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人は1日に平均32回もおならをしていた!?米大学の研究チームが作った「スマート下着」の正体

2026.03.26

健康な成人のおならは1日平均32回

実験に参加した19人の健康な成人は基本的に起きている間は常にスマート下着を着けていることに同意し、7日間の装着期間後に装置が回収されると共に、参加者はスマート下着の使用経験に関するアンケートに回答した。

回収されたスマート下着から収集されたデータを分析したところ、健康な成人は平均して1日に32回おならをしており、これまでの指標であった1日14回の2倍以上の数値となった。しかしながら個人差は大きく、1日の合計は4回から59回までと大きな幅があった。

おならの頻度についての初めての客観的データについて「客観的な測定によって、これまで研究が困難だった分野における科学的厳密性を高める機会が得られました」とホール氏は言及している。

ほとんどの人のおならは、主に水素、二酸化炭素、窒素から構成され、一部の人のおならにはメタンも含まれている。水素は腸内細菌によってのみ生成されるため、おならの水素濃度を継続的に測定することで、腸内細菌叢が食物由来の基質を発酵させている時期と活性を直接的に把握することができる。

「これは持続血糖測定器のようなもので、腸内ガスを測定するものです」とホール氏は述べ、この装置がプレバイオティクス食物繊維であるイヌリンの摂取後に水素生成量の増加を94.7%の感度で検出することに成功したことを報告している。

ホール氏の研究チームはさらに広範囲なデータを収集するために、この2月に「Human Flatus Atlas(ヒトおならアトラス)」プロジェクトを開始した。このプロジェクトではボランティアに最低3日間から最長30日間、終日(シャワーを浴びる際の15分間の充電時間を除く)にわたってスマート下着の装着が求められている。またボランティアはスマートフォンアプリを使って食事の写真を撮って報告することも課されている。

ホール氏によると適切な装着位置さえ見つければ、ほとんどの人はデバイスの存在すら感じないという。予備調査では、装着感が不快だと感じて調査から脱落する者よりも、紛失したり洗濯してしまったりして調査が不可能になる者の方が多かった。またスマート下着はほぼすべての活動で装着した状態を維持できるという。

「ラグビーをしたり、5キロ走ったり、何時間もバレーボールの練習をしたりしても、何の問題もありません」とホール氏は説明する。

しかし自転車にだけは乗れないという。自転車のサドルがセンサーを取り付ける場所にちょうど当たってしまうということだ。

「水素過剰生産者」と「禅の消化者」

以前の研究から、おならについて人々は大きく3つのカテゴリーに分けられることが示唆されていた。

おならの頻度が普通のグループに対し、おならをたくさんする「水素過剰生産者(Hydrogen Hyperproducers)」と、食物繊維をたくさん(1日25~38グラム)食べてもめったにおならをしない「禅の消化者(Zen Digesters)」の3つのグループである。

確かに精進料理はそれなりに食物繊維が多そうだが、修行に励む禅僧はおならをほとんどしなさそうでもある。

ちなみに「Human Flatus Atlas」に参加した最もおならが多い人と最も少ない人には、それを表彰する記念の盾が贈られる予定であるという。

この両極端な条件下でのガス生成における微生物学的要因を調査するため、研究チームは水素過剰生成者と禅の消化者からの糞便サンプルを採取し、マイクロバイオーム解析を行う予定であるということだ。

「腸内にどのような微生物が生息しているかについて多くのことが分かってきましたが、それらが実際にどのような活動をしているかについてはあまり分かっていません」とホール氏は述べている。

「『Human Flatus Atlas』は、腸内微生物の発酵に関する客観的な基準値を確立するものであり、これは食事療法とプレバイオティクスによる介入がマイクロバイオームの活動をどのように変化させるかを評価するための重要な基礎となります」(ホール氏)

これまで客観的データが乏しかったおならについての研究だが、このスマート下着の登場で一転して新たな進展を見せているのは興味深い限りである。おならをほとんどしない「禅の消化者」への科学的な道のりが近いうちに示されてくるのかもしれない。

※研究論文
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2590137025001268

文/仲田しんじ

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北海道生まれ東京育ち。学業ドロップアウト後、小説家を志しつつ広告代理店営業マン、任期制陸上自衛官、家電販売員などを経て経て出版業界へ。アスキーなどで編集者として勤務した後、フリーライターとして活動。科学から心理学まで幅広いテーマを執筆。ネット上の研究論文を読むのが趣味。大型自動二輪免許を持っている。 X: @nakata66shinji

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