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4月からの値上げ品目は?「高市減税」実施の前に〝食品の定義〟を学ぶ

2026.04.11

高市早苗総理大臣は、食品に限った消費減税に前向きと言われている。2年間に限り、食品に課せられる消費税が0%になる政策案だ。

が、問題は「食品」の定義である。これはよく知られた話だが、食玩付きの食品は「一体資産」という区分に位置付けられ、条件によっては軽減税率の対象から外れてしまう。いわゆる「高市減税」も、これと同様の基準が設けられる可能性がある。

ということは、今のうちに「食品」の定義を知っておくべき! ということになる。果たして、何が減税の対象に指定されるのだろうか?

イラン攻撃の影響はこれから?

この記事は、非常に執筆が難しいことをここで白状する必要がある。

2月から始まったアメリカ軍とイスラエル軍によるイラン攻撃は、この記事を執筆している4月6日現在も続いている。F-15戦闘機が撃墜され、そこから脱出したパイロットの救出にアメリカ軍が成功したとのことだが、全体的な状況はどうなっているのか。筆者は軍事関連の有識者ではないため、コメントは一切できない。

が、どのみち現状は極めて不安定で、一寸先の予測もつかないということだけは断言できる。

日本のシーレーンの只中の戦争。その影響から原油価格は高騰し、結果として多品目に渡る製品の値上げにつながる。帝国データバンクの調査によると、2026年4月の飲食料品値上げは合計2,798品目。ただし、これはイラン攻撃の影響がまだ及んでいない状態の動向であることを忘れてはいけない。


2026年の値上げは、1~7月までの累計で5729品目となり、年間の平均値上げ率は15%に達した。年間の値上げ品目予定が1万品目を超えていた前年同時期(2025年3月31日時点、1万1707品目)に比べ、2026年3月31日時点では予定を含めて前年比5割減ペースでの推移となった。ただ、菓子類などで「減量値上げ」が散見されるほか、コメをはじめ原材料高の影響で価格を引き上げるケースが多かった。さらに米国とイスラエルによるイランへの攻撃で中東地域の地政学的リスクが高まっているほか、原油供給の不安定化による包装資材やエネルギー高への警戒感もここにきて高まっており、鈍化傾向にあった値上げの動きが、年後半に再び強まる可能性がある。
(「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年4月 帝国データバンク 太字は筆者)


2026年後半からは、中東情勢を反映した「値上げラッシュ」が発生するかもしれない。我々一般小児者からすれば、残念な話題ではあるが——。

だからこそ、現政権が早期に「食品減税」に踏み出す可能性も考えられるのではないか。

「一体資産」とは?

高市減税の対象物品が軽減税率の「飲食料品」と全く同じと仮定した場合、その定義とは一体何か?

以下、国税庁が公開している資料の中の記述である。


問1 軽減税率の対象品目である「飲食料品」について、具体的に教えてください。【令和5年10月改訂】

【答】 軽減税率の対象品目である「飲食料品」とは、食品表示法に規定する食品(酒税法に規定する酒類を除きます。以下「食品」といいます。)をいいます(消法2(1)九の二、別表1一)。

食品表示法に規定する「食品」とは、全ての飲食物をいい、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に規定する「医薬品」、「医薬部外品」及び「再生医療等製品」を除き、食品衛生法に規定する「添加物」を含むものとされています。

なお、ここでいう「飲食物」とは、人の飲用又は食用に供されるものをいいます。

また、「飲食料品」には、食品と食品以外の資産があらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているもの(その一の資産に係る価格のみが提示されているものに限ります。以下「一体資産」といいます。)のうち、一定の要件を満たすものも含みます。

したがって、「飲食料品」とは、人の飲用又は食用に供される、

(1) 米穀や野菜、果実などの農産物、食肉や生乳、食用鳥卵などの畜産物、魚類や貝類、海藻類などの水産物
(2) めん類・パン類、菓子類、調味料、飲料等、その他製造又は加工された食品
(3) 添加物(食品衛生法に規定するもの)
(4) 一体資産のうち、一定の要件を満たすもの をいい、
・ 医薬品、医薬部外品、再生医療等製品、酒税法に規定する酒類を除きます。

(Ⅰ「飲食料品の譲渡」の範囲等 国税庁)


これを鑑みると、我々がスーパーマーケットやコンビニエンスストアで見かけるごく一般的な食品は「飲食料品」に該当するだろう。

が、問題は「一体資産」である。

これは即ち、食玩付きのお菓子だ。これに対しては、国税庁が以下のような見解を出している。


問84 菓子と玩具により構成されている、いわゆる食玩は、軽減税率の適用対象となりますか。【令和5年10月改訂】

【答】 食品と食品以外の資産が一体として販売されるもの(あらかじめ一の資産を形成し、又は構成しているものであって、その一の資産に係る価格のみが提示されているもの)は、次のいずれの要件も満たす場合、その全体が軽減税率の適用対象となります(消法2(1)九の二、別表1一、消令2の3)。

(1) 一体資産の譲渡の対価の額(税抜価額)が1万円以下であること
(2) 一体資産の価額のうちに当該一体資産に含まれる食品に係る部分の価額の占める割合として合理的な方法により計算した割合が3分の2以上であること

したがって、ご質問の商品が(1)及び(2)に該当する場合には、「飲食料品」に含まれることから、その販売は「飲食料品の譲渡」に該当し、軽減税率の適用対象となります。

(Ⅳ 「一体資産」の適用税率の判定 国税庁 太字は筆者)


その商品全体の価額の中で、食品が3分の2以上を占めなければ軽減税率の対象外になってしまう。このあたりが、軽減税率制度が始まった当初ちょっとした混乱をもたらしたこともあった。

外食分野に変革が及ぶ可能性

以上が現時点での「飲食料品」の定義であるが、仮に高市減税が実施された場合、懸念されるのは外食分野の売り上げ低迷である。

外食と自炊との価格差が広がれば、多くの人は自炊を目論むだろう。そのため、「外食分野に対する政策面でのインパクトも必要ではないか」という議論も存在する。

また、軽減税率がそうであるように「テイクアウトは消費減税の対象」ということも想定されている。となると、2020年から約3年間の「パンデミック時代」のように、外食事業者はテイクアウトに注力するようになるのではないか。

いや、もしかしたら「それ以上」になるかもしれない。

外食と自炊、互いの費用差は一概に比較できないが、それでも10%→0%のインパクトは極めて大きい。外食業界そのものを、もっと別の形に変えてしまう可能性も考えられる。いや、そうなるだろう。

このあたりで、現政権がどのような対策を講じるのか。そのあたりを含めて、「高市減税」からは目が離せない。

参考
「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年4月 帝国データバンク
Ⅰ「飲食料品の譲渡」の範囲等 国税庁
Ⅳ 「一体資産」の適用税率の判定 国税庁

文/澤田真一

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1984年生まれ。静岡市生まれ相模原市育ち。グラップリング歴20年超。世界のスタートアップ情報からガジェットレビュー、Apple製品、キャッシュレス決済、その他諸々のジャンルの記事を執筆。

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