プロのアスリートとトレーダーの「セカンドキャリア」について
2026年はまさにスポーツの祭典が目白押しの1年ですね。冬季五輪は大熱狂で幕を閉じ、3月にはワールドベースボールクラシックが盛り上がりました。夏にはFIFAワールドカップと、寝不足の日々が続きそうです。普段、部屋にこもって株式投資を仕事にしていると、「テスタは全く運動できないキャラ」と思われているかもしれませんが、実は子供の頃は「得意科目は体育」と言っていたほどのスポーツ少年でした。
これまで仕事やプライベートで多くの一流アスリートの方々とお会いさせていただいて痛感したのは、「目線」の高さです。すべてを犠牲にして、ただ1つのことを突き詰める。想像を絶するストイックさには圧倒されます。その過程で、彼らは決して自分の「天井」を決めないんです。「ここが限界だ」と自分で決めた瞬間に成長は止まり、それ以上先へは行けません。突き抜ける結果を出す人は常にとんでもない遠くの景色を見ていて、その目線の高さこそが、高みへと押し上げるエネルギー源になっているのだと感じます。
トレーダーに「セカンドキャリア」が存在しない理由は?
ただ、そんなスター選手たちでさえ直面するのが「引退」と、その後の「セカンドキャリア」問題です。アスリートの現役寿命は30代から40代。引退後、指導者や解説者として残れる人はごくわずかです。多くの選手が飲食業などに挑戦しますが、あまりうまくいっていないケースも見聞きします。あれほど1つのことを突き詰められた人たちがセカンドキャリアで苦労するのは、彼らがあまりにも純粋にスポーツという1つの世界に人生のすべてを捧げすぎてしまったからかもしれません。
では、投資家はどうでしょうか。アスリートは、たとえ本人が続けたくても、パフォーマンスが落ちればチームから契約を打ち切られ強制的に引退させられますが、投資家には「契約」がなく、定年もクビもありません。つまり投資家の人生は極めてシンプルで、「負けて市場から退場するか、勝ちつづけて一生現役か」なんです。一見、自由でいいなと思うかもしれませんが、投資で全財産を失って辞めた人にセカンドキャリアは用意されているでしょうか。プロのアスリートなら「元日本代表」という肩書で別の道が開けることはあっても、負けて破産した元個人投資家を証券会社が「元プロトレーダー」として雇ってくれることは、まずあり得ません。
負けた瞬間に仕事もお金も、そしてそれまで築き上げてきた自尊心さえも、すべてを同時に失う。これほど厳しい世界は、ほかにあまり類を見ないのではないでしょうか。トレーダーという職業は、ある意味で究極にハイリスク・ハイリターンな生き方です。だからこそ、僕は皆さんに声を大にして伝えたい。「専業投資家なんて無理に目指すものじゃないですよ」と。今の時代、仕事をしながら投資をする「兼業投資家」というスタイルが、まずはいい選択肢だと思います。キラキラした勝利の影には、必ず血のにじむような努力と紙一重のリスクがある。派手な勝ちを追う前に、「いかに生き残るか」を大切にしてほしいですね。

実は体育が得意なスポーツ少年だったテスタさん。久しぶりのスノーボードでもさっそうと滑っている。
流行を斬る!
【1】突き抜ける結果を出す一流のアスリートは決して自分の「天井」を決めない
【2】負ければ即退場の投資家。破産したトレーダーに「セカンドキャリア」はない
【3】専業は究極のハイリスク。まずは兼業で「生き残ること」を最優先にすべき

テスタさん
2005年、300万円を元手にデイトレを中心に株式投資を開始、6年目で億トレーダーに。2015年からは中長期投資も始める。収支は19年連続プラスで、生涯獲得利益は100億円を超える。監修本『マンガでわかるテスタの株式』(大和書房)が発売中。
文/テスタ 構成/向井翔太 編集/千葉康永
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