小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

クルマのパフォーマンスはタイヤ選びで決まる!マツダ「CX-60 AWD」とブリヂストン「ブリザック・WZ-1」で検証

2026.03.20

FR(フロントエンジン・リアドライブ/後輪駆動)のスポーティな走りにこだわり続けてきたマツダが送り出した『CX-60 4WD』に、ブリヂストンが誇るスタッドレスタイヤ「ブリザック(BLIZZAK)」の最強モデル『WZ-1』を装着。

本記事では、スポーティな走りと国産スタッドレスタイヤの最高峰とも言えるタイヤとのコンビネーションで、ドライ路面から圧雪路、そして凍結路と駆け抜けた実走レポートをお送りする。

4WDだからこそ、スタッドレスタイヤとの相性は重要。雪道だけではなく、ドライ路面の走り、そして自分の生活圏なども含めたバランスの良さを考えてタイヤ選びを行いたい。

スタッドレスと一口で言うが、実は色々と選択に迷う……

マツダの『CX-60』は、エンジン縦置きのFRレイアウトをベースにした上級クロスオーバーSUV。スポーティな走りと、大柄なボディを活かしたゆとりあるキャビン、さらにはラゲッジの広さなどを特徴としている。その2WD(2輪駆動)モデルは、もちろん後輪駆動であり、すっきりとした切れ味のいいステアリングフィールを感じながらのドライブフィールは実にスポーティ。コーナリングでも狙ったラインどおりに駆け抜け、軽快でスポーティな感覚を味わうことができる。もちろん2WDモデルと4WDモデルでは走行フィールの多少の違いはあるものの、軽やかで良好な走行感覚は『CX-60』全体に共通する魅力だ。

ただこの走りのテイストは2025年の大幅改良により、乗り心地と走行安定性の洗練さが向上した現行モデルの話。実は『CX-60』のデビュー当初、リアのサスペンションの突き上げ感やトランスミッションのギクシャク感などがネガティブな要因として指摘されていた。そのそれをスプリングやダンパーの変更などの大きな改善によってサスペンションのセッティングを見直し、操安性や乗り心地を向上させた。さらに各部を改善したことで、ノイズや振動についても軽減され、商品力は確実に高まった。

当然ながら『CX-60』の4WDモデル(マツダではAWDと表記)の走りも改善され、乗り心地や振動への対策も行われている。その走りにおいては、スポーティ感ではFRモデルが上、安心感とコンフォート性なら4WDモデルと言った印象だ。その4WDモデルだが、本領を発揮するだろう冬道ではどのような走りを見せてくれるのか? 

さっそく用意されたテスト車両をチェックすると、最も気になっていたスタッドレスタイヤとして「ブリヂストン」のブリザック『WZ-1』が装着されていた。北海道・北東北主要5都市での装着率では24年連続No.1と言われているブリザックの最新モデル。旧型という位置づけのブリザック「VRX3(併売中)」に比べ、氷上ブレーキ性能をより向上させて停止距離を11%短縮、氷上旋回のラップタイムでは4%短縮して「ブリザック史上最強のアイス性能」とも言われる『WZ-1』が付いている。その安心感は相当に高い上に、乗用車だけでなく、SUVにもフィットするスタッドレスタイヤとして発売されている。

実はブリザックには“SUV専用”を謳う『DM-V3』というスタッドレスタイヤもある。SUV、4WDらしい走りや使い勝手を追求して悪路での高い走破性を実現した専用タイヤといえる。こちらは車重が重いSUVのためにドライ路面での摩耗性にも優れ、同時にタイヤの接地面に刻まれた深い溝(トレッドパターン)は、排水性やグリップ力を高めつつめ、さらに深い雪でもガンガン食いついて走破できるように仕上げられている。氷上性能において頼りになる『WZ-1』がいいか、あるいは深い雪や圧雪路での走破性優先の『DM-V3』がいいか? それは“使用するエリア”や“冬期の使い方/ライフスタイル”にもよるが、実はなかなかに難しい問題で、迷いどころでもある。

残念ながら『WZ-1』と『DM-V3』を同じ車両に装着し、同じ使用条件で試したことがないため、明確な判断はできない状況。ただ、以前『DM-V3』を装着した新潟の知人が「新潟の雪のようにざくざくとした雪が多い地域なら、排雪性のいいDM-V3でもいいかも」と言っていた。そんな意見を思い出しながら『CX-60』のドライバースシートに座った。

