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離婚するのは仕方ない!?「人は生涯で二度恋に落ちる」ことが研究で明らかに

2026.03.19

若い男性が恋に落ちやすい

研究では参加者の個々の特性に基づいてこれらの数値がどのように変化するかについても調査を行った。高齢者は若年者よりもわずかに多くの経験を報告したが、これは単純に高齢者の方がより多くの年月を過ごし、潜在的なパートナーと出会う機会が多かったためと考えられる。

当該時期において若者は恋に落ちる可能性が若干高く、中高年は低い傾向も明らかになったが、その理由の一つとして生物学的な要因が挙げられてくる。報酬や興奮に関わる脳のシステムは、思春期後期から青年期初期にかけて最も活発になることが多いため、恋に落ちやすくなると考えられる。人々が成熟した大人へと移行するにつれ、責任感や自己省察といった要素が、新たな恋愛感情の捉え方や追求の仕方に変化をもたらす可能性がある。つまり無謀なロマンスには慎重になってくるのだ。

データには性差が見られ、男性は女性よりもわずかに多くの情熱的な恋愛感情の経験を報告していた。この差は特に異性愛者に見られ、さらに異性愛者の男性は異性愛者の女性よりも情熱的な愛の経験を多く報告していた。この結果は、男性は恋愛関係の早い段階で恋に落ちたり、そうした感情を表現したりするように社会化されている可能性を示唆する過去の研究と一致している。

ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルの参加者の間では、恋愛経験の回数に性別による差は見られなかった。研究チームは性的指向は恋に落ちる回数に影響を及ぼしておらず、たとえば異性愛者とバイセクシュアルの参加者の差は統計的に有意ではなかった。

研究チームは、これらの結果が人々の恋愛観に重要な示唆を与えると考えている。映画や音楽、ソーシャルメディアなどから、常に情熱的な状態を追い求めるようプレッシャーを感じている人は多い。平均的な人がそのような状態を経験するのは人生で数回しかないと知れば、現在恋愛状態にはない者も気負いを感じずに済みそうだ。

失恋は乗り越えられる

臨床現場やカウンセリングの場では、これらの研究結果は、恋愛面で遅れをとっていると感じている人々の心理的サポートにもなりそうだ。情熱的な恋を経験したことがなくても珍しいことではないことから一般的な多様性として捉えることで、引け目の感情を軽減できるだろう。

研究者らはまた「回顧的認知割引(retrospective cognitive discounting)」と呼ばれるプロセスについても指摘する。回顧的認知割引は人が過去を振り返り、現在の感情に基づいて過去の人間関係を異なる視点から捉える際に起こる現象で、たとえば年配の人が過去の「片思い」を振り返り、それが情熱的な恋愛感情ではなかったのだと再定義すれば、自分の人生の恋愛経験は変化することになる。

このような自己省察は、失恋後の心の回復にも役立つ。過去の恋愛を情熱的な恋愛ではなかったと捉え直すことで、将来新たな人的交流を深めることに対してよりオープンな姿勢を保つことができるだろう。こうした精神的な柔軟性は、人間が恋愛における浮き沈みを乗り越えていく上で重要な要素の一つである。

悲痛な失恋を体験したり“バツイチ”になったとしても心の傷は必ず癒せるのだとすれば、新たな関係にも胸を開いて深めていけそうだ。

※研究論文
https://ojs.interpersonajournal.com/index.php/ojs/article/view/733

文/仲田しんじ

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北海道生まれ東京育ち。学業ドロップアウト後、小説家を志しつつ広告代理店営業マン、任期制陸上自衛官、家電販売員などを経て経て出版業界へ。アスキーなどで編集者として勤務した後、フリーライターとして活動。科学から心理学まで幅広いテーマを執筆。ネット上の研究論文を読むのが趣味。大型自動二輪免許を持っている。 X: @nakata66shinji

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