Suicaの進化が発表され、今後目が離せない鉄道サービス。現在発売中の雑誌『DIME』5月号では、「シン鉄道ビジネス」を大特集している。
今回、その中から紹介するのは、労働者不足が深刻化する物流業界で、注目を集める「荷物専用新幹線」だ。3月23日、JR東日本が国内初の本格運用を開始。山形新幹線で役目を終えるE3系を改造し、最小限のコストで高速輸送を実現した。
その背景や狙い、今後の広がりを鉄道ジャーナリスト梅原淳さんが解説。新幹線物流は社会課題をどう変えるのか、その可能性に迫る。

鉄道ジャーナリスト
梅原 淳さん
1965年生まれ。銀行員、鉄道雑誌編集者を経てフリーランスの鉄道ジャーナリストに。情報番組などで鉄道関連のニュース解説を行なう。
コロナ時にわかった新幹線輸送の需要

JR東日本が荷物専用の新幹線を製造して3月23日から盛岡車両センターと東京新幹線車両センターの間で本格的な荷物の輸送を始めた。鉄道ジャーナリストの梅原さんに話を聞いた。
「E3系という山形新幹線で使われていたものを改造。座席を撤去して荷物を置くスペースにした専用車両を使います。積むのは盛岡から東京までの一方向のみです」

専用車両で片道だけの運行。採算は取れるのだろうか。
「コロナで新幹線の利用者が減った時、新幹線に荷物を載せる実証実験が各路線で行なわれました。そこで東北エリアからの輸送需要があると確認できたのでしょう」
専用の新幹線を使うと運行コストがかかりそうだ。
「E3系は、廃車となる予定だったもので『やまびこ号』などと連結して運転することを前提に設計された車両を改造したもの。運転の際は『やまびこ号』の後ろに連結され、運転士のいない状況で運転されると思われます」
最小限のコストで新幹線による荷物輸送を行なう。そんなベースがタイミングよく整っていたのだ。
「さらに荷物の積み下ろしの場所を車両センターにしたことで効率よくたくさんのものを運べます」
今後、荷物新幹線は増えるのか。
「ほかの新幹線に連結するスタイルは東京〜盛岡間でしか走らせられない設計となっているので、仙台の荷物を東京へ運ぶ荷物新幹線が登場する可能性は高いです。ただ東京〜新大阪間や東京〜金沢間にこの方式の新幹線を作るのは難しそうですね。ですが各社がコロナの時の試験輸送で需要をつかんでいると思いますし、ドライバー不足の問題もあるので、荷物専用車両を開発して新幹線の中に1〜2両だけ組み込む、といった可能性はありますね」
荷物専用新幹線を徹底解剖!


地域にも貢献する『はこビュン』
JR東日本の新幹線や在来線の特急列車などを活用した荷物輸送サービス。地域の特産品などを輸送し、地域創生に貢献している。

車両センター内で荷物を積み下ろし
実証実験は駅のホームで行なっていたため、大量の荷物の出し入れは厳しかったが、車両センターで行なうことでスムーズな対応に。


JALグループと連携した新サービス
『JAL de はこビュン』を2026年1月から開始!
1月から新幹線と飛行機を使った海外への輸送サービスをスタート。東北、上越、北陸などの新幹線沿線から香港、台北、クアラルンプール、シンガポールへスピーディーな輸送が実現した。









DIME MAGAZINE











