年度末になると「なんとなく疲れが抜けない」「眠っても回復しない」「集中力が続かない」といった不調を訴える人が増えてくるという。こうした状態は「年度末疲労」とも表現される。
この忙しい時期を乗り切るためにはどうしたらいいのか、具体的な対策についてちぐさ内科クリニック覚王山院長の近藤千種先生に話を聞いた。
「年度末疲労」の正体とは?
そもそも「年度末疲労」という病名は医学的には存在しないというが、では一体どういう状態を指すのだろうか。
「3月という時期は、さまざまなストレスが重なりやすい時期だと言えます。その結果、心や体に積み重なった負担が表面化しやすいのです。この3月特有の心身の不調を表現した言葉として『年度末疲労』が使われています。具体的な症状としては、疲れが抜けない、眠っても回復しない、集中力が続かない、気分が落ち込む、食欲の増減、肩こり、頭痛、胃腸の不調など。いわば〝オーバーヒート寸前〟の状態です」
年度末は、業務量の増加や締め切りの集中など仕事が増えがちだ。
さらに、人事異動や退職に伴う人間関係の変化の影響で不安を感じる人も。ほか、送別会など生活リズムが乱れやすくなるイベントごとも入る。
「さらに寒暖差も大きく、体調管理が難しくなる側面もあります。人の体には恒常性といって、体温や体調を一定に保とうとする仕組みがあります。寒くなれば体温を上げ、暑くなれば下げる。その調整が頻繁に必要になると、体は余計なエネルギーを使ってしまうのです。寒暖差の激しい時期は、体温調整だけで消耗し、普段以上に疲れやすくなるわけです」
疲れを防ぐ生活習慣のヒント
年度末疲労を防ぐ生活習慣のポイントとして大切なのは、「疲れ切ってから回復しようとしないこと」だという。
(1)睡眠

「まず一番大切なことは、睡眠時間を削らないことです。睡眠時間というのは、体を回復させるために非常に大切な時間。また、起床時刻を大きくずらさず、生活リズムを保つことも重要です。生活リズムが変わるというのは、気づかぬうちに、体にとって多大なストレスを与えることになります」
(2)食事

忙しいからといって、食事を抜くのはNGだ。
「エネルギーを確保するためにも、しっかり食べましょう。ただし、夜遅い時間のドカ食いは避けましょう。夜は体を休ませる時間です。また、食事の際、食べる順番も意識してほしいですね。汁物や副菜、サラダなどの繊維質のものを先に食べることで、血糖値の急上昇を防ぐことができます。血糖値の乱高下は中性脂肪が増えやすくなるだけではなく、強い眠気、倦怠感、集中力低下などを引き起こしかねません」
これは会食時でも使えるテクニックだ。最初は冷ややっこや枝豆など、副菜から食べて、脂ものを食べるといい。飲酒量は当たり前だがセーブしたいところだ。
(3)運動

「ほか、1日合計30分程度の軽い運動を取り入れることも効果的です。ウォーキングや、ワンフロア階段を使うなど、ほどよく身体を使うことは、リフレッシュ効果や、血流の改善により疲労回復にも繋がります」







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