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日本で消えたマクドナルド「ビッグブレックファスト」は豪州で依然人気メニューだった

2026.04.11

「ビッグブレックファスト デラックス」。その名を聞くと懐かしさを覚える方も多いだろう。その名の通り朝食でありながら驚異の約980キロカロリー。「朝からガッツリ派」を狂喜乱舞させた日本マクドナルド史上最強のブレックファストメニューである。

その内訳はホットケーキ3枚、マフィン、ソーセージパテ、スクランブルエッグ、ハッシュポテトに、ホットケーキシロップ、バター、ストロベリージャム。ホットケーキとマフィンという炭水化物の重複、粉物かぶりもものともしない威風堂々の陣容だった。

だが2024年1月に「カロリー大好物」人間たちの涙に送られながら名誉の終売。世の中のヘルシー志向の荒波に逆らえず海の藻屑と化した。……かに見られた。

だがあなたはご存じだろうか。「ビッグブレックファスト デラックス」の流れをくむボリューミーにも程があるメニューたちが、海の向こうの「巨漢大国」オーストラリアでは脈々と受け継がれていることを。

高カロリーメニューが朝っぱらから勢ぞろい

「朝マックといえば」のマフィンたち。中でも存在感を放つのが「マイティーマックマフィンミール」だ。「マイティー」は「強力な」「力強い」という意味だが、ここは「最強マックマフィン」と訳したい。

ハッシュブラウンとコーヒーが付いて14.55オーストラリアドル(約1610円)。

オーストラリアでは一般的にカロカロリーではなくキロジュールで表示される。メニューボードでは「ミール(セット)」にした場合のキロジュールが表示されているので、オーストラリアマクドナルドのサイトで確認すると単品だと441キロカロリーとあった。

「ソーセージパテ、ベーコン2枚、チーズ、目玉焼き」という中身は、日本の「メガマフィン」からソーセージを1枚抜いて、代わりにベーコンを1枚プラスした感じ。「メガマフィン」が693キロカロリーだからそれよりも低い。

だからといってオーストラリアがカロリー大国ではないと判断するのは早計である。「メガマフィン」を上回るメニューもちゃんと存在する。「ビッグブレッキーバーガー」だ。「ブレッキー」とは「ブレックファスト」の略である。

このボリュームたっぷりメニューの下に、「ちょっと追加でどう?」とソーセージマフィンをしれっとぶっこんでくるのがまさに「カロリー大国」オーストラリアの面目躍如!

「ソーセージパテ2枚、ベーコン、チーズ、目玉焼き」とここまでは日本の「メガマフィン」だが、さらに「ハッシュポテト」ももれなく付いてくる。そう、「ミール(セット)」にしなくてもハッシュポテトがついてくるのだ。別の言い方をすると「ミール(セット)」にするとハッシュポテトが2枚になる。

この「ビッグブレッキー」の単品は751キロカロリー。ハッシュブラウンがついているだけ日本の「メガマフィン」を上回る。

ちなみにこの一品、味付けはトマトケチャップではなくバーベキューソース。オーストラリア人はこれが好きで、ドミノピザなどのメニューの約半分はバーベキューソースが基本となっている(オーダー時にトマトソースに変えることも可能)。

「普通のマフィン」もじつは隠れた高カロリー?

もちろん日本の朝マックの定番である「ソーセージエッグマフィン」や「ベーコンエッグマフィン」もある。

「ベーコンエッグマフィンミール」12.10オーストラリアドル。つまり約1340円。

日本の同じ内容のセットが460円だからほぼ3倍。泣けてくる。

ちなみにオーストラリアにおけるマクドナルドは日本のスタバのような「意識高い系御用達」……というわけではもちろんなく、庶民的なファーストフードの代表格だ。

この国ではとにかく外食費が高い。フードコートで手軽にランチを食べようと思っても、缶入りのドリンクやペットボトルをつけたら18オーストラリアドル(約2000円)くらいはすることは覚悟しなければいけない。

そんな中、すごく良心的な価格に映った朝マックメニューがある。ソーセージエッグマフィン2個にハッシュブラウン2枚の「ビッグブレックファーストディール」だ。

オンリー14.95オーストラリアドル(約1660円)!

2人前で約1660円。ということは1人830円! もちろん日本の「ソーセージエッグマフィンセット」530円の1.5倍以上するが、他のメニューの3倍から比べれば安いものである。これなら値段の前に「オンリー(たった)」のひとことをつけても許せる。

……と思ったのも束の間、何やら違和感を覚えた。もう一度メニューボードの文字をよく見てみる。すると「ソーセージエッグマフィン2個、ハッシュブラウンが2個」の間にこんな文字が見えるではないか。「ミディアムホットチョコレート1杯」。

「2人でわけてね~」ではなく、「一人で食べること前提」なのか? しかもその一杯がコーヒーではなく「ホットチョコレート」前提。おそらくここは変更できるだろうが、おそるべき「大食王国」オーストラリアである。

ちなみにこのセット、1073キロカロリー。2024年に日本のマックから姿を消した「ビッグブレックファスト デラックス」の980キロカロリーをも上回る。

こちらはグリドルベーコン&エッグのセット。日本では540円だが、やはり約3倍の14.10オーストラリアドル(約1560円)。

「ビッグブレックファスト」が伝統の国

さてではなぜオーストラリアの朝マックではこんなにボリューミーなメニューが多いのか。

じつはオーストラリアでは伝統的に食されている「最強の朝食セット」がある。大きめのソーセージ、厚切りベーコン、目玉焼き、ハッシュブラウン、パンなどを大きなお皿からあふれんばかりに盛り付けたものだ。焼きトマトやマッシュルームなどがはいることもあるが、とにかくボリューム満点(たぶん栄養バランスは0点)。

日本の食べ盛りの中高生なら泣いて喜ぶ盛り合わせ

これを一般に「ビッグブレッキー」と呼ぶ。先ほども書いたように「ブレッキー」とは「ブレックファスト」の略だ。これをマック風にアレンジしたのがこれまた先ほど紹介した「ビッグブレッキーバーガー」であり、その他のボリューミーな朝マックメニューもこのアレンジ版と言える。

そう、朝からボリューミーなのはもう伝統芸なのだ。

「変わった味」と意外な「格安メニュー」も

日本にはない朝食メニューを紹介しておこう。それは「ハニースリラチャ」味で、マフィンでもバーガーでも食べられる。

「スリラチャ」とはタイ発祥の唐辛子、ニンニク、酢などをベースにした激辛ソース。そう、「ハチミツ」と「激辛ソース」という朝っぱらからかなり激しい組み合わせである。

さてオーストラリアのマクドナルドは高い高いと連呼してきたが、逆に日本よりも安いメニューもある。それはソフトクリーム。通常50セント(約55円)で提供されている。金欠の折にはこれを10回くらい連続で食べるとそれなりに腹は膨れるだろうが、おそらくそのあとおなかがスッキリしてしまうこと請け合いだ。

お値段はともかくカロリーとメニューバラエティは魅力的なオーストラリアの朝マック。

文/柳沢有紀夫
世界約115ヵ国350名の会員を擁する現地在住日本人ライター集団「海外書き人クラブ」の創設者兼お世話係。『値段から世界が見える』(朝日新書)などのお堅い本から、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)などのお笑いまで著書多数。オーストラリア在住

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世界約115ヵ国350名の会員を擁する現地在住日本人ライター集団「海外書き人クラブ」の創設者兼お世話係。『値段から世界が見える』(朝日新書)などのお堅い本から、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)などのお笑いまで著書多数。オーストラリア在住

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