細部まできめ細かに作り込まれた上質な『CX-60』のインテリア。自然で操作性のいいドライビングポジションをとれる
トレッド面には細かいサイプ(溝)がぎっしりと刻まれ、氷上性能の高さが視覚的にも理解できる

冬タイヤでも重要なドライ路面での性能

グレードはPHEV (プラグインハイブリッド)の「Premium Modern」。マツダが目指す「プレミアムブランド化」の象徴的なモデルの中の最上級仕様というだけに、細部の作り込みも素材の質感の良さに加え、装備の充実度も高く、そのキャビンの仕上がりにはプレミアム感が漂う。

このガソリンエンジンのPHEVモデルの駆動方式は4WDのみで、FRの2WDは用意されていない。今回試乗する2.5L直列4気筒ガソリンエンジンのPHEVモデルであり、大容量バッテリーを搭載し、低重心ならではの安定感と、しっとりとした乗り味を走りと走行安定性は非常に高いモデルだ。

ちなみに人気モデルの「ディーゼルハイブリッド」は、3.3L直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載していて、力強いトルクと4WDの組み合わせでスポーティ感とゆとりある走り特徴だ。

では『WZ-1』を装着したPHEVモデルを発進させる。後輪駆動ベースの特性を生かした4WDは実に滑らかな加速感。4WDシステムが路面状況を検知し、前後のトルク配分を最適化していることで、発進時や加速時に力強くスムーズな安定感が実現している。

本来、スタッドレスタイヤといえばドライ路面で“腰高感”や“腰砕け感”、そしてブロックのヨレによる“曖昧な操舵応答”があり、得意なフィールドではない。ところが『WZ-1』はそうしたネガティブな印象がかなり少なく感じる。もちろん夏タイヤ、そして昨今装着率が上がっているオールシーズンタイヤほどの“ドライ路面適応力”はないものの、応答性のいい運転フィールを実現している。

『CX-60』自体の高いボディ剛性も影響しての走りだが、ドライ路面でステアリングを切り込んだ瞬間からフロントが素直に向きを変える感覚は、従来のスタッドレスタイヤには無かったように思う。走りにこだわった『CX-60』であれば、冬タイヤによって失われるだろうパフォーマンスを最小限にすると同時に、冬タイヤとしての実力でも妥協したくない。そのための選択がトレッド剛性を高めつつ、氷上性能を両立する新世代コンパウンドを採用したブリザック『WZ-1』だったのだろう。

静粛性も高水準だ。スタッドレス特有のパターンノイズは抑えられ、ロングドライブでも疲労感は少ない。ドライ路での総評は「スポーツ寄りに振った冬タイヤ」と言う感想だ。ひょっとしたらオールシーズンタイヤに近いフィールかもしれない。。

新世代コンパウンドによってトレッド剛性を高めて氷上性能を向上させたためか、ドライ路面でも腰砕け感も少なく、良好なレスポンスを実現

■凍結路での制動力の高さと安心感

ドライ路面から、いよいよ真価が問われる凍結路面へと走り込む。標高1000mほどの目的地に区勝ったのは早朝。北海道や東北地方ほどではないものの“ブラックアイスバーン”に近い路面が所々に出てくる。そんな凍結路ではブレーキング自体も慎重になるが、ペダルを踏み込んだ瞬間から路面を“掴む”感覚が伝わる。ABSの介入は最小限に抑えられ、車体は安定したまま減速する。『CX-60』は車重2,100kg(Premium Modern)と比較的重いSUVだが『WZ-1』は、その質量を受け止めきるだけのグリップを備えている。氷上での旋回時もフロントが外へ逃げにくく、ステアリング操作に対する応答が素直。これはサイプ(細かな切れ込み)の配置と接地圧の最適化によるものだろう。

4WDのトラクション制御も効果的で、発進時のホイールスピンはほとんど感じない。急な上り坂の凍結路では多少のスリップはあるが、アクセル操作に対して滑らかに前進する。ブレーキ、旋回、発進のすべてで「一段上」の安心感があり、ドライバーの緊張を和らげる性能だ。

