2023年12月に生産終了したマツダ「CX-8」の後継車として、2024年10月に登場したマツダのフラッグシップSUVが「CX-80」である。「CX-80」は日本国内において「CX-60」に続くラージ商品群の第2弾モデルで、圧倒的な運転体験と上質で心豊かな移動体験を両立し、高い環境性能と安心安全のカーライフを目指して開発された3列シートSUVとなっている。
「CX-80」の特徴は、エンジンを縦置きにレイアウトし、後輪を駆動させる「SKYACTIV マルチスケーラブルアーキテクチャー」を採用したこと。サスペンションは、徹底したチューニングにより、日常の走行シーンにおける快適な乗り心地と、高速や高いGが発生するシーンでも安心感の高いスタビリティを両立している。
搭載しているエンジンは、最高出力231ps、最大トルク500Nmを発生する3.3L直列6気筒ディーゼルターボをはじめ、このディーゼルターボエンジンに最高出力16.3PS、最大トルク153Nmを発生するモーターを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様。そして最高出力188PS、最大トルク250Nmを発生する2.5L直列4気筒ガソリンエンジンに、最高出力175PS、最大トルク270Nmを発生するモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムの3種類。組み合わされるトランスミッションは全車トルクコンバーターレスの8速AT。駆動方式は4WDを中心に、ディーゼルターボ車のXDのみ2WDが用意されている。
そして「CX-80」は、2026年3月に初の商品改良を行った。商品改良のポイントは、マツダコネクト操作性の改良をはじめ、風切り音の遮音性能の向上、シフトパネル/コンソールパネルとドアトリムの加飾の変更。そして、シートバリエーションの見直し、グレード体系の変更となっている。
シートバリエーションの変更では、最上級グレードの「プレミアムスポーツ」「プレミアムモダン」は6人乗りキャプテンシート仕様のみとなり、それ以外のグレードでは、7人乗りのベンチシート仕様または6人乗りのセンターウォークスルー仕様が選択できるようになっている。またグレード体系の変更では、新グレードとして「XD-ハイブリッド ドライブエディションナッパレザーパッケージ」を設定。
その一方で、「XD-ハイブリッド エクスクルーシブスポーツ」「XD-ハイブリッド エクスクルーシブモダン」「PHEV Lパッケージ」を廃止。車両本体価格はXDドライブエディション2WD車の478万1700円~PHEVプレミアムスポーツ/プレミアムモダン4WDの714万4500円となった。グレード体系がシンプルとなりユーザーにとって選びやすくなったと言える。
一般的にエンジンの排気量が大きくなると、燃費性能は悪化するものだ。しかし「CX-80」に搭載している3.3L直6ディーゼルターボエンジンの燃費はWLTCモードで16.8~18.2km/L。マイルドハイブリッド仕様は19.0~19.1km/Lと2.2L直4ディーゼルターボエンジンを搭載した「CX-8」の15.4~15.8km/Lをカタログスペックでは上回っている。そこで実燃費でも上回っているのかを約1000kmのロングドライブを行い、検証した。
実は、2024年1月に「CX-8 XDグランドジャーニー」の4WD車でロングドライブを行い、14.3km/Lという結果が出ている。そこで「CX-80」でも同じコースを走行し、上回ることができるのだろうか。試乗車は、一部改良前の「CX-80 XD-ハイブリッドプレミアムスポーツ4WD」。運転席10way、助手席8wayの電動調整式機能の付いたシート表皮はナッパレザーを採用。また、フロントシートだけでなく、セカンドシートにもヒーター&ベンチレーション機能を標準装備する快適装備が充実したグレードで、車両本体価格は634万7000円。
「CX-80 XD-ハイブリッドプレミアムスポーツ4WD」のWLTCモードでの燃費性能は19.0km/Lで、タンク容量は74Lなので航続距離は1400kmになる見込み。試乗車は時期的なこともあり20インチのスタッドレスタイヤを装着。「CX-8」もスタッドレスタイヤを装着してのテストだったので、=コンディションと言える。
大人4人が乗車し、軽油を満タンにして東京をスタートし、宿泊地の滋賀県を目指す。スタートした際の残走行距離は880kmと表示されていた。最大トルク550Nmを発生する3.3L直6ディーゼルターボは、数字ほどのトルクを感じないが、ガソリンエンジンのような回転のフィーリング。2120kgというヘビー級の「CX-80」をスムーズに加速させる。
新東名高速に入ったところで、マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール(MRCC)を作動させクルージングに入る。時速120kmでの高速クルージング中の走行安定性や静粛性は、「さすがフラッグシップモデル」という実力をいかんなく堪能できた。
ただ、「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」(MRCC)を使用している際に、先行車に追いつき、追い越しを掛ける際に車線変更を行なっても、メーターパネルのディスプレイ上に先行車がいるように表示され、突然ブレーキが掛かることがあった。これはカメラの先行車の検知機能にタイムラグがあるようだ。これは一部改良で変更されてほしいポイントだ。
3120mmというロングホイールベースと座り心地の良さと疲労しにくい構造のシートによって快適に約460kmの往路を走破。この時点での残走行可能距離は530km。燃費性能は15.0km/Lだった。すでに「CX-8」の燃費性能は上回っているが、カタログ数値と比べると物足りなさもある。
復路は、降雪による高速道路の通行止めにより、滋賀県の近江八幡から三重県の四日市まで一般道で走行となった。鈴鹿峠を越える国道一号線のワインディングは、大柄な「CX-80」のしなやかな身のこなしにより、楽しく走行することができる。まさに「CX-80」でも人馬一体を感じられた瞬間だ。
四日市からは再び高速道路に乗り、東京まで目立った渋滞もなく無事に到着。約950kmを走行し、残走行可能距離は190km。燃費性能は15.7km/Lまで上昇した。ボディサイズも大きく、車両重量も重くなっているにも関わらず、「CX-8」より優れた燃費性能を発揮する「CX-80」の実力は素晴らしいものだが、その分運転支援機能の制御が惜しく感じたので、一部改良で改善されていることを願う。
■関連情報
https://www.mazda.co.jp/cars/cx-80/
文/石川真僖照 撮影/萩原文博







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