2026年4月1日、アメリカのトランプ大統領はイラン軍事作戦に関する演説を行ない、「圧倒的な勝利」と戦果を強調した上で、イランとの合意が得られなければ「極めて激しい打撃を与える」と予告した。
一方、ホルムズ海峡の封鎖に端を発する原油の供給リスクについては具体的な方策が語られることはなく、先行きの懸念から市場では原油先物価格が一時1バレル106ドル台に上昇した。
そんなトランプ演説を踏まえ、イラン攻撃が開始されてからの日本株の動向、さらに今後の展開に関する分析リポートが三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏から届いたので概要をお伝えする。
イラン攻撃の最初の2週間で上昇した業種は33業種中3業種のみだったが、その後8業種に増加
4月1日付レポートでは、世界の金融市場が、イラン攻撃から最初の2週間で「原油高、株安、債券安、米ドル高」で大きく反応をしたものの、その後2週間ほどで、いずれの反応も、その度合いが小さくなったことを検証した。
今回は、日本株に焦点をあて、最初の2週間(2月27日から3月13日)と、その後(3月13日から31日)の期間で、目立った変化がみられたか否かを確認していきたい。
まず、東証33業種指数をみると、最初の2週間で上昇したのは「鉱業」、「海運業」、「その他製品」の3業種のみとなり、「空運業」や「ゴム製品」などは大きく下落した(図表)。

ホルムズ海峡の通航量減少による原油高や船舶運賃の上昇などが業績に与える影響を踏まえ、業種の選好が進んだと推測できる。しかしながら、その後2週間ほどで、上昇した業種は8業種に増え、最初の2週間で大きく下げていた業種は下落率を縮小した。
■スタイル・市場別でも直近はバリューやプライム市場指数が選好され、イラン攻撃前の状態に戻る
次に、スタイル別指数のパフォーマンスを確認すると、最初の2週間はTOPIXグロースがTOPIXバリューを上回ったが、その後は逆転した。
また、市場別指数をみるとパフォーマンスの良い順に、最初の2週間は東証グロース市場指数、東証スタンダード市場指数、東証プライム市場指数であったが、その後は東証プライム市場指数、東証スタンダード市場指数、東証グロース市場指数に変化している。
その後の期間におけるスタイル別指数と市場別指数のパフォーマンス順は、実はイラン攻撃前の期間(2025年12月30日から2026年2月27日)におけるパフォーマンス順と同じものであり、前述の業種別指数の動き(上昇業種の増加)と合わせると、過度な警戒が和らぎつつあるように思われる。
ただ、内需株は最初の2週間もその後も外需株より選好されており(攻撃前の期間では外需株が内需株よりも選好)、まだ慎重さが残る。
■トランプ発言は依然不安定要素だが、戦禍の極端な拡大がなければ日経平均は下値固めの方向へ
このように、業種別の指数などについて、イラン攻撃から最初の2週間と、その後2週間ほどの動きを振り返ると、多くの指数に変化がみられ、慎重ながらも過度な警戒が和らぎつつある模様だ。
ただ、トランプ米大統領は日本時間の本日午前10時から演説を行ない、イランでの戦争は「完了に近づいている」と述べた一方、「今後2~3週間でイランに極めて厳しい打撃を与える」、「イランが動きをみせればミサイルで攻撃する」と発言した。
演説では、イランとの停戦協議の進展に関する手掛かりは示されず、WTI原油先物価格は上昇し、日経平均株価は下落で反応した。
結局、中東情勢を巡る不透明感は払拭されず、日本株は不安定な値動きがしばらく続く見通しとなったが、各指数でみられた直近の変化を踏まえると、戦禍が極端に拡大(米軍による地上戦展開やエネルギー施設の攻撃拡大など)しない限り、日経平均は少しずつ下値を固める方向に進むのではないかとみている。
構成/清水眞希







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