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オランダのマクドナルドでは年中〝グラコロ〟を食べられる!?その意外な理由とは

2026.04.14

マクドナルドのグラコロが好きなんです。あのさっくり衣に包まれたあつあつのホワイトソースとふかふかのパン。冬になってグラコロが始まると友達と食べに行っていた、ちょっと青春の味。

あの季節限定のグラコロは年の瀬を告げる風物詩のようでもあり、グラコロを食べると「あぁ、今年も終わっちゃうなぁ」と、センチメンタルな気持ちにもなっていました。小麦(パン)+小麦(衣)+小麦(ホワイトソース)+小麦(マカロニ)と言われようと、あれは幸せな食べ物です。

さてそんなグラコロ。日本では1993年に発売され、実に33年もの歴史があるメニューだそうです。しかし販売期間は毎年11月下旬から12月末頃までで、約1カ月程度しか食べることができません。ですがなんと。私が住んでいるオランダのマクドナルドでは、なんと一年中「グラコロっぽいバーガー」が販売されているんです!

オランダ流コロッケ「クロケット」とは?

オランダ版グラコロ、その名も「マッククロケット(McKroket)」。クロケットとはフランス発祥の料理で、まさに日本のコロッケの元祖ともいわれる食べ物です。フランスでは17世紀頃にはすでに存在してたそうで、ベシャメルソースをベースにパン粉の衣をつけて揚げたものが主流。このような具材を丸めて揚げた食べ物はヨーロッパ各地にあって、例えばスペインの生ハムのクロケッタ(クリームコロッケ)、イタリアのアランチーニ(ライスコロッケ)、ポルトガルのパステイシュ・デ・バカリャウ(干しダラとじゃがいものコロッケ)などなど。

オランダには19世紀頃にやってきて、最初はフランス宮廷料理として紹介されていたそうですが、現在では気軽に食べられるスナックやストリートフード的な位置づけ。どの町にもある「スナックバー」と呼ばれる、フライドポテトや揚げ物などを売っている軽食店のメニューには必ずあります。単品で頼むこともできますし、パンにはさんだ「Broodje kroket(ブローチェクロケット。クロケットパンの意味。)」として注文することも可能です。見た目は10㎝くらいの細長い俵型で、中身は濃厚なクリームソース。日本のパン粉とは異なる小さくて固めの粒のようなものがまぶして揚げてあり、カリカリした食感です。

こちらがオリジナルのオランダ版クロケット。片手でさっと持てるサイズ。

クロケットの種類はいくつかあり、一番有名なのが牛肉のクロケットです。といっても、クリームソースに牛肉を煮込んだブイヨンを加えてるそうで、肉はほぐし身が少し混ざっている程度。お肉がメインの揚げ物というわけではありません。具は他にもチキンや七面鳥や小エビなどがあります。

オランダ人はクロケットがほんとに好きで、オランダコンビニエンスフード協会(Gemaksvoeding Nederland)によると、年間3億個のクロケットがオランダ国内で消費されているとか。一人当たり1年間に25個のクロケットを食べている計算です。特に「1週間のご褒美に」と、週の終わりにこういった揚げ物スナックを食べる人たちも多く、金曜と土曜はクロケットがめちゃくちゃ売れるそうです。一から手作りをするのは手間がかかる料理なので、スナックバーやカフェ、学校や会社のカフェテリアなどの外食で食べたり、スーパーで冷凍食品を買ってきて揚げることが多いです。

クロケットはガイドブックに必ず登場し、地元民も大好きなスナック。つまりマッククロケットは、そんな人気スナックを使った、オランダにしかないオリジナルメニューなんです。

これがオランダ版グラコロ「マッククロケット」だ!

書いていたら久しぶりに食べたくなってきました。ということで、さっそくマックへゴー!
マッククロケットは1つ3.95ユーロ(約730円)。ビッグマック単品が5.8ユーロ(約1070円)なので、それに比べると手頃なスナックや小腹満たしといった感じです。

タッチパネル式の注文はほんとに便利。マッククロケットには「牛肉100%」と書かれている。

待つこと数分で、揚げたてアツアツのマッククロケットがやってきました。オランダ国旗のカラーリング、赤・白・青のラインが入った紙に包まれています。どや、このご当地メニュー感。

包み紙がザ・オランダ。

手のひらに乗るくらいのサイズ感。開けてみるとパンとクロケットと白っぽいソースが見えます。スナックバーでパンにはさんでもらう時は、細長いクロケットをコッペパンなどに挟むので見た目はホットドッグのようですが、こちらは丸いバンズに合わせて作られた「丸いクロケット」が挟まれています。

ふっくらアツアツのマッククロケット
クロケットの上にはソースがたっぷりと。

食べてみると・・・。そう、これこれ!サクッとした衣からあふれる濃厚なクリームソース!優しい味わいのクリームの中にも、ゴロッとした牛肉が入っています。バンズが少し甘みを感じてふかふか。そして一番のアクセントがこのソース。粒マスタードがたっぷり入ったマスタードソースです。実はクロケットもマスタードを付けて食べることが多いんですが、マッククロケットにもマスタード味のソースがたっぷり。結構風味が強いんですが、これが逆に味をぼやけさせること無く、キリっと引き締めてくれる頼れる存在。日本のグラコロのようにキャベツや卵ソースもないシンプルなバーガーなので、マスタードソースのいい仕事が一層際立ちます。飽きることなく、ペロッと完食してしまいました。あぁ、あの日本のグラコロと全く同じではないけど・・・この小麦粉コンボ。そしてふわふわ、アツアツとろーり、サックリの組み合わせ。ありがとう、オランダ。ここでならグラコロ欲がいつでも満たされそうです。(本当はもう1個食べたかった。)

ほぐされた牛肉もゴロッと入っていました。

実は「ヨーロッパ初」のマクドナルドメニューでもあった

さてこんな感じで、ご当地メニューとしての存在感を放つマッククロケットですが、実は「ヨーロッパ第一号店のマクドナルド」の開業時からある、歴史あるメニューでもあるんです。マクドナルドは1940年にアメリカで誕生しましたが、ヨーロッパ第1店舗目はイギリスでもフランスでもドイツでもなく、まさかのここオランダで1971年にオープンしました。その時のメニューになんとマッククロケットが!その後メニューから消えていた時期もありましたが、1999年以降は定番化されて多くの人々に親しまれています。

これからもいろんなメニューが登場したり消えたりしても、きっとこれは残り続けるはず。年の瀬が近づいて日本の冬が恋しくなったら、マッククロケットにかじりついて、グラコロと共に過ごした日々を思い出そうと思います。

ありがとう、マッククロケット。

文/福成海央(ライター、科学コミュニケーター)
オランダ在住。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。気になったらとりあえずなんでも調べるしなんでも書く。おもしろいこと好き。オランダの美味しいチーズとポテトも好き。最近驚いたのは、語学苦手なのに海外に住んで10年になろうとしてること。

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