アドビは2026年3月31日、2Dのベクターアートをまるで3Dのように回転させ、新しい視点を生み出すことが可能なAdobe Illustratorの新機能「ターンテーブル」の一般提供を開始した。
本稿では同社発表ブログをベースに、その概要をお伝えする。
1枚のアートワークから多角的なビューを生成
2024年のAdobe MAX で開催された「Sneaks」において、未来の機能コンセプトとして発表され、大きな注目を集めた「Project Turntable」。この技術は、2Dのベクターアートをまるで3Dのように回転させ、新しい視点を生み出すという、これまでにない体験を提示するものだった。

そのコンセプトが今回、Illustratorの新機能「ターンテーブル」として登場した。
「別の角度も見てみたい」「このビジュアル、もう少し違う視点で検討したい」。
そんな制作の中で自然に生まれるニーズに、よりスムーズに応えてくれる「ターンテーブル」は、Adobe Fireflyの生成AI技術を活用することで、1枚のアートワークから多角的なビューを生成する機能だ。「ターンテーブル」があれば、これまで時間をかけて描き分けていた視点違いの表現を、より気軽に試せるようになる。
■回転ではなく、見えていない角度を自然に補完する機能
「ターンテーブル」の最大の特徴は、単にオブジェクトを回転させるのではなく、「見えていない角度を自然に補完してくれる」ことにある。
ひとつの視点から描かれたイラストをもとに、側面や背面といった他の視点を生成。これまで想像に頼っていた部分を具体的なビジュアルとして確認できるのだ。クリエイティブの現場では、少し視点を変えてみるだけでも、新しい発見やアイデアにつながることも少なくないはず。
生成されたアートワークはベクターのまま保持されるため、その後の調整や編集もIllustrator上で柔軟に行なうことができる。従来の制作フローを大きく変えることなく、自然に取り入れられるのも、この機能の魅力のひとつだ。

新しい多角的な視点表現と、アニメーションGIFとしての活用も可能
複数の視点を一度に生成できることで、多角的なデザインバリエーションをスピーディに展開できるのも、「ターンテーブル」の特筆すべき機能。1つのアートワークから異なる角度のビジュアルをまとめて生成できるため、アイデア検討やバリエーション出しを効率よく進めることができる。
これにより、初期のラフ検討から最終アウトプットまでの流れがよりスムーズになり、クリエイティブの幅を広げながら制作時間の短縮も期待できる。「試してみる」ことのハードルが下がることで、より多くの選択肢の中から最適な表現を見つけやすくなるはずだ。

さらに、生成された複数のビューを活用し、アニメーションGIFとして書き出すことも可能。
Illustratorの中で回転するビジュアルや動きのある表現を手軽に作成でき、キャラクターやロゴなどにさりげない動きを加えることで、より印象的なビジュアルに仕上げることができる。
静止画に少し動きを加えるだけでも、伝わり方は大きく変わってくる。そうした表現を気軽に取り入れられる点も、ターンテーブルの魅力と言える。
■シンプルで直感的な操作により幅広い制作シーンで活用可能
ターンテーブルは、特別な準備をしなくてもすぐに使い始めることができる。オブジェクトを選択し、機能を適用するだけで複数のビューが生成され、スライダー操作で視点の調整も直感的に行なえる。
制作の流れを止めることなく「ちょっと別の角度を試してみる」といった使い方ができるため、アイデア出しの段階でも制作をサポート。
また、その活用範囲は幅広く、キャラクターデザインのターンアラウンド制作、プロダクトやパッケージのビジュアル検討、ロゴやアイコンのバリエーション展開など、さまざまなシーンで役立ってくれる。
1つのアートワークから複数のアウトプットを生み出せることで、制作効率と表現の可能性を同時に広げてくれるはずだ。

関連情報
https://blog.adobe.com/jp/publish/2026/03/31/cc-design-illustrator-turntable
構成/清水眞希







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