2026年1月2日、BMW本社はアルピナの商標権移管が1月1日に完了し、BMWグループ傘下の独立したブランド「BMW ALPINA」が正式に誕生したと発表した。筆者は、アルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン社が展開していたALPINA最後の年となる2025年にALPINA「D3Sツーリング」でロングドライブを行う機会があり、そのしなやかな乗り心地とスムーズな3L直6ディーゼルターボの加速性能に魅了された。
しかし、ALPINAがBMWグループ傘下となり「BMW ALPINA」として生まれ変わるとすると、“Mモデル”との違いが非常に気になった。そこで、ALPINAとMモデルとの違いを感じるため、同じ「3シリーズツーリング」をベースとしたBMW 「M3 Competition M xDrive Touring」で東京と大阪を往復するロングドライブを行った。
公道走行も可能な究極のレーシングスポーツモデル
BMWがサーキットで鍛え上げた、スポーツドライビングの証となる「M」の称号を与えられたモデルは、公道走行も可能な、究極のレーシングスポーツである“M ハイ・パフォーマンス・モデル”。サーキットも攻められる高性能スポーツカーの“Mパフォーマンス・モデル”。そして電気自動車“Mモデル”の3種類があり「M3 Competition M xDrive Touring」は“M ハイ・パフォーマンス・モデル”に該当する。
試乗したのは、車両本体価格1498万円(2026年1月時点)の 「M3 Competition M xDriveTouring」。オプションとして、フローズン・ダーク・グレーのスペシャルカラー68万円をはじめ、BMW Individualフル・レザー・メリノ37万2000円、Mコンフォートパッケージ29万6000円、Mカーボン・エクステリア・パッケージ60万6000円、Mカーボン・セラミック・ブレーキ144万4000円、Mドライバーズパッケージ35万8000円を装着した総額1873万6000円という仕様だ。ALPINA「D3Sツーリング」の車両本体価格が1410万円なので、オプション装備を追加するとほぼ同じ価格となる。
「M3 Competition M xDriveTouring」は、全長4805mm×全幅1905mm×全高1450mmというボディサイズ。直6エンジンを搭載した「M340i xDrive ツーリング」と比べると全高は同じだが、全長と全幅が80mm拡大されており、特に全幅+80mmは数値以上にワイドな印象を受ける。
搭載されている3L直6ガソリンターボエンジンは、最高出力530ps、最大トルク650Nmを発生。トランスミッションは8速AT、駆動方式は4WDを採用し、5人乗車時のラゲッジルーム容量を500L確保したステーションワゴンにも関わらず0-100km/hの加速はわずか3.5秒というハイパフォーマンスを発揮する。これだけのハイパフォーマンスながら、燃費性能はWLTCモードで9.6km/Lを実現しているというのだから驚きでしかない。
良い意味で緊張感を常に感じられるクルマ
「M3 Competition M xDrive Touring」のコクピットに座ると、ラグジュアリーな室内空間には似合わない緊張感が漂う。このただならぬ緊張感こそ、公道走行も可能な、究極のレーシングスポーツしか味わえない感覚なのだろう。ドライビングモードをコンフォートに設定しても、街乗りではかなり硬さを感じるセッティング。しかし跳ねるような嫌な硬さではない。またタイヤからのインフォメーションをドライバーにリアルタイムに伝えてくれる。
しかし、高速道路を走行するとその硬さは安定感の高さへと一変。日本の高速道路の速度レンジならば、「M3 Competition M xDrive Touring」のポテンシャルをもってすればクルージングだ。さらにアダプティブクルーズコントロールを作動させれば、快適なクルージング走行ができる。せっかく「M3 Competition M xDrive Touring」でロングドライブができるので、大阪までのコースをあえて、オメガカーブをはじめ、コーナーの多い名阪国道を往復利用した。
ニュルブルクリンクとまではいわないが、アンジュレーションのある路面、キツイアップダウンそしてコーナーの多さ。「M3 Competition M xDrive Touring」の性能を知るには絶好のステージ。530psを発揮する3L直6ガソリンターボエンジンとカーボンブレーキシステムを搭載した「M3 Competition M xDrive Touring」にとっては、普通のワインディングを走行するのと変わらない快適さだった。
東京と大阪を往復して感じたのは「M3 Competition M xDrive Touring」は良い意味で緊張感を常に感じられるクルマであること。それは公道走行も可能な究極のレーシングスポーツを謳っていることもあり、サーキットでの走行をメインに見据えたモデルだからだ。それでも、東名高速の渋滞に巻き込まれながらも11.9km/Lという燃費性能を達成するあたりは最新のスポーツカーらしい。
MとBMW ALPINA。この異なるブランドが共存できるのかということで行ったロングドライブだったが、速さへのアプローチが異なっており、この2ブランドは共存できるだろう。ストイックに速さを追求する人は“Mモデル”。ラグジュアリーと速さ両方を求める人には“BMW ALPINA”という選択になるのではないだろうか。新しいBMW ALPINAの姿が楽しみでしかたない。
■関連情報
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/m-series/bmw-3-series-m-models/bmw-m3-touring.html
取材・文・撮影/萩原文博
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