小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

なぜ、日本人はAIショッピングに慎重なのか?Visaの調査結果が示す「決済の壁」

2026.03.21

AIの一般消費者への普及によって、ショッピングなどの消費行動が大きく変化しているという。ビザ・ワールドワイド・ジャパン(Visa)は、Visaが委託してYouGovが実施したアジア太平洋地域におけるデジタル・コマースの現状に関する最新の調査結果の日本語版を発表した。調査では、消費者がAIをショッピングに活用する動きが広がる一方で、セキュリティや透明性に対する懸念によって決済などの局面で利用にためらいを生んでいる実態が明らかになったという。

高所得でデジタルリテラシーの高い消費者ほどショッピングのAI活用に慎重

アジア太平洋地域では、デジタル・コマースやモバイルファーストのショッピングへの移行が急速に進んでいるが、消費者はAIを閲覧や情報収集の補助として活用しつつも資金や個人データの扱いを任せることに関しては明確な一線を引いているという。Visaアジア太平洋地域プロダクト&ソリューション責任者のT.R.ラマチャンドラン氏は、次のようにコメントしている。

「人々の買い物のあり方は急速に変化しており、消費者が商品を見つけ、選ぶ過程において、AIはますます重要な役割を担うようになっています。一方で、AI が決済体験の一部となるにつれ、信頼と利用者によるコントロールの重要性は一段と高まっています。消費者は自らのデータがどのように使われているのかを理解し、すべての取引が安全であるという確信を持ちたいと考えています。その信頼を築けるかどうかが、AI活用型コマースが本格的に拡大できるかを左右することになるでしょう」

購買初期段階でのAI活用は高まっており、アジア太平洋地域では74%(日本は51%)の消費者が商品の検索、追跡、情報収集のためにAI搭載ツールを利用している。だが全体の26%は、AIの推奨が自分の最善の利益に合致しているか確信を持てないと回答しており、AI活用型ショッピングの透明性や利用者によるコントロール強化のニーズがみられたという。こうした慎重な姿勢は、月間世帯収入が8000米ドル以上の高所得世帯でより顕著で、データの利用方法に対して高い期待を示した割合は、高所得世帯では39%と低所得層の29%を上回っていた。オーストラリア(38%)、ニュージーランド(37%)、シンガポール(34%)などデジタル先行市場と言われる国でも平均を上回る慎重な姿勢が見られたという。AI主導型コマースでは、消費者が信頼できる枠組みが不可欠といえるだろう。

AIに対する個人情報や決済情報の提供には慎重

調査では、消費者は価格比較や商品特性の理解などの用途ではAI活用に抵抗感が少ないが、取引が個人的な領域に踏み込むにつれて信頼感が薄れていることも浮き彫りになった。アジア太平洋地域の32%(日本は29%)が個人情報や決済情報をAIに提供することに慎重で、約半数の45%(日本は44%)は決済の安全性がより強化されたらAI活用型もしくはエージェンティックコマースを前向きに受け入れられると回答している。

アジア太平洋地域では、エージェンティックコマースへの受容度に市場ごとの差があり、デジタル成熟度の高さが必ずしも信頼につながっていないという。地域別ではインドとベトナムがリードしており、両市場とも42%の消費者がAIを活用したオンライン購買に前向きで、新たな購買体験を積極的に試そうとする姿勢がみられるという。これに対してデジタル成熟度の高い地域では、AIを活用したオンライン購買に対する慎重姿勢がより強く、AIを活用したオンライン購買に関心を示した割合は、日本とシンガポールが14%でニュージーランドが16%にとどまった。エージェンティックコマースを受け入れる前提として、データ保護やセキュリティ強化、個人によるコントロールに対する期待が高いことを反映した結果といえるだろう。決済セキュリティの向上は、普及拡大の最大の促進要因で、安全で信頼できるエージェンティック・エコシステムの必要性は高いといえる。

AIによるショッピングに慎重な日本人

日本は、アジア太平洋地域全体と比較してショッピングにおけるAI活用では、まだ慎重な段階だ。購買初期の段階でAI搭載ツールを利用している日本の消費者は51%にとどまっており、AI活用型コマースは導入初期の段階にあるといえる。今後の利用意向に関しては高まっており、日本の消費者の91%が商品探索や追跡にAIを活用することに前向きと回答しており、これは購買の検討・探索段階ではAIの支援に明確な受容姿勢があることの証明と言えそうだ。だがAIを使って購入や予約まで行うことに前向きな消費者は24%にとどまっており、決済時の信頼面では顕著なギャップもある。日本では、オンライン決済の選択で信頼性と安全性が重要視されるが、AIを活用したコマースに対する受容は購買プロセスに主体的に関与したいという志向に加えて、AIによるレコメンデーションの正確性や個人データの利用に対する懸念も影響していそうだ。やはり信頼できる決済基盤の上に、透明性が高く消費者がコントロール可能なAI体験を構築する必要性があるといえるだろう。

AI活用型コマースをより普及させるためには、AIによる商品発見を効果的に促進させることができ、消費者の関心を実際の購買行動へつなげていくことに加えて、安全な認証と信頼できる決済体験が不可欠で、それが実現すれば普及は加速していきそうだ。

『アジア太平洋におけるデジタル・コマースの現状 2025 調査』概要

2025年9月にYouGovがアジア太平洋地域14市場の18歳以上の消費者1万4764人(日本の1043 人を含む)を対象に調査。

https://www.visa.co.jp/about-visa/newsroom/press-releases/nr-jp-260213.html

構成/KUMU

30年以上暮らした東京から実家に戻った地方在住フリーライター。得意分野は、ゲーム、アニメ、マンガやIT&デジタル関連など。自宅でリモート取材や自宅作業が増えたので、20年以上ぶりにフル自作PCを作成して活用中。最近の取り組みは、実家で発掘したセガマークⅢ以降の昭和から平成のゲーム機が動くか点検すること。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2026年3月16日(月) 発売

やっぱり野球が好きだ!『MIX』の立花投馬が表紙を飾る最新号のDIMEはプロ野球・高校野球から球場グルメ、あだち充作品の魅力まで野球愛を全方位に深掘り。さらにSuicaの変革や各鉄道の新ビジネスを幅広く取材したシン鉄道ビジネス特集も。

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。