疑問(2)…炊き出しのような支援のほうが、ホームレスの人に届きやすいのでは?
ホームレスの生活支援というと、真っ先に思い浮かぶのが炊き出しだ。決まった場所で定期的に行う炊き出しのほうが、一度に大勢の人にリーチできるような気もする。だが佐々木氏によるとコロナ禍以降、炊き出しの形態が変わったことでむしろ、ホームレスに届きにくくなっている面があるという。どういうことか。
「いわゆる“炊き出し”とはその場で調理したものをその場で食べてもらうもの。外で調理し食べることに慣れているホームレスの方はともかく、一般の方は受け取りにくいスタイルでした。しかしコロナ禍で持ち帰ることができる衛生的な弁当を配る形になったことで、炊き出しが、住まいはあるものの生活が厳しい高齢の人たちが繰り返し訪れるコミュニティとしての側面を強めています。その結果、住む場所もなく、社会的な制度も利用できない状況であっても、若い人が利用しにくい状況になっているのです」(佐々木氏)
疑問(3)…公的な支援を受けるには、時間がかかるのでは?
せかいビバークの大きな特色は、単に一晩の居場所を提供するだけでなく、必ず翌日以降に公的支援などにつなげていくサポートをすること。しかし『生活保護は申請を受理してもらうこと自体がむずかしい』という話もよく聞く。公的支援につなぐことが、そんなに簡単にできるのだろうか。
佐々木氏によると、せかいビバークとつながり、「一時対応」として一泊できる環境を提供された人の約8割が翌日、公的支援につながるための「二次対応」としての面談相談に移行する。そしてその約半分が、同団体のサポートで生活保護や自立支援センターなどの公的制度につながるという(残り半分は自力で自立するまでのつなぎとして支援を利用)。
「生活保護という制度については誤解も多いのですが、本来は『今日住まいがなくて、食事もできない』というような切迫した状況の方が利用できる制度であり、申請した日から対応は始まります。確かに正式な決定までは原則2週間、やむを得ない場合は最大30日かかるとされていますが、明らかに住まいもなく困窮している場合には、申請した当日から宿泊場所や食糧などの実質的な支援が動きます。ですから、『決定まで2週間かかるから、その間は路上で過ごしてください』ということにはならないんです」(佐々木氏)
困窮に至る経緯はさまざまだが、不利な条件のまま社会に出て、挽回する機会がないまま住まいを失うと、その後は現状維持だけで手一杯という状態に追い込まれ、そこから自力だけで抜け出すことは容易なことではない。
「その意味で我々の活動は、今まさにホームレスになりかけている人にとって、最後の命綱。今後は要望の多かった神奈川県にも活動エリアを広げていく予定ですが、将来的にはコンビニエンスストアと連携していきたいですね」(佐々木氏)
取材協力/せかいビバーク
取材・文/桑原恵美子
100均でここまで揃う!持ち歩きも可能な防災用品おすすめ10選
9月の防災週間がすぎた9月下旬、今後30年以内にマグネチュード8以上の巨大地震が80%程度の確率で起こるとしていた南海トラフ地震の発生確率が、政府の地震調査委員…







DIME MAGAZINE














