裁判所のジャッジ
▼ 地裁のジャッジ
妻の19万円の請求は認められず。
地裁
「夫は月額14万円の婚姻費用を支払え」
〈理由〉
・長男はすでに成人している
・次男(中学生)の学習塾費用
・夫の明示の承諾がない
▼ 高裁のジャッジ
4万円アップとなりました。
高裁
「夫は月額18万円婚姻費用の支払え」
以下、理由を解説します。

■ 20歳をすぎている長男に払う必要はあるのか?
夫
「長男は20歳をすぎたので、支払わなければならないのは次男の養育費だけだと思います。あと、妻は私に無断で財産を持ち出していったんですよ。婚姻関係破綻の原因は妻にあります。そういうことも考慮されるべきです」
裁判所
「いや、長男の養育費も支払わねばなりません。なぜなら、長男は20歳になった後に大学に入学し、現在も在学中だからです。あなた(夫)は長男の大学進学を積極的に支援していたんですから、婚姻費用の金額を計算するにあたり、長男を未成年の子として取り扱います」
夫
「ちょっと待ってくださいよ。妻は突然、子ども2人を連れて家を出て行ったんですよ。私が単身赴任から帰ってくる直前に……。こんな妻が婚姻費用を請求してくるなんて、権利の濫用だと思います」
裁判所
「たしかに妻の行動にいささか不相当な行状もなくはないけれども、その行動のみをもって権利の濫用と認定することはできません」
■ 塾通いの次男
高裁は「夫が次男を学習塾に通わせていた」と認定。双方の収入差に照らし夫が8割~9割を負担すべきと判断しました。
▼ 婚姻費用の計算方法
基本的には算定表(養育費・婚姻費用)を用いて判断されます。今回もこの計算表に基づいてい月額18万円とジャッジされました。計算の詳細は割愛しますが、夫婦の収入は以下のとおりでした。
夫の収入
H28 約836万円(ボーナス含む)
H29 約848万円(ボーナス含む)
妻の収入
H28 約134万円
H29 約158万円
養育費マメ知識
以下、マメ知識です。
■ 養育費をもらえるのは原則20歳まで
養育費は「未成熟子の養育に必要な費用」だからです。民法が改正され成人年齢が18歳となりましたが影響は受けません。
■ 20歳になる前に子どもが経済的に自立すれば養育費の支払いは不要
成熟したとみなされるからです。
■ 特別の事情があれば20歳を過ぎても養育費をもらえることがある
大学に行く場合、子が病気にかかっている場合……etc.ただ、大学に行けば必ずもらえる、というわけではありません。大学進学に同意していたか、両親の学歴(大学に行ったのか)、両親の経済状況などを総合考慮して決められます。今回の事件は、夫の収入が高く、夫が大学進学を支援していたことが大きなポイントになりました。
今回の事件は高裁の判決までもつれこみましたが、できれば離婚する際に【いつまで養育費を払ってもらえるのか】合意しておくのがベストです。
今回は以上です。「こんな解説してほしいな~」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。
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