2026年1月時点の消費者物価指数(前年同月比)は2%前後で推移。ピークアウトの兆しはあるが、統計上のインフレ率と体感とのギャップは大きく、家計の節約志向を押し上げる。その救世主として、新品を低価格で提供するオフプライスストアの存在感が高まっている。
もっとも、オフプライス業態自体は新しいビジネスモデルではない。神奈川県発の『服のタカハシ』などは生活密着ディスカウントモデルとロードサイド出店で存在感を築いてきた。一方で注目すべきは、コロナ禍以降に登場した後発組だ。ブランド志向が高く、商業施設中心に出店を進める米国型の手法を取り入れ急成長。近年は後発組の中でも戦略の違いが鮮明になりつつある。
実店舗のみで展開するオフプライスストアで100店舗体制を目指してしのぎを削るのが、ゲオの『ラックラック』、パルと双日の『ローカスト』だ。前者のコア戦略は〝商品回転率×価格バランス〟。低~中価格ブランドを主軸に、業界随一のブランド数と定価・割引価格を併記する二重価格表示により、魅力的な商品との偶発的な出会いを生み出す。後者は〝目利き×ブランド力〟。多数のブランドを擁する母体で研さんを積んだ審美眼、売れる売り場を編集するフロアマネジメントを武器に、商品価値を重視。他社にない中~高価格ブランドを開拓し、さらに社内インフルエンサーを起用したSNSマーケティングで顧客の熱量を高めている。
25年4月~26年1月の累計売上高は前年比161%
Luck Rack
『セカンドストリート』などを展開するゲオグループが運営。300ブランド&商品点数2万点以上と圧倒的な品揃えを誇る。主力はレディースだが、23年よりメンズのビジネスカジュアル商品の取り扱いもスタートした。


カテゴリー&サイズ別陳列でお気に入りが即見つかる
ジーステージ『楊柳ショートブルゾン』2990円

2025年は毎週1店舗の勢いでオープンラッシュ!
LOCUST
「3coins」などで知られるパルグループが運営。独自の仕入れ網&循環モデルを構築し、他店にはない人気ブランドを開拓。25年には高級ブランドのみに特化した『ローカス+』を新宿マルイ本館にオープン。


日本未展開のレアなアイテムの入荷も!?
ザ・ノース・フェイス『1996 レトロ ヌプシ ジャケット』4万5430円

25年の売上高は前期比266%
offprice.ec
EC限定のオフプライスストアもある。FINEが運営する「offprice.ec」だ。オンラインに特化した理由を同社取締役の津田一志さんが語る。
「メリットは商品を倉庫に眠らせる必要がないこと。季節外れの商品でも購入につなげることもできます」百貨店ブランドなどの余剰在庫やシーズンオフ品を中心にラインアップする。22年には、余剰在庫を買い取り、タグを付け替えてお得に販売する自社ブランド『リネーム』のECサイトと統合。商品の質の高さが評判に。


サイズや限定色など一点モノ商品も多数入荷!
チャンピオン『プルオーバースウェットパーカ』2817円(26年2月時点)

EC専業による低コスト運営と在庫処理機能の高さを武器に、独自の競争領域を形成しつつある。日本市場はまだ黎明期。回転力、編集力、在庫処理力のどれが主導権を握るかが、今後の勢力図を左右しそうだ。
取材・文/渡辺和博 編集/寺田剛治
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2026年2月28日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。







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