2026年4月7日(アメリカ東部時間)、アメリカのトランプ大統領はイランとの2週間の停戦に合意したと自身のSNSに投稿。この合意により、イランのアッバス・アラグチ外相(※)は、停戦期間中はホルムズ海峡を開放することを表明した。
※アラグチ外相は元駐日大使でもある(赴任期間:2008年2月〜2011年10月)。2022年の叙勲で旭日重光章を受章。
今後両国は仲介国のパキスタンで和平交渉に臨む予定だが、ひとまず世界的なエネルギーの供給危機が回避されたことから、市場は原油安、株高、ドル安・円高で反応した。
そんなイラン攻撃停止を巡る市場の動きを、今後も含めて分析したリポートが三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏から届いているので概要をお伝えする。
米国とイランはパキスタンの2週間の停戦案で合意、その間はホルムズ海峡が開放される見通しに
パキスタンのシャリフ首相は日本時間4月8日午前4時過ぎ、トランプ米大統領に対し、イランとの交渉期限を2週間延ばすように要請したことを明らかにした。
シャリフ氏はまた、その2週間はホルムズ海峡を開放するようイランに要請する考えも示した。これを受け、米国市場では停戦への期待が高まり、原油安、株高、債券高(利回り低下)、ドル安・円高の反応がみられた。
その後、トランプ氏は日本時間4月8日午前7時過ぎ、イランへの大規模攻撃を2週間停止することに同意するとSNSに投稿。イランがホルムズ海峡の開放に同意することが条件とした。
イラン側の動きも、日本時間4月8日午前8時過ぎから伝わり、米紙ニューヨーク・タイムズはイランがパキスタンの停戦案を受け入れたと報じたほか、イランのアラグチ外相は、ホルムズ海峡の安全な航行は2週間可能になると述べた。
■日経平均は急騰、2週間の交渉延期は心理的にプラス材料で、ホルムズ海峡の開放もサプライズ
これら一連の流れを受け、日本時間4月8日の朝方、WTI原油先物価格は一時1バレル=91ドル台まで低下。日経平均株価の先物(シカゴ市場、6限月)は急騰して、一時5万6000円台を回復した。
為替市場でも、米ドルが主要通貨に対し全面安となり、ドル円は一時1ドル=158円50銭台までドル安・円高が進むなど、中東情勢を巡るリスク回避の動きが大きく後退した(図表1)。

日経平均の現物は、取引開始から大幅高となり、一時5万6000円台を回復。日本国債の利回りも朝方、各年限で低下の動きがみられた。停戦交渉の期限が2週間延期されたことは、市場にとって心理的にかなりプラス材料と思われる。
また、トランプ氏はホルムズ海峡の開放について、これまでは各国が率先して行動すべきとの立場でしたが、今回は停戦条件とし、イラン側も了承した模様であるため、この点もサプライズだったと考えられる。
■米国とイランは紛争長期化を避け落とし所を探る可能性、日経平均は5万500円台で底打ちか
この先は、2週間で停戦合意に至るかが焦点と思われ、イランが提示した10項目の提案も注目される(図表2)。

なお、トランプ氏は11月に中間選挙を控え、紛争の拡大・長期化は、ガソリン価格の上昇と支持率の低下につながりかねず、できるだけ避けたい意向があると推測される。
また、イランも国内経済の疲弊やホルムズ海峡封鎖による国際社会からの孤立の恐れを踏まえると、やはり紛争の拡大・長期化は避けたい意向があると考える。
これらを踏まえると、米国・イランとも、それぞれの国内向けに強気の姿勢を維持しつつも、停戦のための現実的な落とし所を探る可能性が高いと思われる。
そのため、日経平均はしばらく停戦協議に関するニュースのヘッドラインに一喜一憂する展開が予想されるものの、3月30日と31日につけた取引時間中の安値5万500円台で、いったん底を打った公算が大きいとみている。
構成/清水眞希







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