ミニ四駆。今日に至るまで数次のブームを起こし、また日本のホビー産業の在り方を永久に変えてしまったタミヤの製品群である。
ミニ四駆は、極めて単純な構造である。リモコンで動かすものではなく、車体の幅に合わせた壁が両側に立つサーキットで走らせる。たったこれだけのことなのに、やってみると実に奥が深い。単純だからこそ、改造の余地が随所に、しかも豊富にあるのだ。

そんなミニ四駆だが、第二次ブームからタイムスリップしてきた浦島太郎のような筆者にとってはまさに「時代の流れ」を感じさせる製品である。なぜなら、あの頃のミニ四駆と今のそれは全くの別物だからだ。
こんな改造部品、あったっけ!?
筆者の子供時代は「闇モーター」が横行していた!
筆者の小学生の頃は第二次ミニ四駆ブームというものが発生していた。
小学館の漫画雑誌『コロコロコミック』で『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の連載が開催されると、子供たちの間では「フルカウル型ミニ四駆」というものが受け入れられるようになった。ボディがタイヤを覆っている、第一次ブームの頃にはなかったシルエットのミニ四駆だ。
この第二次ブームは、第一次ブームを完全凌駕する現象となった。
ただ、今から見れば無茶苦茶な側面もあった。これはタミヤのせいでは全くないのだが、いわゆる「闇モーター」が大量流通していたのだ。タミヤの純正モーターを大きく上回る回転数を誇る……と自称する謎のモーターが、子供たちの目を輝かせていたというのは否定できない事実である。もちろん、闇モーターはタミヤの公式レースでは使えない。
幸いにも、現在のミニ四駆取り扱いショップではそうした非公式モーターは見かけなくなった。代わりに、公式改造パーツが第二次ブームの頃よりも明らかに充実している!
ピニオンギア、軸受けベアリング、外付けのステー、そしてカーブを曲がるのには必須のローラーは筆者の子供の頃には既に存在したが、今のミニ四駆にはダンパーなるものがある! 一体これは何だ!?
ミニ四駆は、第三次ブームから立体型コースを取り入れるようになった。急な上り坂から一気に下り坂へ差しかかる際、どうしても車体がジャンプしてしまう。その際、マシンがコースアウトしないよう極力地面に車体を押さえつける重りが必要になって来るというわけだ。肉抜きに肉抜きを重ねて車体を骨のようにした人もいた第二次ブームの頃とは、改造の方向性がまるで異なる。
「ミニ四駆PRO」って一体何だ!?
また、現代のミニ四駆は(本当にザックリした表現で怒られそうだが)「ミニ四駆」と「ミニ四駆PRO」が存在する。そこからシャーシの違いや、或いはオフロードの走行を目的もするトレイルミニ四駆などもあるが、この記事ではとりあえず「PRO」と「そうでないもの」の違いだけを簡単に解説したい。
ミニ四駆というものは、製品名通り四輪駆動である。1個のモーターで前後のタイヤを動かさないといけないのだが、そのためにミニ四駆は長い棒状のプロペラシャフトとそれに対応するクラウンギアを導入していた。ところが、プロペラシャフトのせいでバッテリーがもたらす動力を大きくロスしてしまうのだ。そこで考案されたのが両軸モーター。動力を前後のタイヤに対してよりダイレクトに伝える仕組みを獲得した次第である。ミニ四駆PROは、非効率なプロペラシャフトを廃止した製品だ。
もちろん、プロペラシャフトのある旧来型のミニ四駆は今も生産されている。そして、それぞれの種類や各シャーシに対応する改造部品もタミヤから発売されている。何より、現代のミニ四駆はタミヤ公式大会でも大人が出場できるクラスがある。
実はこれが、(小学館には申し訳ないが)漫画やアニメに頼らないミニ四駆ブームの継続的発展を実現しているのだ。
ミニ四駆は「オトナの趣味」
ミニ四駆の第一次ブームは、漫画『ダッシュ! 四駆郎』が起爆剤となった。第二次ブームはこちらも漫画『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』が人気に火をつけ、社会現象にまでなった。
しかし、当時のミニ四駆の大会には年齢制限があった。中学卒業と同時にミニ四駆も卒業しなければならない仕組みになっていたのだ。これは、大人の大会参入を許せば可処分所得の物量作戦であっという間に子供たちから活躍の場を奪ってしまう危険があったための判断ではないか。
が、今は状況が全く異なる。ボビー産業が「玩具産業」から「全年齢対象の娯楽産業」に進化し、また今現在の日本は少子高齢化の只中を進んでいる。大人も子供も平等にプレイヤーとして取り込まなければ、製品シリーズの寿命を保つことは難しい。
また、上述のダンパーはコースアウトを防ぐ役割の部品であり、言い換えれば今現在のミニ四駆にはコースアウトの可能性があるということだ。単純に速いマシンが勝つとは限らない。
筆者が知っている第二次ブームのミニ四駆は、とにかく費用を投じてパワーユニット(闇モーターも含む)を改良し、さらに可能な限り軽量化していくのが「王道的チューン」だった。が、今は事情がより複雑になり、それに合わせてミニ四駆自体にある種の多彩性が加えられるようになった。
ここで断言したい。ミニ四駆は、まさに「オトナの趣味」だと!
文/澤田真一
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