日本でのメルセデス・ベンツの新車販売状況を調べてみると、昨年(2025年)は、5万855台で前年比ー4.4%だったが、国内純輸入車販売台数で11年連続で首位を達成している。その台数の内訳を見ると、SUVの比率は全体の5割超。中でも「GLC」は約8000台を販売しており、これは同社の車種別販売でトップとなっている。
2015年にデビューした「GLC」
「GLC」は2015年にデビューし、2020年、2021年には、世界中のメルセデス・ベンツの中でベストセラーSUVになったプレミアムミドルサイズモデルだ。2023年にフルモデルチェンジをはたしている。ボディのバリエーションは5ドアワゴンと、5ドアクーペの2タイプで構成されている。パワーユニットは直4、2.0Lのディーゼルとガソリンのターボ、2.0Lのプラグインハイブリッドが用意されている。
ヒットの要因はハイクオリティーなこだわりとコスパ
その「GLC」に2025年3月、新しいモデルが加わった。「core(コア)」と名付けられたそのモデルは、標準装備を見直し、シンプルな構成にしたモデル。外観はノーマルモデルと変わらず、ボディカラーが定番の白と黒とシルバーの3色に限定、スポーティな外観となるAMGパッケージも選べる。内装はレザーARTICOで、色はブラックが基本だ。オプションはAMGラインパッケージとパノラミックスライディングルーフの2つだけ。今回、試乗したのは「GLC 220d 4MATIC CORE ISG」。
このように、ボディカラーや内・外装の仕様を限定することで、コストを抑えた。その結果、車両本体価格はノーマル車より48~56万円ほど安い設定になった。この仕様変更が大ヒットにつながり、冒頭の販売台数の記録達成に大いに貢献した。2.0Lのクリーンディーゼル直列4気筒ターボエンジンに、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)を組み合わせた48Vマイルドハイブリッド。短時間なら23PS、205Nmのブーストが可能なモーターを搭載している。このディーゼルエンジンは可変タービンを採用した水冷式ターボチャージャーによりレスポンスが向上。ミッションは9速ATで、このミッションとエンジンの間にISGが組み込まれている。
フロントグリルの周囲を縁取るクロームトリムと、アンダーガード調のワイドなクロームトリムが特徴のフロントマスク。ヘッドライトは片側100万画素以上のデジタルライトを採用。瞬時にプロジェクションモジュールを抑制し、ハイビームでも対向車や道路標識に光が当たらないように調整できる。
「GLC」のセレクトモードはエコ/コンフォート/スポーツ/iのほかに、オフロードモードが備わる。このモードでは360°カメラを使い、メディアディスプレイ画面に、クルマのフロント部分下方の路面の映像を仮想的に映し出すトランスペアレントボンネット機能が使用できる。進路上にある大きな石や深い窪みなどの障害をいち早く発見することができるモードでもある。
オンロードでのスタートはCモードから。ダイナミックモードでの調節は、エンジン、ステアリング、ESPの各項目がチューンできる。いずれもコンフォートモードを選択。9速のATは相変わらずコラムのシフトレバーで行う。2.0Lのディーゼルターボエンジンは音は低く、振動も少ない。
スタートすると動きはモーターの力も加わり、アクセルオンで自重1930kgのSUVは軽快に走り出す。エンジンは2000回転をオーバーすると、唸り音が高まるが、耳障りではない。Dレンジでの加速を試してみる。4200回転まで上昇して、シフトアップ。0→100km/hを7秒台で走り切った。2LのディーゼルSUVでこの数値は速い。
コンフォートモードでのハンドリングは、低・中速域ではやや重めの操舵力だが、高速になると軽めになる。コーナーでもこの軽さは保たれ、素直なハンドリングを楽しませてくれる。乗り心地は低・中速での細かい上下動はちょっと気になるが、高速になると、この動きも消え、確かさを抑えたフラットな乗り心地になった。スポーツモードでは、操舵力や乗り心地はさらに硬くなる。9速ATのDレンジでのエンジン回転数は9速で1200、、8速で1400回転。高速のコーナリングでは、やや重めの操舵力を保ちつつ、スポーティに走ることができる。
そして、居住空間だが、前席はやや高めの着座位置で、頭上の空間にも余裕があり、圧迫感はない。後席もやや高めの着座位置なので、前方視界もよいが、足元はトンネル部分がやや高めで、快適定員は2名。頭上のスペースも身長170cmクラスまでなら、快適に寛ぐことができる。リアドアウインドウも全開にできる。後席の背もたれは4/1/4の割合で分割、前倒しができる。荷室は、奥行き、左右幅ともに1m以上あり広い。床面も開口部とフラットなので、重量物の出し入れも動きやすい。サブトランクは荷室の床下が約30cmほどの空間になっており、三角板などが収納されている。
使い勝手抜群の万能選手
メルセデスSUVのベストセラーモデルは、使い勝手がいい。今回は試乗できなかったが、オフロード性能も、クルマのフロント部分下方の映像を映し出す機能などが入ったモードが用意されており、楽しく、安全に走破できる。燃費も実走で15km/L台を達成するなど、経済的だった。
■関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/glc/overview.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博
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