「GLA」はコンパクトなボディーにメルセデス・ベンツのSUV技術を凝縮させた、都会での日常生活に最適なモデルとして2014年に初代が発売され、日本だけでなく世界市場でも成功を収めたモデルになった。現行モデルは、2023年9月に外観を一新すると共に、ナビゲーションシステムを「Sクラス」と一緒にするなど、最新世代にアップデートされた。その時にアダプティブハイビームアシストを全モデルに標準で装備している。
今回、試乗した「Urban Stars」は2025年6月に登場した新しいグレードだ。これまでの「GLA」オーナーに好評だった装備を標準化し、レベルの充実を図っている。デザイン面では、AMGラインを採用。全モデルで本革シートを標準装備としたほか、アダプティブダンピングシステム付きサスペンションも標準装備になっている。
パワーユニットだが、「200d」に搭載されるのは150PS、最大トルク320Nmの直列4気筒ディーゼルターボエンジン。エンジンの全長をコンパクトにまとめたシリンダーブロックは軽量化のためにアルミニウムを、ピストンはスチール製を使用している。この熱膨張率の異なる素材を採用することで摩擦を低減している。また、シリンダーウォールにはスチールカーボン材を溶射コーティングする摩擦低減加工を施しているのが特徴だ。
ターボは可変タービンジオメトリーを採用しており、低回転から高回転までトルクフルな加速を可能にしている。実際に「200d 4MATIC Urban Stars」に試乗してみると、通常走行でもエンジン回転の吹け上がりは軽く、レッドゾーン(4600回転から)手前の4500回転まで一気に上昇し、シフトアップした。エンジン音に関してはアクセル・オンから唸り音は耳に入ってくる。Sモードにすると、エンジンの回転数がアイドリングから高くなり、室内に侵入してくる。もう少し遮音対策が欲しいところだ。
音を気にせず4000回転まで回してシフトアップすると1速30、2速45、3速70、4速で95km/hに達する。そのまま、シフトアップすると、100km/hの巡航は、8速で1500回転、7速で1900回転だった。唸り音は若干気になるが、振動もなく、長時間の高速巡航は苦にならないレベル。その時の燃費は13km/hを記録した。
ダイナミックドライブモードは、コンフォート/エコ/スポーツ/インティビジュアル/オフロードの各モードを選択できる。各モードはエンジン/ダンパー/ステアリング/ESP/サウンドの各項目がそれぞれにセッティングできる。これはオーナーにとっては楽しみのひとつになる機能だ。ただ、幅が拡がる選択であるものの、はたして日本のユーザーがどこまでこの機能に気が付いて、積極的にジブン好みのクルマに仕上がるのかは疑問だ。
ちなみに最初に試乗した時は、コンフォートモードを選択し、各項目もコンフォートを選択して走り出した。乗り心地はコンフォートでも細かいザラつきがあり、車速を高めていくと、車体の揺れがやや気になる。おそらくこの時は、ダンパーをスポーツモードにすればこの動きは解消する。こうして、自分の好みの乗り味にエンジン/ダンパー/ステアリング/サウンドを変えていくのが、オーナーの楽しみのひとつなのだろう。一度じっくり各モードでの走りの違いを試してみたい。
「Urban Stars」の特徴のひとつに、対話型インフォテイメントシステムがある。「ハイ、メルセデス」の声でそれは立ち上がる。音声認識機能は、目的地入力、電話通話、音楽選択、気象情報、クライメートコントロール、冷暖房、照明などの機能に対応している。最近のインフォテイメントの操作はタッチスクリーンが主流だが、個人的にタッチスクリーンの操作は、運転者が扱う場合、視線を前方からスクリーンに移す必要がある。これは、安全運転の観点からいかがなものかと感じている。
同時にタッチスクリーンは、音声コントロールまでの一時的な手段だと考えているので、今回の対話型インフォテイメントシステムが、標準装備されるのは、大いに歓迎だ。「200d Urban Stars」の標準装備になったのは、ARC(拡張現実)の技術を生かしたナビゲーションが利用できる。これは従来、ナビで目的地を設定し、行先案内をさせる場合、ナビの地図上にクルマの進路が表示される。それに加えて、クルマの前方の現実の景色がナビ画面にも映し出され、そこに進むべき方向の矢印が表示されるというものだ。実際の景色に進路が表示されるので、間違うことが少なくなる。
新たに標準装備された19インチのブラックカラーのAMGアルミホイールに235/45R20サイズのタイヤという組み合わせも、スタイリッシュだ。車両価格を抑えて、装備を充実させた「Urban Stars」の登場で「GLA」の魅力は増した。「Urban Stars」は「Aクラス」「CLA」「CLAシューティングブレーク」にも設定され、今後の販売の中心モデルになっていくに違いない。
■関連情報
https://www.mercedes-benz.co.jp/passengercars/models/suv/gla/overview.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博
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