サムスンがフラッグシップスマホ「Galaxy S26 Ultra」のデザインを一新!先回りするAIと消えるディスプレイを確かめてみた
2026.03.23
サムスン電子のフラッグシップモデルとなる「Galaxy S26 Ultra」が、3月に発売された。例年とは異なり、Galaxy S26 Ultraは国内4キャリアが同時に販売を開始。サムスン電子自身も、同日からオープンマーケット版(SIMフリーモデル)を展開しているほか、MVNOではトップシェアのIIJmioもシリーズ3モデルを取り扱っている。
着実にシェアを拡大しているGalaxyシリーズだが、Galaxy S26 Ultraでは、デザインやディスプレイの新機能、さらには先回りするAIとして進化したGalaxy AIを前面に打ち出している。ハードウェア性能が向上しているのはもちろんのこと、ソフトウェアやその一部であるAIも含めてトータルで新しさを演出していると言えそうだ。
形状はこれまでのUltraとはやや異なっているが、Galaxy Noteシリーズから受け継いだSペンも継承。昨年登場した「Galaxy Z Fold7」がSペンへの対応をやめてしまった中、スマホでは唯一、Sペンを内蔵できるモデルとしての価値も残されている。そんなGalaxyの最高峰とも言えるGalaxy S26 Ultraの実機をテストすることができた。そのレビューをお届けしよう。
デザイン一新でNoteの面影は消える、カメラは引き続き高性能
Galaxy Noteシリーズの特徴を引き継いでいたこともあり、これまでのGalaxy S Ultraシリーズはデザインも、ベースモデルとは一線を画していた。曲線を多用するベースモデルに対し、Ultraモデルは直線的なデザインを打ち出しており、ディスプレイの角丸がなかったり、フレームが直線で構成されていたりと、角ばったイメージが強かった。
Galaxy S26 Ultraでは、このデザインを一新。正面から見た姿はもちろん、フレームのデザインや背面に至るまで、ベースモデルのGalaxy S26を大型化したような形に統一されている。一目でわかったUltraらしさは失われてしまった半面、Galaxy Sシリーズの1つとしての印象はより強くなったと言えるだろう。
本体デザインはやや角が取れ、ベースモデルのGalaxy S26とテイストが統一されている
実用面では、大型かつ直線的だったこれまでのUltraシリーズよりも、手にフィットしやすくなっている。端的に言えば、持ちやすさが向上した。手のひらに角が当たって痛かったこれまでのUltraよりも、人間が使うことを重視しているようにも見える。
印象的には柔らかくなったGalaxy S26 Ultraだが、長期間使うことを考えれば、この変更は正解だと評価できる。また、本体の厚みも前モデルの「Galaxy S25 Ultra」から削減されており、8.2mmから7.9mmになった。この薄型化と上で挙げた角が取れたことの相乗効果で、フィット感が増した格好だ。
背面デザインもベースモデルのGalaxy S26を踏襲しているが、カメラ周りはUltraのアイデンティティ。カメラバンプの上に3つのカメラが並ぶほか、その横にも2つのレンズが見える。2億画素のセンサーを採用したメインカメラや、2つの望遠カメラを含むクアッドカメラは、同モデルがUltraと呼ばれるゆえんの1つだ。
5つのセンサーのうちの1つは、レーザーAFで撮影の補助用だが、ぎっしり詰まったカメラは性能の高さを表している。この配置は、前世代のGalaxy S25 Ultraと同じで、センサー自体にも大きな刷新はないが、2億画素の広角カメラはレンズのF値がF1.4に、5倍望遠カメラはF2.9へとそれぞれ明るくなっている。
高い画質に処理能力、先回りするAIの実力発揮はこれから?
