MINIのラインアップに新しく加わったのが「エースマン」。「カントリーマン」「ミニクーパー」に次ぐ、3番目のMINIシリーズだ。新世代のMINIは、「カントリーマン」が新型になり、2023年にデビューした。その後、3/5ドアとコンバーチブルが新しくなった。新しくなったのを機に、MINIは「ミニ クーパー」というのが正式に名称になったことは、あまり知られていない。「ミニ クーパー」はデビューした時から、Eモデル=電気自動車をラインアップしていたが、それは3ドアのみで、5ドアの「ミニ クーパー」にEVはなかった。その理由はこの「エースマン」にある。
「エースマン」はEV専用に設定されたモデルで、ボディーサイズは全長4080mm、全幅1755mm、全高1515mm、ホイールベース2605mmで、3ドア、5ドア「ミニクーパー」や「カントリーマン」とも異なるサイズのボディだ。フロントフェイスは「カントリーマン」と共通するデザインを採用しているが、サイズが違う。「カントリーマン」のほうがひと回り以上大きい。
5ドアに近いサイズのEVを造ったことで、5ドアにEVを設定しなかった。「エースマン」は全幅も全高も、日本の都会サイズに合わせてのサイズなので、使いやすいはずだ。「エースマン」のグレードは「エースマンE」と「エースマンSE」の2つ。両車の違いは、パワーユニットで、どちらもリチウムイオン電池を搭載しているが、総電力量が異なる。Eは、電池容量が42.5kWh、最高出力は184ps、最大トルクは290Nm。一充電あたりの走行距離は310km。SEは54.2kWh、218PS、330Nm、414km(WLTCモード)と発表されている。
今回、試乗したのはSEグレード。メーカー希望小売価格は562万円(2025年12月)。
新型は内外装に新しい時代の要望を採り入れ、これまでのMINIにはないモデルであることを印象付けている。例えば、外観で複雑な八角形の輪郭だけを残したフロントグリルは重要なものだけを残したクリーンなサーフェスを特徴としている。ボンネットスクープやサイドスカットル、ロッドアンテナなどは廃止し、フラッシュサーフェスドアハンドルやフィンアンテナを採用している。さらに、ギミックもカスタマイズ可能なLEDシグニチャーライトやWelcom/Good-byeライトの採用などが新しい。
内装も基本的には「ミニ クーパー」と同じ仕様だ。大きな丸型の有機ELセンターディスプレイは、ダッシュボードの中央に置かれている。直径240mmの高品質ガラスが用いられ、高感度なタッチ機能も備えている。操作項目はメーターパネルとしての機能はもちろん、AD機能付きのナビシステム、メディア、電話、エアコン、各種設定などがこの円型ディスプレイでできる。さらに円型ディスプレイは8パターンの光のグラフィックを投影させることができる。
その中で「コア」「ゴーカート」「グリーン」などのモードでは、パワーやサスペンションのセッティングまで変化する。スタートは「コア」モード。充電量100%が表示されていた。Dレンジでアクセルを踏みこむと、軽いうなり音を伴って「エースマン」は走り出した。加速はかなり速い。アクセルを全開にすると、ギュイーンというメカニカルな音と共に、その加速タイムは6秒台を記録。これも速い数値だ。
ハンドリングと乗り心地は、まさにMINIの世界。コンフォートなドライビングモードの「コア」でも、ハンドル操作は重め。コーナーでも戻しは強めで、重い。乗り心地も硬い。路面が荒れていると跳ね気味になる。これがMINIの「ゴーカートフィーリング」だ。このクイックさと、ソリッドさは、MINIがデビューして以来、特徴としているハンドリングと乗り心地の最大の特徴だ。
MINIは、EVを造ってもこれらの要素はきちんと継承していたのだ。その性格は「ゴーカート」モードを選択すると、さらに明確になる。アクセルレスポンスは、さらに俊敏になり、演出されたエキゾーストサウンド的な音も耳に入ってくる。動きはさらにキビキビとし、本当にレーシングカートに乗っているような気分になる。
さらにEVらしい特徴としては、コラムから左側にのみ設けられている「ブースト」レバーだ。これはフォーミュラEの「アタックチャージ」に似ており、レバーを引いてから一定の秒数だけ、急速放電が行われ、加速性能が向上するという機能なのだ。さらにBレンジを選択すれば1ペダルとして使える。
このように、エンジンMINIとEV MINIの良い部分を取り入れてクルマづくりが行われている。居住空間もリアシートはやや低めの着座で、頭上のスペースを確保。足元は中央のトンネルが大きく張り出しているので、着座は左右1名ずつ。左右1人掛けが快適定員だ。車体後方の荷室スペースも床板の下にはサブトランクスペースが設けられており、この空間に充電ケーブルを収納することができた。
車両方位対向ドライブレコーダーも標準で装備され、インテリジェントパーソナルアシスタントも装備された「エースマン」は5ドアMINIの使い勝手の良さを踏襲している。EVではあるが、ミニの魅力をさらに広めたモデルといえるだろう。
■関連情報
https://www.mini.jp/ja_JP/home/range/all-electric-mini-aceman.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博
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