凍結路面では“圧巻”とも言える安定感。前後方向はもちろんだが左右方向でのグリップ力も高く、コーナリングでの安心感は高い
凍結した路面に粉雪が乗り、雪面を踏むとキュッキュッと泣くような状況でも食いつきも良く安定して走行できる

4シーズンに同期するDUNLOPのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」1年2か月、1万km実走行レポート

冬になるとスタッドレスタイヤに履き替え、春には再びサマータイヤへ戻す。日本のドライバーにとって季節の“懸念事項”に対して、新しい選択肢を提示したのがダンロップの…

自動車メーカーがこだわる『タイヤのパフォーマンス』

■圧雪路では深雪でも頼れる総合力

圧雪路および轍が目立つ新雪路では『WZ-1』のトレッドパターンが効いて、踏み増した分だけ着実にトラクションへ変換され、良好はフィーリングだ。コーナリング中も唐突なスライドは起こりにくく、万一リアが流れても挙動は穏やか。カウンターステアを当てれば自然に収束する。車両側の横滑り防止装置との協調もスムーズで、電子制御が過度に介入する印象はない。また、轍のある路面でも直進安定性は高い。SUVは重心が高く影響を受けやすいが、タイヤ自体の接地安定性がそれを補っている。

しかし一方で、『CX-60』のようなトルクの厚いパワートレーンとの相性を考えると、SUV専用で排雪性にも優れると同時に、ブロックがしっかりと雪を噛み込み、確実に前へ進む性能に優れている『DM-V3』の方が、さらに有利ではないか? そんな風に感じる場面もあった。

実はシャーベット状の雪路面において『WZ-1』は、タイヤが少し浮くというか、乗り上げるような感触があった。それは一般的なスタッドレスタイヤの不得意部分とも言える感触だが、排雪性や排水性の問題かもしれない。『DM-V3』でのシャーベット路走行を経験していない状況なので明確なことは言えないのが残念だ。だからといって『WZ-1』が劣っているわけではなく、高いレベルでの比較の話だ。

ざくざくとした雪で轍が出来るような路面やシャーベとでは、少しタイヤが乗り上げるような感触があった。

■総括:プレミアムSUVにふさわしい“最強”スタッドレス

『CX-60』は走りの質感にこだわったSUVだ。その足元に装着されるタイヤには、単なる雪道性能以上の総合力が求められる。その点『WZ-1』は、氷上グリップというBLIZZAKの伝統を進化させつつも、ドライ性能や静粛性も高次元で両立していた。

結果として、冬季であっても『CX-60』本来の操縦安定性や上質な乗り味を損なうことなく、あらゆる路面で安心を提供できる。とくに凍結路での制動安定性は秀逸で、「止まれる」という確信がドライバーの心理的余裕につながる。

自動車メーカー各社が用意する試乗用車両は、最高のパフォーマンスを引き出すために“タイヤ選択”にも徹底してこだわる。今回の『CX-60 AWD』と『WZ-1』の組み合わせは、この冬もっとも安心感の高い選択肢のひとつと言える。

『CX-60 AWD』のスポーティは走りもタイヤ選びによってはその魅力が半減することもある。

【マツダCX-60 PHEV Premium Modern AWD】

車両本体価格:6,462,500万円~(税込み)
全長×全幅×全高=4,740×1,890×1,685mm
ホイールベース:2,870mm
最小回転半径:5.4m
最低地上高:180mm
車両重量:2,100kg
駆動方式:4輪駆動
エンジン:水冷直列4気筒DOHC 2,488cc
最高出力:138kW(188PS)/6,000rpm
最大トルク:250N・m/4,000rpm
モーター最高出力:129kW(175PS)/5,500rpm
モーター最大トルク:270N・m/400rpm
燃料消費率:14.3km/lkm(WLTCモード)

【プロフィール】
佐藤篤司(さとう・あつし)/男性週刊誌、男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行う自動車ライター。著書「クルマ界歴史の証人」(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2026年3月16日(月) 発売

やっぱり野球が好きだ!『MIX』の立花投馬が表紙を飾る最新号のDIMEはプロ野球・高校野球から球場グルメ、あだち充作品の魅力まで野球愛を全方位に深掘り。さらにSuicaの変革や各鉄道の新ビジネスを幅広く取材したシン鉄道ビジネス特集も。

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。