■連載/阿部純子のトレンド探検隊
表立って話題にしにくい「便」。今までは「出るか・出ないか」という排便の有無を中心に語られることが多く、便そのものが持つ健康情報としての価値は十分に注目されていない現状があった。
しかし近年、腸内環境や排便と健康の関係に関する研究が進み、アカデミアや医師の間では、便を「茶色い宝石」「体の状態を映す情報の宝庫」と捉える考え方が広がるなど、期待値が高まりつつある。
便秘の有無だけでなく、便の硬さや色、量などを総合した便の質を指す「便質」の重要性が見直され、便質を注目することで、QOL(生活の質)の向上や病気の早期発見の可能性が上がるなど、多くのメリットがあるとわかった。
一方で、便質は生活者にとって意識しづらい健康指標であることから、「ボラギノール」を製造・販売する天藤製薬は、便秘と痔の密接な関係性に着目し、排便時の負担に大きく影響する便質への意識を高めることを目的に、2023年より「便質啓発プロジェクト」を開始した。
同プロジェクトは、日本人の便に対する意識を高めることを目的に、様々な角度から便に関する意識調査を実施しており、今回は第三弾として、日常的に親しまれている「星占い」に着目、星座ごとに便質意識にどのような差があるのか調査した。
星座別に「排便満足度」や「便秘の傾向」を分析
今回の調査は、おうちの診療所 中野院長であり、日本うんこ学会会長を務める元消化器外科医である石井洋介医師が監修を行い、腸活アプリ「ウンログ」と共同で実施。
誕生日から導かれる太陽星座を使って、便質がQOLに関係しているのか、排便満足度や排便回数など、日々の健康にどのような影響を与えているか、多角的に分析している。
調査対象はウンログアプリを利用する全国の20代~60代の男女で、有効回答数は1,626名。星座と便質は本当に関連性があるのか、監修を担当した石井医師の分析も交えて調査結果を紹介する。
※以下、調査データはすべて天藤製薬株式会社調べ
【石井洋介氏 プロフィール】
「日本うんこ学会」会長、「おうちの診療所 中野」院長。自身が病気のため19歳で大腸を失い、21歳より一念発起し高知大学医学部に入学。消化器外科医として手術をこなす中で、大腸癌などの知識普及を目的としたスマホゲーム「うんコレ」の開発・監修、「日本うんこ学会」を設立した。 その後、厚生労働省医系技官などを経て、企業と協働でプロダクト作成やヘルスケアコミュニティSHIPの運営を行いながら、在宅診療を中心に 病院の外の医療の拡充にフィールドを広げている。異能vation2019破壊的挑戦部門受賞。
〇排便回数が多くても排便満足度が高いわけではない
排便時のスッキリ感を評価する「排便満足度」を聞いたところ、最も高い星座は「魚座」と「牡羊座」が同率の1位で、次いで3位は山羊座であることがわかった。
1週間の平均排便回数は、乙女座が6.87回で一番多く、一番少なかったのが排便満足度1位の魚座で6.05回。魚座の結果から、排便回数が多いからといって必ずしも排便満足度が高いわけではなく、回数だけでは、スッキリ感にはつながらないことが明らかになった。
「排便は食生活などを含む生活習慣と関係しています。今回の調査結果で非常に興味深いのは、1週間の平均排便回数が最も少なかった魚座が、牡羊座と並んで排便満足度で第1位となった点です。
この事実は、排便において重要なのは『出るか出ないか』という回数だけではなく、いかにスッキリと出せているかという満足度であることを示唆しています。回数だけに一喜一憂するのではなく、便の性状や排便時のスッキリ感に目を向けることが生活の質を上げてくれるポイントになりそうです」(以下「」内、石井医師)
〇星座別で見る「便秘」の傾向
便秘に悩む人の割合が最も高かった星座は牡羊座で73.4%。次いで水瓶座が71.7%、さそり座が70.6%と続く結果となった。
6ヵ月以上継続して悩む「慢性便秘」で、最も割合が高いのは獅子座の37.6%という結果に。さらに、10年以上悩み続けている「筋金入り便秘」については、最も割合が高いのは射手座の38.5%と、便秘の悩みの質に応じて星座が異なる特徴が見られた。
〇「便通費」でも星座ごとに格差あり
便秘に悩む人に対して、便通改善のために年間で費やすお金「便通費」を聞いたところ、最大は110万円に達し、前回より10万円も多く費やしている人がいることがわかった。また、便秘に悩む人の便通費の平均額は18,518円で、これは2年前の調査から約2千円減少している。
星座別では天秤座が平均35,204円と最も多く、同星座は「便秘の悩みが少ない星座」1位でもあった。また便通費2位の星座である山羊座も同じく、「便秘の悩みが少ない星座」2位となっており、便秘対策費の多さと悩みの少なさに相関がある可能性が示唆された。
「今回の結果により、非常に多くの人が便秘に関して悩みを抱えており、解決する難しさを改めて感じました。
その中でも、対策費用の『便通費』を投じている天秤座と山羊座が、便秘の悩みが少ない星座でもある点は非常に興味深かったです。これは、自身の体質や悩みの質に合わせて、ケアへ自己投資したことが、結果としてお腹の健康維持に寄与している可能性を示しています。
