ではない。
※加工した果実の栄養価は生果実とは異なる。
野中さんは、「弊社の調査でも、果物は『とりたい』という意向は高いものの、値段の高さや日持ちのなさ、そして『皮をむくのが面倒』という不満が大きな壁になっていることが分かりました」と指摘する。そこでデルモンテが提案したのが、「生の果物」「カットフルーツ」に続く、持ち運び可能な“新たなフルーツ”としてのパウチ入りのすりおろし果実・ピュレフルーツだ。
ピュレフルーツの特徴でもある「すりおろした果実が入ったパウチ」。その“すりおろし”の技術自体は1980年代からあったという。その当時からキッコーマングループで病院の療養食や外食向けに業務用「すりおろしりんご」などを製造している。
「家庭用でも、こうした“すりおろしフルーツ”を『一般のお客さま向けに提供したい』という着想は以前からありましたが、原料の調達や、小容量パウチの製造における課題があり、なかなか商品化に至っていませんでした」(野中さん)
2024年に『健康日本21(第三次)』の果物摂取目標値が200gに更新されたことから、「フルーツ分野を担当しているデルモンテも何かしらアプローチできないか」と思案。野中さんは、「野菜と比べて『とりたい』という意向は高いものの、『値段が高い』『日持ちしない』『皮をむくのが面倒』といった理由で、果物を食べたくても食べられていない人が大勢いる」という調査結果をふまえ、「ワンハンドで手軽に食べられる商品として検討を進めたのです」と開発背景を語った。
40年の時を経て一般家庭へ デルモンテが誇る「すりおろし」の技術
1980年代からりんごのすりおろし加工技術などの業務用の知見がもともとあったこと、そして2023年にキッコーマンが初めてゼリー飲料を発売したことから、小型パウチの製造知見も積み重なった。
野中さんは商品化にあたり、「この2つの知見を掛け合わせることで、皮むきが不要で、いつでもどこでも楽しめる商品としてコンセプトを立て、発売に至りました」と語る。2024年春に首都圏と信越エリアで発売をしたところ好評で、2025年3月から全国発売に至った。
商品化の最大の課題は、果実特有の「食感」と「色味」の両立だ。
「通常、変色を防ぐために高い温度で加熱をしたり添加物を使ったりすれば色は保てますが、それでは果実らしい食感が失われてしまいます。デルモンテ独自の加工技術により、きれいな色味と果実らしい食感を両立し、まるで生のりんごを食べているかのような味わいを実現しました」(野中さん)
商品パッケージに「果汁100%」ではなく「果実100%」と掲げているのは使用している原料が果汁だけでなく「すりおろした果実そのもの(パルプ分)」も使用しているからだという。
現在はりんご、マンゴー、ぶどう、キウイ味を展開。すべてのフレーバーにすりおろしたりんごがベースとして使用され、食べ応えのある食感を実現している。
「特に難しかったのはぶどうです。『すりおろしたぶどう』ってあまりイメージがないかと思いますが、ジュース分が多いとシャバシャバになりやすいのです。そこでりんごと合わせることで満足感のある食感にしています。使用しているぶどうピューレーとぶどう果汁が非常に濃厚なので、りんごとブレンドしてもぶどうの風味がしっかり楽しめます」
「バナナは売れなかった」――データが証明したパウチ入りのすりおろし果実の存在意義
ラインナップの決定には、意外な試行錯誤があった。首都圏・信越エリアでの販売時には日本人が最も食べる果物であるバナナ味も販売していたが、結果は芳しくなかったという。
野中さんは、「バナナはもともと、『手で簡単にむける』『手軽に食べられる』というイメージがあるフルーツ。わざわざパウチでとる必要性が低かったのかもしれません」と分析する。一方で、マンゴーやキウイ、ぶどうなどは「好きだけどむくのが大変」「当たり外れがある」という不満があるため、パウチでの需要が非常に高いことが分かった。
新商品の「すりおろしキウイミックス」についても、「(キウイを)半分に切ってスプーンで食べる手間を省き、通年で最も美味しい状態のキウイを楽しめるようにしました」と、ユーザーの不便を解消する姿勢だ。
また、「過去にいちごも販売したいと思って検討したのですが、生のいちごを食べている味を再現するのが非常に難しかった」と語り、「どうしてもいちごジャムのような味になってしまうんです。いちごのキレイな赤色も、製造過程で茶色っぽくなりやすく、色と味わいの両面で商品化に至っていません」と苦労も明かした。
料理や炭酸割り、さらには保冷剤代わりにも!アレンジ自在な活用法と「災害食」としての実力
『ピュレフルーツ』の活用法は、そのまま食べるだけにとどまらない。ヨーグルトのトッピングや、ポークソテーのソース、カレーの隠し味など料理へのアレンジもできる。砂糖不使用なので優しい甘さが特徴だ。
炭酸割りにも合うといい、早速キウイミックスを炭酸で割ってみたところ、爽やかな酸味とほのかな甘みのソーダを楽しむことができた。
「今夏からはパッケージに『冷凍保存OK』のロゴも期間限定で追加しました。お弁当の保冷剤代わりに入れておき、お昼にデザートとして食べるのがおすすめです」(野中さん)
実際に筆者もりんごを凍らせて、娘のお弁当の保冷剤代わりに使用した。食事のあとにちょっとしたデザート感覚で食べられるのも新鮮だ。また常温で12か月保存可能な点も高く評価されている。
「災害時は野菜や果物が不足しがち。スプーン不要で果物を摂取できるローリングストック(日常備蓄)として、先日、日本食糧新聞社の『第1回災害食アワード2026』の果物・菓子・飲料部門で最優秀賞をいただきました」(野中さん)
当初は「働く女性」をメインターゲットに据えていたというピュレフルーツ。発売後は「子どもへのヘルシーなおやつ」や、「体調不良時の食事」として購入するお客さまなど、予想以上に幅広い世代に支持されている。最後に野中さんは、商品への想いをこう語る。
「『果物を食べたい』と思った時、生の果物やカットフルーツと並んで、この『ピュレフルーツ』が当たり前の選択肢になるような、新しい食文化を育てていきたいです」
忙しい日常に、キャップを開けるだけで「果実100%」の恵みを。デルモンテの『ピュレフルーツ』がフルーツ摂取のあり方を変えようとしている。
取材・文/コティマム
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