顔を合わせて卓上で駆け引きを楽しむボードゲーム(以下、ボドゲ)人気が、20~30代を中心に右肩上がりだ。ボドゲ専門家の安藤哲也氏によると、国内では2019年頃からステイホームの追い風もあってヒットし、市場は約3倍に拡大。日本最大級のアナログゲームイベント『ゲームマーケット』には1300もの出展者がいる。トレンドの波に乗り、近頃では自治体発の学び目的のボドゲが誕生しているという。
「古くからすごろくやかるたといった、名産品や歴史など〝街を知る〟アナログゲームは各地にありました。それがここ10年でSDGsや防災などが学べるボドゲへと発展し、各自治体で生まれています」
しかしなぜ自治体が? ずばり〝楽しみながら学べるから〟だ。
「ゲームの仕組みやデザイン要素を応用すると、利用者はモチベーションが高まり、やりたくなります。つまり自治体が伝えたいことを学んでもらいやすくなる。そこで、パンフレットの代わりにボドゲを作る自治体が出てきています。学校の授業、街のワークショップなど、どこでも使いやすいことも、自治体のボドゲがじわじわ増えている要因かもしれません」
増えているとはいえ、現在はまだ黎明期。うまく活用されているものは稀有な存在、とも。「ずっと楽しんでもらうためには、作って終わりではなく、出口の設計と仕組み化が重要です」と安藤さんは続ける。
「良い例のひとつが板橋区の『いたばしさんぽ』。SDGsと街のつながりを学べるリーフレット型で、区内の小中学校に配布して授業などで活用されています。Webで誰でもダウンロードでき、他の自治体も制作できるようオープンソース化もしていますよ」
ちなみに自治体のボドゲで遊ぶには、「お住まいの地域で調べるのが近道」とのこと。一般に流通しているものはまだ少ないが、ほとんどはホームページからダウンロードが可能だ。調べてみると個性豊かなご当地ボドゲが見つかるかもしれないぞ。
福井県
福井滅亡の危機を救え!?
ふくい温暖化クライシスボードゲーム
5940円


購入して遊べる!
刻一刻と上がりつづける温暖化進行ゲージが上がり切る前に、プレイヤー全員で5つの課題を解決せよ! 進行役は不要の〝協力型〟ボドゲ。1ゲーム20分。
【遊び方】各プレイヤーは市町の担当者。ボードを移動しながら必要なカードを集めていき、5つの課題解決で勝利。気温が上がりすぎると敗北だ。
和歌山県
津波から逃げて、避難所を運営しよう!
きいちゃんの災害避難ゲーム


Webで無料DL可能
津波被災者ゼロを目指し、和歌山県が作成。地震発生から津波避難、避難所運営まで体験。ゲームは2回1セット構成で、2回目は事前準備をして行なうため、備えの大切さを学べる。
【遊び方】「津波避難編」は、津波到達までの避難行動や判断をシミュレーション。「避難所運営編」は、避難所運営を擬似体験する。どちらもチーム戦。
東京都
すごろくを楽しみながら街を散歩!
いたばしさんぽ

区内でリーフレット配布&Webから無料DL可能
区民から集めた「街の好きなところ」を巡りながら、SDGsと街のつながりを学べる東京・板橋区のボドゲ。授業、一般配布、イベントなどで幅広く展開。
【遊び方】スタートは「街の好きな場所」。サイコロを投げ、コマを縦横に動かしていく。盤面にはSDGsアクションが描かれ、能動的に学べる。
取材・文/ニイミユカ 撮影/黒石あみ 編集/井田愛莉寿
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2026年2月28日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。







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