さらに、チップセットにクアルコムの「Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxy」を採用し、画像処理を担うISP(Image Signal Processor)が一新されたことで、絵作りのレベルも上がっている。実際に暗いところで撮った写真を見ると、黒つぶれや白飛びがなく、暗所撮影でもゴーストがほとんど発生していない。
室内でやや明かりが足りないところでも、しっかり明るさを持ち上げ、色も失われていない。昨年までのGalaxyと比べると、色味も自然になった印象だ。また、暗所でも暗い部分がしっかり残って描写されている
カメラは、動画撮影に「水平ロック」が加わっている。動画撮影中に本体を大きく傾けても水平が維持され、ブレがほぼない。横位置で撮った本体を90度以上回転させても、動画はその回転にまったく追随していないのがすごい。こうした機能を実現できているのは、AIの力。Snapdragon 8 Elite Gen 5 for Galaxyの性能の一環と言える。
Snapdragon 8 Elite Gen 5 for GalaxyはGalaxy用にカスタマイズされたもので、通常版のものと比べてプライムコアのクロック周波数が引き上げられている。そのため、一般的なハイエンドスマホよりも、さらにトップスピードが高くなると言える。ただし、実利用環境では、その違いを実感できるようなシーンはほとんどない。AIなどの独自機能をより快適に動作させるためのチューニングと捉えておいた方がいいだろう。
CPUやGPUの処理能力を数値化するベンチマークアプリ「Geekbench」でのスコアは高いものの、同じSnapdragon 8 Elite Gen 5を採用する機種と比べて突出しているというわけではない。ここまで性能が高いと、むしろ、放熱機構や端末の設計でどの程度までパフォーマンスを維持できるかという点も重要になってくる。
また、Galaxy S26 Ultraは、処理能力を生かす形でAI性能を大きく強化している。先回りするAIとして搭載された「Now Nudge」は、そのような機能の1つだ。メッセージアプリの内容に応じて、予定を提示したり、ギャラリー内の画像を検索してくれたりする——というのがその中身だ。同様の機能は、グーグルのPixel 10シリーズに「マジックサジェスト」として搭載されていた。
ユーザーが手動でメッセージアプリを閉じ、カレンダーなりギャラリーなりを開いてまたメッセージアプリに戻るという手順は思った以上に煩雑。Now Nudgeは、その動作を簡潔にする機能でユーザーにそっと提案する機能になる。
と聞くと便利なように思えるし、実際、メッセージに基づいて提案が表示されると驚きもある。一方で、メッセージの文面によってはNow Nudgeが反応しないこともあった。この手の機能に共通の課題と言えるが、実際に使えなかったときに何が起こっているのかや、条件として何が足りないのかの手がかりがまったくないため、ユーザー自身での解決が難しい。
価値が分かりやすいプライバシーディスプレイ、Sペンの性能も健在
「Now Brief」も、通知を読み取ってカレンダーに登録していない予定も表示できるようになったという。わざわざスケジュールとして登録するまでもない用件を把握できるのは便利だ。ただ、こちらも残念ながら実際に自身のアカウントで予定が登録されたわけではなく、本当にどこまで対応しているのかを実体験で断言するのが難しい。
なかなか先回りしてくれないAIだが、より確実に使える新機能に「プライバシーディスプレイ」がある。これは、上下左右からののぞき込みを見えなくする機能。のぞき見防止フィルムとは異なり、オン・オフを切り替えられるので、画面を誰かと一緒に見られなくなるといった欠点がない。しかも、アプリごとや、通知だけを見づらくすることができる。
なぜこのようなことができるのかというと、ディスプレイに採用されている有機ELのピクセルをソフトウェアで制御しているからだ。Galaxy S26 Ultraのディスプレイには通常のピクセルと並ぶ形で光の拡散を抑えるピクセルが配置されている。このピクセルは正面にしか光を飛ばさず、上下左右からだと黒く見える。プライバシーディスプレイでは、この切り替えを瞬時に行っているというわけだ。
電車移動の多い都市部で生活していると、この機能が特に役立つ。満員電車の中で仕事のメールを読みづらいと感じた人は多いだろう。また、席に座って動画を見ようとしたものの、左右の人が気になってやめてしまったという経験もあるはずだ。プライバシーディスプレイがあれば、このような時にも遠慮せず、好きなアプリを使うことができる。その意味では、スマホの利用シーンを広げる機能と言えるかもしれない。
切り替えも簡単で、あらかじめプライバシーディスプレイにするアプリを指定しておけば、アプリ起動時に自動で発動する。ユーザー側が、オン・オフのスイッチを操作する必要すらない。通知も、あらかじめ設定しておくとプライバシーディスプレイが有効になるい。LINEのように、トークの中身がある程度分かってしまう通知もあるため、設定で反映させておくといいだろう。
また、Sペンの機能も健在。相変わらずの書き心地で細かな文字も正確に書ける。本体サイズ的に、ノート代わりに片手で持ち、もう一方の手で筆記しやすい。文房具感覚で利用できるのも、Galaxy S26 Ultraの魅力と言っていいだろう。Bluetoothでの連携はなくなってしまったが、依然として利便性は高い。AIには粗削りな部分があるものの、処理能力も含めてトップクラスのスマホだと太鼓判を押せる。
文/石野純也







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