2008年を皮切りに生命保険でネット保険が多く販売されるようになり、広告でもよく目にする機会が増えた。今回は、ネット保険について解説する。
ネット保険の特徴
ネット保険は、ネット上で申込みや手続きが完了できるものをいう。通常生命保険は、生命保険一般過程の資格のある販売員が直接商品説明をし、手続きをするが、ネット保険ではネットで商品内容を自分で読んで理解したうえで加入する。
販売員が不要で、店舗も必要ではないため、割安な保険料が最大の魅力だ。
一方で、販売員が直接商品を説明したり、ニーズに合った商品を提案したりすることがないため、その分商品設計がシンプルなものとなっている。
また、変額保険のような満期金の元本が割れるリスクのある保険のラインアップはない。
ネット保険は自動車保険のような損害保険が2001年ごろから先行して販売され、2008年の規制緩和を皮切りに今度は生命保険でもネット保険が販売されるようになった。ネット保険の名前を聞いたことがなく不安に感じる人も多いだろうが、多くが以下のように大手損保や大手生命保険、金融グループの子会社、関連会社である。
さらに、国内の保険会社はすべて生命保険契約者保護機構に加入しており、万が一、破綻しても保険契約は保護される。
ネット保険のメリット・デメリット
メリット、デメリットは、以下のとおりである。
■メリット
1.保険料が安い
2.商品設計がシンプルで分かりやすい
3.医療保険で終身がある
■デメリット
1.商品設計を複雑にできない、貯蓄性商品がない
2.特約が少ない
3.自分のニーズに合わない保険に加入してしまう可能性がある
◎保険料が安い
ネット保険の最大のメリットは、保険料の割安さである。例えば、SBI生命の「定期保険クリック定期!Neo」は、40歳男性が50歳まで1,000万円の定期死亡保障に加入するとき、月額保険料は1,860円だ。一方、第一生命の「みらいのカタチ定期保険」は同じ条件で保険料は3,510円と2倍近くの保険料となる。さらに、満期を65歳までの25年とすると、「定期保険クリック定期!Neo」は保険料が3,120円となる。「みらいのカタチ定期保険」は当初10年は保険料は3,510円と同じだが、10年更新で更新時の年齢で保険料が変更されるため、保険料が50歳更新時は5,920円と更新ごとに保険料が上がっていき、やはり、保険料が高い。一方で、「みらいのカタチ定期保険」では、3大疾病になったときは以後の保険料が免除される特約を付けることができたり、途中で定期から貯蓄性の高い終身保険に変更できたりするように、保障を手厚くすることができる。
◎シンプル
ネット保険では、契約者が自分で商品を理解して加入しなければならないため、できるだけ商品設計がシンプルで、わかりやすくなっている。そのため、死亡保険や収入保障保険では、一定期間の保障で保険料は掛捨となっている。対面販売では、貯蓄性の高い死亡保険の終身保障、そして、保険料免除特約など手厚い保障の特約が付加できる。また、運用がうまくいけば大きな利益を得られる、リスクのある外貨建、変額保険のようなネット保険の商品ラインアップにはない商品も揃っている。
◎医療保険に終身保障がある
ネット保険の医療保険では終身保障を付加できる保険がある。対面販売では、保障が80歳までとなっていることが多く、終身保障にできるネット保険であれば入院給付金等を終身受け取ることができ安心だ。払込期間も終身払、65歳払済、60歳払済と選ぶことができる。
◎一方でニーズに合っていない可能性も
ネット保険は自分で必要と思う保険に加入するため、プロからみたら必要だと考えられる保険に加入していない可能性がある。保険販売の担当者は、家族構成や収入状況等を把握して、顧客のニーズを把握して提案している。また、自分のことをわかってくれている担当者に保険請求や保険に係る相談を気軽にすることができる。
こんな人はネット保険がおすすめ
以下に当てはまる人は、ネット保険が向いている。
・保険の基礎知識がある
・商品の仕組みがネット上で分かる
・自分でライフプランに合わせて必要な保障を付加できる
保険の知識として、「定期保険」と「終身保険」の違い、特約とは何かなどの基礎知識がある程度入っている必要があるだろう。
ネット保険を選ぶときに、調べながらでもよいので加入前に用語を理解している状態で加入してほしい。
そして、この基礎知識に加えて、商品内容を理解のうえ加入したい。ネット保険は、基本的にはシンプルな設計となっているが、最近は保障を手厚くするため様々な特約が付加できるようになっている。
保険請求するときに、条件に当てはまらなかったということがないように、特約はつけるべきか、つけないべきか、特約内容を理解のうえ判断してから、加入しよう。わからないときは、AIチャット、有人チャット、コールセンターに聞くのもおすすめだ。
そして、自分で将来のライフプランに合わせた必要な保障を付加できるかどうかも大切だ。死亡保険は適当に保障額を決めるのではなく、万が一のとき、老後などライフプランに応じてどのぐらいの保障が必要なのか把握してから、保障額を決めるとよい。オンラインでライフプランシミュレーションしたり、必要保障額シミュレーションを活用したりするのも手だ。
文/大堀貴子
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