LIXIL、電気通信大学の孫光鎬准教授および東京農工大学の田中綾教授は、ミリ波センサーを用いた猫の呼吸計測精度に関する共同研究を実施した。
検証成果に基づき、LIXILが猫の体調管理ができるデバイス「neamo」を開発・製品化!
本共同研究では、ミリ波センサー技術が猫の呼吸数を高い精度で計測できる性能を有することを実証した。また、この検証成果に基づき、LIXILは猫の体調管理ができる非接触型計測デバイス「neamo(ニアモ)」を製品化し、2026年2月に「Makuake」にて販売を開始した。
■共同研究の社会的背景
近年、家族の一員として猫を迎える家庭が増える中、愛猫の健康寿命を延ばしたいという飼い主の意識が急速に高まっている。特に「安静時の呼吸数」は、猫が本能的に体調不良を隠す習性がある中で、心疾患などの病変を早期に察知するための極めて重要な指標(バイタルサイン)として注目されている。しかし、家庭内で日常的に呼吸数を正確に把握することには以下の課題があった。
装着によるストレスと警戒心:従来の健康管理デバイスは装着型が多く、警戒心が強い猫や首輪を嫌がる猫にとって、大きなストレスとなることが少なくなかった。
計測環境とプライバシーの制約:猫は狭く暗い場所を好むため、従来のカメラによる画像解析では、寝床や箱の中に潜り込んでいる際の計測が困難。また、室内カメラの常時稼働に対する飼い主のプライバシー保護も課題となっていた。
■共同研究の目的
こうした猫にストレスを与えず、かつプライバシーにも配慮するという課題を解決する手段として、微細な動きを非接触で検知できる「ミリ波センサー」の活用が期待されている。これを受けて、電通大の持つ高度なセンシング技術と、東京農工大の獣医学的知見をもって、ミリ波センサーがこれらの課題解決に資する性能を有するか検証することを目的に共同研究を実施した。
■共同研究の概要と成果
産学連携による共同研究を実施:
2024年11月から2025年3月にかけて、電通大、東京農工大、LIXILの三者で共同研究を実施し、ミリ波センサーを用いた猫の呼吸計測精度の検証を行なった。
猫にミリ波を照射し、体表面で反射された反射波を計測することで、猫に触れることなくお腹の上下運動から呼吸数を算出することができる。長毛猫と短毛猫を測定対象とし、自動車部品や電子機器・デバイスの微細な歪み測定、医療用機器のキャリブレーション(校正)など、極めて高い精度が要求される産業分野で利用されている高精度レーザー計測器をリファレンスとして、非接触型呼吸計測デバイス「neamo」に用いるミリ波センサーの測定精度を検証した。
高い計測精度を実証:
検証の結果、図2に示すように、高精度レーザー計測器での測定結果に対する平均計測誤差はわずか2.7%であり、実用上十分な計測精度を確認した 。特に長毛の猫がうつぶせで寝ている状態では、平均誤差0.5%という極めて高い精度で呼吸を捉えることに成功している(本成果は特定の実験条件下での検証結果であり、実際の使用環境等により変動する場合がある)。
■共同研究成果をもとにLIXILが製品化
共同研究による精度検証の成果を活用し、LIXILは猫の体に触れることなく安静時の呼吸数を計測できる非接触型呼吸計測デバイス「neamo」を開発・製品化した。デバイスで計測した呼吸数は専用アプリで確認でき、呼吸数が「いつもどおり」かどうかを判定し、通知する機能も備える。LIXIL独自の製品設計により、飼い主のプライバシーを保護しつつ、猫がお気に入りの場所でリラックスしている間に自動で健康管理を行なうことを可能にしている。なお、本製品は、2026年2月より「Makuake」にて販売を開始している(URL:https://www.makuake.com/project/neamo/)。
関連情報
https://www.lixil.com/jp/
https://www.uec.ac.jp/
https://www.tuat.ac.jp/
構成/立原尚子







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