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ラインナップの拡充を期待したくなる日産「リーフ」の完成度

2026.04.09

日産が2010年12月に、世界初の量産電気自動車として発売したのが初代「リーフ」。日本だけでなく、北米、欧州、中国市場にも投入された。2代目は2017年に登場し、2024年まで生産を続け、2025年現行の3代目に移行した。

3代目リーフの実力

3代目は、全長は2代目より120mm短く、ホイールベースも10mm短くなったが、全幅は20mm広く1810mmとなり、全高も5~20mm高くなった。全高に関しては、ノーマルモデルは1550mmだが、プロパイロット装備車は1565mmとなっている。この数値だが、都会のユーザーには微妙に使い勝手に影響してくる。

試乗する前からスペックが気になってしまったが、結論から言うと3代目はEVとしての完成度も高く、使い勝手のよいクルマになっている。走り出す前に新型車に近づくと、ボディが諸元以上に大きく感じられた。

SUVになって、いかにも室内が広いという印象だ。室内もEVプラットフォームによる広々とした足元やフラットで開放感のあるインストルメントパネルで、前席の空間は明るく広い。後席も足元は床がフラットで、膝回りの空間も十分だし、前席下にツマ先が入るので、窮屈感はない。頭上には日産初の調光パノラミックガラスルーフ(遮熱機能付)を備えている。後席で唯一気になったのは、ドアウインドウが全開できず、下1/4ほど降りきらない点だ。

電動格納式のハンドルを引いて、ドアを開ける。このドアハンドルは走り出すと自動的にボディ面に引きこまれ、空気抵抗を減らす。運転席に座ってドアを閉めると、ガチッと重厚感にも似た感触と音がする。これは新しく採用したプラットフォーム、CMF・EVの効果だろう。車体ねじれ剛性が旧型より86%アップしたのが効いている。

Dモードはパーソナル/スポーツ/スタンダート/エコの4モードをダイヤル式で選べる。出力特性の違いが主で、ダンパーのセティングは基本的には変わらないという。最初はスタンダードモードを選択する。変速はインパネ中央のプッシュスイッチで行う。左からP/R/N/Dだが、Rボタンだけスイッチの表面に突起があり、指先でわかるようになっている。目線を動かさず、指でシフトポジションがわかる工夫がされている。

パワーユニットは、モーター、インバーター、減速機を一体化した3in1のEVパワートレイン。フロントモーターは最高出力218PS、最大トルク355Nm、電池容量78kWhで、前輪を駆動する。

新型「リーフ」をスタートさせた時に感じたのは、出力/トルクのあるEVはアクセルを踏み込むと、ガンッとトルクが一気に増し、鋭い加速が始まるクルマが多い中で、スタートからの出足がマイルドなこと。だから、加速性能も大したことはなさそうだと思った。ところが0→100km/hの加速をテストすると、スタート直後の加速は、シートに体を押しつけられるような感覚は小さいのだが、所要タイムを計測すると6秒台だった。

ファミリーSUVにとって、同乗者が頭部を後方に持っていかれたり、シートに体を押しつけられるような加速は、決して快適とはいえない。そのあたりを上手にコントロールしたパワーユニットだといえる。この加速感の調整は日産の素晴らしい技術だ。

街中を流しての印象だが、乗り心地の硬さが気になった。これは装着していたタイヤが、ダンロップ「SPスポーツMAXX」の235/45R19サイズで高級スポーツタイヤの影響があったかもしれない。B7 G用ではなくB7 X用の18インチタイヤのほうが乗り心地がよいはずだ。当然だが、スポーツモードでは、上下動のキツさも加わって、ファミリーカーとしてはハードな乗り心地になる。

ハンドルにはパドルレバーも装備されているが、これは回生ブレーキの強弱を選ぶためのもので、4段階で選択することができるが、eペダルを使用しているときは使えない。eペダルは減速はするものの完全停止はしない。

走行中に気になったのは、高速道路を走行中に、100km/h前後で生じる風切り音だ。ミラーあたりから音が室内に入ってきた。このことを開発チームに伝えたが、EVはエンジンやミッションの音がなく、走行音が低いので、どうしても風切り音が目立ってしまうとのことだった。

たしかに、音に関してはクルマの各部分から発生するのだが、その都度、技術陣がその音を消すと、別の個所の音が気になるという“もぐらたたき”でもあるので、今回はミラー付近の風切り音が聞こえるようになったらしい。新型「リーフ」は、日産が15年以上にわたり、開発、改良を重ねてきたEVの代表格といえるでき栄えだ。この技術を生かして、車種展開を広げてもらいたい。

最後に、電費に関して記したい。電費は燃費と同じように走行条件によりかなり差が出るので、あくまで今回の試乗データであることを断っておく。試乗車を受け取った時の充電量は100%、メーター上の可能走行距離は606kmと表示されていた(※カタログ値は670km)。試乗中、バッテリー残量が残り49%を示した時に、航続可能距離は285kmを示していた。メーター上の計算で走行したのは321kmだが、実走行距離は213kmだった。

実走行と表示走行での差は意外に多かった。数日間「リーフ」を借用して乗り続けたが、毎日100%で出かけて行き、70~80%台で帰宅。そのまま200V、3kWの普通充電を行うと、翌朝には100%になり出かけることができた。これは、とても便利で、給油所に行く手間も時間も節約できた。新型は充電性能も向上したので、急速充電の150Wも90Wにも対応しているし、インフォテイメントシステムを連動させれば、目的地までの電池残量、充電スポットの空き状況などリアルタイムで検知するなど、最新のコネクテッド技術が導入されている。

EVに乗る環境は、目に見えて進化している。購入にあたっての補助金も国や自治体から支援されている。自分の生活環境を考えて、EVライフにシフトするのもありだろう。

日常生活のなかで気になったことを最後に。ボディサイズのことだ。全幅1810mmは、立体駐車場の中には全幅1800mm以内というところも少なくないので、わずか10mmでも入れてもらえないことがあった。さらに全高も1550mm以下という立体駐車場も多い。ノーマルモデルは1550mmなので、問題はないが、便利装備のプロパイロットを装備すると1565mmになる。立体駐車場に入らなくなるというのは、何かと解決してほしいところだ。

■関連情報
https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/leaf.html

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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