便秘の悩みは人それぞれですが、自分に合う改善方法を見つけ、結果にコミットすることで、納得感を持って取り組むことになり、結果として快適な毎日へ近づけるのかもしれません」
〇便質意識の中で特に低い項目は「便の色」
医師が推奨する便質のチェックポイント「硬さ」「量」「色」いずれかを、普段から最も意識できているのは牡羊座(86.3%)。
一方で、全体としては便の「量」(64.6%)「硬さ」(60.3%)に比べて「色」を意識している割合は、わずか28.7%と低く、便質に関して正しい知識が十分に浸透していない現状が浮き彫りになった。
「推奨する便質のチェックポイントとして『色』と『性状』が挙げられますが、色を意識している人はわずか28.7%と非常に低いことが明らかになりました。
便の色は体の状態を映す鏡のようなものです。形や量だけでなく、しっかり色まで含めて観察する『観便』の知識を広めていくことが、日々の体調管理や病気の早期発見において重要だと考えています」
〇良い便が出る人ほど人生の充実度も高い
ブリストルスケール(便の硬さとかたちを7段階に分類する世界基準)を基準に、便質が良い人と悪い人で生活の充実度などを聞いた結果、便の質が良いと回答した人ほど、「生活が充実している」「生きがいがある」「健康である」「仕事へのモチベーションが高い」と回答した。この結果により、便質とQOLには深い相関性があることが改めて明らかになった。
「調査結果から、便質の良し悪しによって『生活の充実度』や『生きがいを感じているか』などに差が出て、QOLや労働生産性と相関関係がありそうなことがわかりました。
理由は様々考えられますが、自分の便を良いと思える肯定感の高さと、主観的な健康感の良さが相関しているのかもしれません。また、日々健康的な生活が送れている人は、実際に便質が良くなるだろうとも考えられます。
便秘や下痢などで来院される方の多くは、背景に心的な問題についても言及される方が少なくありません。便の調子の良し悪しを自分の心身のバロメーターとして見ていくのも一つですね」
QOLを高めるための効果的な行動として「便質改善」が上位に挙がったが、実際に毎日行動できている層は33.6%にとどまった。
便質改善の行動ができていない理由で最も多かった回答は「自分に合う方法が分からない(34.8%)」、次いで「便質を改善する方法が分からない(25.9%)」となった。便質改善の重要性は理解されているものの、具体的な行動に移せていない実態が明らかとなった。
さらに、健康行動のきっかけとして、「医師や専門家のアドバイス(42.1%)」に加え、「占いのラッキーアクション(38.2%)」が挙げられ、占いが行動変容の入口となる可能性が示唆された。
「便の意識が高いウンログユーザーであっても、便質改善のために、毎日行動できている人の割合は高くなく、意識の高さと実際の行動との間にギャップがあることが明らかになりました。
便質とQOLの相関が示唆された一方で、多くの人が便を気持ちよく出していく方法を正しく把握できていない実態も見えてきました。
便質の改善も含めて健康的な生活を送るためには、食生活の見直しや運動習慣の導入や、良質な睡眠の確保、精神的な安定などが必要です。この変化に気づくためには、毎日の便を記録し観察しながら、自分に合った無理なく続けられる方法を探そうとする、『うんこPDCA(計画・実行・評価・改善)』を考えることを推奨しています。観察の結果、不調が続く場合は、医師に相談することも有効です。その際には排便の記録を医師に見せるとなお良いと思います」
【AJの読み】「占い」を入り口に「観便」をより身近な習慣に変える
星占いで慣れ親しんでいる星座を切り口に、排便習慣や便質を調査する、冗談なのか本気なのかわからないような今回の取り組み。監修を担当した石井医師も「最初は戸惑いもありましたが、確かにラッキーアイテムなど自分でも結構実行しているなと思い、面白いテーマだと考え直しました」と話す。
占い師の立場から見ると今回の調査はどう映るのか。占星術家のSUGAR氏はこう話す。
「今回の調査を通じて、占いが多くの方の具体的な一歩を後押ししていることがひとつのデータとして可視化されたことを、大変興味深く受け止めています。
占いは本来、自分自身の傾向やリズムに目を向けるための鏡のような存在です。それは心の持ち方だけでなく、体から発せられる重要なサインである『便』に対しても同じことが言えるのではないでしょうか。
占いが持つ『今日はこれを意識してみようかな』と思える気軽さは、日々の便質に目を向ける習慣を後押しし、結果として生活を見直したり、必要に応じて医療や専門家の助言につながったりする入口としても働いていくはずです。占いは医療の代替ではありませんが、健康行動の最初のきっかけとして機能し得るものだと考えています」
「占い」と「便質」に関しては、天藤製薬が2023年より推進している「便質改善プロジェクト」の第三弾として、腸活アプリ「ウンログ」内に「すっきり占い」を新たに実装。
医療的な啓発だけでなく、日常的に親しまれている「占い」を入り口にすることで、健康管理の基本である「観便」をより身近な習慣に変えることを目指している。
取材・文/阿部純子







DIME MAGAZINE

























