投資は難しいもの、我慢するもの――そんなイメージをまだ抱いているあなたへ。週3000円から、好きな企業を〝推す〟感覚で始める「ゆる投資術」を、旅する投資家・藤川里絵さんが紹介。最新トレンドをいち早くキャッチして〝推し株〟を見つけるヒントをお届けする。
目次
■旅する投資家・藤川里絵の「推し株で始めるゆる投資」
2023年ごろからはじまった「平成レトロ」ブームは、今もなお続いている。なかでも「ぷっくりシール」の火付け役であるボンボンドロップは大人気。いまやツチノコ級の、幻のアイテムだ。
しかしこれだけヒットしているのだから、関連する会社はさぞ儲かっているはず。つまり、儲かっている会社の個別株を買えば稼げるのでは!?
100万円を目標、個別株投資をはじめたばかりの筆者は、ファイナンシャルプランナーであり「旅する投資家」の藤川里絵さんのもとへ。じっさいのところ、儲かりまっか?
解説するのは、旅する投資家・藤川里絵さん

2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。新著『知識ゼロでも週3000円の投資で100万円を貯める本』(小学館)が発売中!
まずは「売上利益」への寄与を確認し、関連商品もチェック

藤川里絵さん:わたしもボンボンドロップのヒットを耳にした時、どこが作っているかすぐに調べました。すると、大阪の雑貨メーカー『クーリア』が開発・製造と商標登録を行い、『サンスター文具』が発売しているとのこと。でも残念ながら、どちらも上場していません。
そこで、ヒットの恩恵を受ける上場会社もリサーチ。すると、親会社である『バンダイナムコホールディングス』と、シールのモチーフになっているキャラクターを手がける『サンリオ』や『東映』といった名前が出てきました。
親会社は、子会社の営業利益が合算されるので、営業利益にまるまる反映されます。つまり、ボンボンドロップのブームで株価が上がる可能性があるとしたら、『バンダイナムコホールディングス』の可能性がいちばん高い。
そこで『バンダイナムコホールディングス』について調べると、1兆3000億円(26年3月期予測)と売上総額が大きいことがわかりました。いくらボンボンドロップがヒットしているとはいえ、1枚数百円のシールです。これだけ売り上げている大企業の中では大きく売り上げに寄与しづらいだろうと、深掘りするのをやめました。
つまり、ヒット商品が株価を上げるかどうかは、売上利益にどれぐらい寄与するか?がキーです。
――売上利益に大きく関わっていなければ、ブームを投資に結びつけるのは諦めたほうがいいですか?
藤川里絵さん:いえいえ。もう一つ、視点をずらして関連商品をチェックしてみるという方法もあります。

――それでいえば、シール帳はどうでしょう? 子どもはもちろん、かつて子どもだった大人も、お互いのシール帳を見せて交換し合う「シル活(しるかつ)」もトレンドです。
藤川里絵さん:いいと思います。個別株投資のおもしろいところは、これが売れるんだったらこっちも売れるかも?と、想像力をはたらかせるところにもあります。
シール帳の売り上げを調べてみましょうか……(調べる)……うーん、製造元が多すぎて、突出しているメーカーはなさそうですね。残念!
もう一つは、シール業界全体に目を向けてみるのもアリですよ。『会社四季報』によると100円ショップの『セリア』が「シール特需受け、店舗での在庫水準を引き上げて販売機会損失防ぐ」とあります。
実際にお店へ行ってみると、シールコーナーが充実していますし、手に取っているお客さんも多い。『セリア』はボンボンドロップの波及効果で儲かっているといえそうです。
「生産中止」「販売休止」は要注意
藤川里絵さん:ボンボンドロップは、人気のあまり2025年10月ごろから品薄が続いているようですね。生産が追いつかず、再販しても即売り切れというニュースも目にしましたし、2026年2月4日の『日経新聞』には「ボンボンドロップに大人も殺到してLOFTは休売」という記事も出ています。
さまざまな理由はあれど、こうした「生産中止」や「販売休止」などは、会社にとって機会損失。そのぶん伸びるはずだった売り上げが取れず、営業利益に響き、株価も下がる傾向にあるので注意したほうがいいです。
たとえば、2025年10月にサイバー攻撃を受けて受注・出荷が停止した『アスクル』は、大きな機会損失とともに売り上げが大きく落ちました。あとは『ヤクルト本社』も、「ヤクルト1000」のヒットを受けて新たに工場を作ったものの、ブームが落ち着いて売れ残り、いまは売り上げ低迷中です。ちなみに「在庫過多」は、財務諸表を見ると在庫の回転率もわかるのですが、そこまでせずとも売上の伸びが落ちるとか、前は抽選販売だったのに売れ残っているなど、肌感でもわかると思います。
流行っている、もしくは流行ったからと、一概によい投資には結びつかないこともあるんですよね。
キミじゃなきゃだめ!キラッと光る〝何か〟があることが大事
――ほかにも街を見渡すと、いろいろなトレンドがあります。その中で、稼げるトレンドと、そうでないトレンドって、どう見極めればいいんですか?
藤川里絵さん:たとえば、コロナ禍でテイクアウト専門の唐揚げ屋さんが増えました。気軽に持ち帰れて、美味しくて、たくさんお店ができましたよね。ただ、その中で突出している会社があるかといえば、そうでもない。
高級食パンもそう。お土産で喜ばれたし、行列ができたりお店も一時期増えたりしたけれど、一気にお店が増えすぎて、今ではちょっと飽きられている印象です。
――ありましたね、銀座に、高級食パンの、有名な……えーっと『に志かわ』だっけ?『乃がみ』だっけ?
藤川里絵さん:どっちだっけ?じゃだめなんです。高級食パンといえば、という絶対不動の存在にならないと。
絶対不動になるには、会社独自の技術があり、真似されない強みがあることがすごく大事です。そういう意味でいえば、唐揚げも高級食パンも、参入障壁が低いのだと思います。
だからヒットの芽を見つけたら、そこじゃなきゃだめな理由、つまりキラッと光るものはあるか?と心に問いかけてみましょう。長期投資で稼ぐのがうまい人は、これを見つけるのがうまいんですよ。
――里絵さんが最近見つけた、キラッと光る会社は?
藤川里絵さん:アサイーで知られる『フルッタフルッタ』です。かつてアサイーブームでぐんと株価が上がったあと、一時期は100円台まで落ちましたが、令和のアサイーブームでまた株価が上がりました。調べてみると、アサイーをダイレクトに仕入れる独自のルートがあるようですよ。
――そういう意味でいえば、ボンボンドロップを手がける『クーリア』は惜しいですね。あのちゅるん!とした質感は独自技術で、キラッと光っているのに、上場していないなんて!
藤川里絵さん:上場すると、いろいろ大変ですからね。今日お話した目線でトレンドを見てみると、またちがった発見がありますよ。めげずにいろいろ見てみてください。
取材・文/ニイミユカ
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