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フレンチフライはフレンチ由来ではない!?ベルギーの「フリッツ」が日本市場を席捲する日

2026.03.20

揚げたポテトといえばハンバーガーのお供。第一次世界大戦でヨーロッパに行ったアメリカ人が油で揚げたポテトを食べて感激した。そこで使われていた言語がフランス語だったため、フレンチ(フランスの)フライドポテトと名付けて持ち帰り、日本にもアメリカ経由でフライドポテトが定着した。しかし、実はこのポテト、フランス原産ではなく隣のベルギー発祥だった。

フレンチフライポテトはフレンチ由来ではなかった!?

ベルギーはフレンチフライ生誕の地であり、ベルギーのフライドポテトは「ベルジアンフリッツ」と呼ばれている。街には「フリットコット」と呼ばれる屋台がいたるところにあり、ベルギーの名物にもなっている。三角の紙の容器に入った揚げたて熱々のポテトを販売する屋台のフリットコットは、2014年、フランドル共同体の無形文化遺産に登録されている。

ルームメイトだったベルギー・ゲント大学の留学生はこのポテトが大好きで、「ベルギー人の1/4が1週間に1回また半数以上は少なくとも月に1回はポテトを楽しんでいる」と言っていた。ゲントのホテルでは朝食や軽いランチでも普通に揚げたポテトが出てきたし、フリットコットに学校帰りの子どもたちが群がっているのを見たこともある。屋台で買う以外にも、多くの家庭ではフリッツ専用のフライヤーと、ジャガイモを切るカッターを備えているらしい。

アジア最大級の食品・飲料展示会FOODEX JAPAN 2026のために来日したベルギーの冷凍ポテト大手メーカー大手のグローバルフライズ社で23年以上の経験を持つエキスパートのドリス・ヴェルレさんは、「日本人はお米を主食として食べますが、ポテトも同じように主食のように食べます。ポテトは日本人にとってのお米と同じように大事なものです。家庭によっていろいろなこだわりがあり、味に厳しく、私どもの製品でも、美味しさと高い品質が必要とされます」と教えてくれた。日本ではご飯の上にカレーをかけるが、ポテトの上にカレーをかけて食べることもあるらしい。

また、ベルギーではマヨネーズにつけて食べるのが一般的で、ケチャップはアメリカ人の食べ方だそう。最近はサムライソースというマヨネーズベースにややピリ辛のソースをつけて食べるのが若い人たちに受けていると言う。

美味しさの秘密は二度揚げとポテトの品種

本場ベルギーでは温度の異なる油で二度揚げするのが定番。グローバルフライズ社でも最初は150度ぐらいでじっくり揚げ、しばらく時間をおいてから、食べる直前に175~180度の油で再び揚げる。こうすることで、中は蒸したてのようにほくほくで外側はカリッとした独特の食感と味が可能となった。

グローバルフライズ社では様々な形に切ったジャガイモを、一度揚げてから冷凍加工することで、調理する人の手間を省いた。「トレンドとしては、すぐに食べられるものが求められています。特に一回だけ油で揚げて冷凍したタイプが日本市場で受け入れられると期待しています」と言う。人材不足の中、レストランなどでも揚げる工程を1回省いた商品は受け入れられそう。

調理方法に加えて、ベルギー独自のじゃがいもの品種も美味しさの秘訣だと、フランドル農産物販売委員会のヒルデ・ピーターズさんは言う。「ポテトの産地といえばアメリカが有名ですが、フランドルのポテトは色が黄色で味が濃いのが特徴です。特にでんぷん質が多いために、なめらかでうまみが濃いのです。これが食べた時にシルキーと言われるような滑らかさとコクのある味わいを実現しています」。

ヒルデ・ピーターズさんによると、アジアでの輸出量は今のところ韓国、台湾についで日本は3位で、これを拡大していく予定。「日本へ輸出する商品として、以前は洋ナシなど農産物生鮮品も提案していましたが、これからは簡単に食べることができる加工品が受け入れられるのではないかと考え、ポテトの加工品をプロモートしています」。今回の展示会でもグローバルフライズ社以外にも5社のブースが並んだ。

大注目のポテトフライ・ウェッジズとは

日本向け商品の営業を担当しているドリス・ヴェルレさんが、今後のトレンドとして期待しているのが「ウェッジズ」タイプである。「ウェッジズは好評で、日本のみなさんにも受け入れられている手応えを感じます。細長いシューストリングタイプではなく、ジャガイモを縦に8等分した形で皮がついていて、ほくほくとした食感と味が特徴です」。

グローバルフライズ社ではウェッジズにパプリカで味付けしたものなどがあり、日本の顧客の要望によって、いろいろな味や形を提案している。大手外食産業などからの個別の問い合わせにも応じているが、実際の輸出までには約2年かかったと言う。

「日本市場での展開は短期ではなく長期的な戦略に基づいて、顧客に対応していく必要があります。特に品質に対する要求はとても高く、輸送中の段ボールの破損など、中身は無事でも日本では受け入れられないこともあります。お客様とは時間をかけて細かな積み上げを行うことが大切で、そうした積み上げの結果、多くの皆さんに私どもの製品を味わっていただきたい」とドリス・ヴェルレさん。日本向けのプライベートレーベルも発売しているというグローバルフライズ社のポテト戦略。ウェッジズが日本のフライドポテトの新潮流になる日は近いかも。

ドリス・ヴェルレ (Dries Verlet)さん
2024年9月よりベルギーの高品質冷凍ポテト製造企業であるグローバルフライズ社で営業部長を務めている。生鮮ジャガイモの包装、輸送計画・物流、ならびに生鮮ジャガイモの購買・販売において実践的な経験を蓄積。この幅広い業務経験が、彼にジャガイモのバリューチェーン全体に関する深い洞察をもたらすことになった。顧客関係構築に注力するとともに、同社の継続的な国際的成長を支えている。

ヒルデ・ピーターズ(Hilde Peeters)さん
30年間、フランドル農産物販売委員会に勤務し、BtoBプロジェクトコーディネーターとして輸出業務を担当

文/柿川鮎子

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明治大学政経学部卒業後、経済系新聞社で自動車、ISOなどの担当記者に。退社後5年間、動物病院に勤務した経験から、飼い主さんの気持ちに寄り添ったペット記事を執筆中。 得意なテーマは 1)生産性向上などのマネジメント関連と、 2)犬猫やエキゾチックを含 めた飼育動物全般、の2つ。 作家として小説「犬にまたたび猫に骨」(講談社刊)、「極楽お不妊物語」(河出書房新社)を発刊。ノンフィクションでは小学館刊「全国から飼い 主が駆けつける!犬の名医さん100人データブック」、文春新書「動物病院119番」、ほか多数。趣味は野鳥観察、現在、2羽のオカメインコを溺愛中。

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