Suicaの進化が発表され、今後目が離せない鉄道サービス。現在発売中の雑誌『DIME』5月号では、「シン鉄道ビジネス」を大特集している。
本記事では移動、決済、地域。この3領域において、これまでのSuicaの当たり前を超えていくというプロジェクト「Suica Renaissance」を解説していく。
「移動」、「決済」に関しては、日常的に行なうことであり、超えていく感じをつかむことができた。だが、「地域」とは一体どんなものなのか。そして、これまでの地域におけるSuicaの当たり前とはなんなのか。
Suica Renaissanceの大きな領域のコアとなるプロジェクト「ご当地Suica」を担当する平井さんに聞いた。
生活のあらゆる場面にSuicaが浸透する

東日本旅客鉄道
マーケティング本部 Suica・決済システム部門
Suica Renaissance ユニット(Suica戦略) マネージャー
平井辰徳さん
今回のプロジェクトを統括。Suica Renaissanceの前から、改札システムのセンターサーバー化などSuicaに関する技術に関わる。
ご当地Suicaとは?
認証、決済を瞬時に行なうことができるSuicaの特性を、交通だけでなく、地域の生活にも活用しようというプロジェクト。

「Suicaは移動する際や、買い物などの支払いで使うもの。そんな当たり前を超える、地域の生活に活用されるツールとするのが『ご当地Suica』です」
地域にSuicaがどう関わるのか。
「Suicaは主に鉄道を利用する際に使うものなので、小さなお子様から高齢の方まで、幅広い年齢層が利用しています。そして『読み取り部にタッチして使う』といった使い方も浸透しています。多くの人が持っていて使い方がわかるツール=Suicaを使えば、例えば、「自治体の図書館の利用者カードの機能をSuicaに統合する」「コミュニティーバスよりも細やかなサービスが行なえるデマンド型交通の予約システムにSuicaを活用」といったことができるように。地域の生活の様々な場面で利用者に『デジタル=いろいろ複雑になる』といったネガティブな思いを感じさせることなくデジタル化を進められるのです。結果、省人化にもつながるので、人口が減少していくこれからの時代にもマッチしたものになると考えています」
Suicaの誕生から25年、DIME最新号では鉄道ビジネスの最新トレンドを大特集
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2027年春に群馬県&宮城県で先行スタート

そんな「ご当地Suica」のサービスは2027年の春から群馬県と宮城県で始まる。
「群馬県には、公共交通機関、デマンド交通、タクシーなどをスマホひとつで乗車予約できる「GunMaas(グンマース)」というサービスがあります。こちらを発展させる形で、交通利用をベースとした生活に役立つSuicaのサービスを展開したいと考えています」
宮城県での計画は──。
「こちらは自治体と連携、子育て支援制度などの制度を実施する際の申請手続きの簡略化を実現したり、自治体からの情報配信や、公的施設の受付が手軽に導入できたりするシステムを活用していただくことを想定しています」
役所の面倒な手続きをタッチひとつで終えることができれば、移住者や、二拠点生活をする人の増加が期待される。人が増えれば地域の活性化にもつながりそうだ。
「具体的にいつまでにどんなことを、ということは決まっていませんが、群馬県、宮城県におけるご当地Suicaの導入のデータを検証しつつ、28年度以降、各地へご当地Suicaのサービスを広げていきたいと考えています」
今後、JR東日本管内以外のエリアにも拡大するのかも注目だ。
宮城県在住のDIMEライターの反応は?
これまで「都会での利便性やスマート化」が先行していたように感じていた自治体のオンライン申請サービス。「ご当地Suica」が地域の「不」や「負」に目を向け、そのあたりのサービス改善に着手することは、地方在住者としてありがたいです。
役所の手続きのオンライン化に期待

DIMEマネーライター 齋藤めぐみさん
仙台市在住の元銀行員。テレビ・ラジオなどのメディア出演のほか、マネー講師としても活動。

群馬県出身のDIME編集長・石﨑の反応は?
群馬県は車移動中心の社会。Suicaが使えるだけでは公共交通機関に乗る動機付けとしては弱い。ですが、居住地や年齢に応じた割引、地域限定バリューが付与されるとなれば、経済的メリットが生まれそうです。
限定ポイントの効果は大きい!

DIME編集長 石﨑寛明
2008年より本誌編集に携わり、23年より編集長を務める。TBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』に年イチで出演も。
群馬版MaaS「GunMaaS」を「ご当地Suica」に活用

交通系のアプリ「GunMaaS」が稼動している群馬県では、Suicaで乗車できる乗り物を増やすするなど、移動面での快適化を図られるようだ。
2028年度以降、さらに機能も導入エリアも拡大!!

2028年以降は、JR東日本管内の各地に「ご当地Suica」を順次導入する予定。東京都や神奈川県にも導入計画があるという。
取材・文/渡辺雅史 撮影/タナカヨシトモ(人物)
Suica誕生から25年、キーワードで読み解く鉄道ビジネスの最新事情
25年前にSuicaが誕生してから、各鉄道会社は旅客輸送以外の分野を含め、新たなサービスの提供を進めてきた。ここ最近ではさらに進化し、「貨物新幹線」「無人運転」「推し活」など時代に合わせたサービスや事業を拡大している。中でもJR東日本は「Suica Renaissance」を掲げ、Suicaのアップデートを進めている。今月号のDIMEでもそんな進化する鉄道を大特集、注目のキーワードと共に紹介している。
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