この仕事、つまりライターをやっていると「追っかけてきたものがここまで成長してくれた」ということに出くわす。
ゲーミングスマートフォンシリーズ『REDMAGIC』は、筆者にとっては極めて思い入れの深い製品群だ。
この『REDMAGIC』シリーズには、紆余曲折ある。それは外部要因とも言える技術的問題で、『REDMAGIC』の開発陣が直接介入できることではなかった。が、その状況は良い意味での「溶鉱炉」となり、『REDMAGIC』そのものを鍛え上げたのだ。
その流れを振り返りつつ、最新作の『REDMAGIC 11 Pro』を使ってみよう。

ゲーミングスマホと発熱問題
1月8日、Fastlane Japanは日本での『REDMAGIC 11 Pro』の発売をアナウンスした。
この製品は、日本でも以前から注目されていた。「空冷なのにIPX8防水規格を有している」からだ。
空冷ファンを搭載し、強力な「ぶん回し」でプロセッサーを強制的に冷却しようというのが『REDMAGIC』シリーズの伝統的機構である。
プロセッサーは、PC向けであれモバイル向けであれ高性能になればなるほど消費電力が大きくなる。となると、物理的な温度がどうしても上がってしまう。この発熱を抑制するには、プロセッサー自らがパフォーマンスの一部を落とす必要がある。「ゲームをしている途中、だんだんとグラフィックがカクつくようになった」というような不具合が出てしまうのは、大まかに言えばそのためである。
高リフレッシュレートと描写性能を備えたゲーミングスマホであれば、そうした「熱暴走」が発生する可能性は残念ながら高い。だからこそ、プロセッサーを冷却するための「何か」が必要なのだ。
『REDMAGIC』シリーズの場合は、冒頭にも書いた通り空冷ファンを採用した。
試練を乗り越えて
しかし、『REDMAGIC』シリーズの6から7あたりがこの製品群にとっての試練でもあった。
『REDMAGIC 6』のSoCはSnapdragon 888、『REDMAGIC 7』のそれはSnapdragon 8 Gen 1。いずれも発売当時の最先端プロセッサーだったが、これらは深刻な発熱問題を抱えていた。
筆者は『REDMAGIC 7』を所有しているが、これはリフレッシュレートが最大165Hzという化け物スマホだった。が、外付けの追加ファンがない状態で『マインクラフト』を1時間もプレイすると異様な熱を帯びるようになり、やがてグラフィックがカクつくという製品だった。
それ以降の後継SoCではそのあたりは改善されるようになったとはいえ、フラッグシップモデル向けのSoCは常に発熱問題と、それを厳しく指摘するテクノロジーメディアがつきまとっている。
そういう意味で、『REDMAGIC』シリーズは一癖も二癖もあるSoCに鍛えられた。ナンバーを重ねる毎に空冷ファンのパフォーマンスが向上し、今回の『REDMAGIC 11 Pro』ではついに水冷+空冷という複合機構が採用された。
これは同時に——敢えて端折った表現をすれば——IPX8防水規格を獲得する設計上の余地ができたことも意味する。
空冷機構のゲーミングスマホは、そのコンセプトからボディに通気口を設けなければならない。故に、水に対しては極端に弱い。机の上の利用でも、コーヒーかジュースをこぼせば一大事である。故に、『REDMAGIC』シリーズは外に持ち出せるようなものではなかったのだ。
「安心感」がこの製品の中核だ!
現在、筆者はこの記事をとある喫茶チェーン店で書いているが、『REDMAGIC 11 Pro』で動画を視聴している。
先ほどは友達と試しに1時間ほどビデオ会議もしてみたし、『マインクラフト』もやってみた。プロセッサーの発熱というものはどうしても出てしまう(完全解消することはできない)が、『REDMAGIC 7』と比較したら快適さというか、「実用的な使い勝手」がまるで異なる。
これは『REDMAGIC 11 Pro』の水冷+空冷併用機構の賜物でもあるが、『REDMAGIC 7』のSnapdragon 8 Gen 1はやはり問題のあるSoCだったのだ。こちらは低温火傷の危機すら感じてしまうくらいの熱を放ってしまう。その分だけ、このモデルの冷却ファンはパワフルだった(そうならざるを得なかった)のだが……。
とにかく、防水規格を獲得したことによる「安心感」が使い方・使い勝手に直接影響しているということは強調しておかなければならない。実際、筆者はすっかり見違えた使い勝手に驚愕してしまった!
外に持ち出して、カフェかコワーキングスペースでノートPCを開いた時、「サブモニター」として『REDMAGIC 11 Pro』を利用する。それでいながら、丈夫な保護ケースに入れて普段使いのスマホとしても活用する。「室内でのゲームプレイ」という用途に特化し、そのための進化を積み重ねてきたはずの『REDMAGIC』シリーズは、ここに来て「あらゆる場面で活用する」ことを視野に入れるようになったのだ。
イラン攻撃の影響は及ぶのか?
そんな『REDMAGIC 11 Pro』であるが、RAM+ROMの組み合わせで区別すると計3種類。12GB+256GB、16GB+512GB、24GB+1TBという内訳だ。12GB+256GBモデルのカラーは1種類、16GB+512GB、24GB+1TB両モデルのカラーは2種類。
価格は12GB+256GBモデルが12万9,800円、16GB+512GBモデルが15万7,800円、24GB+1TBモデルが19万2,800円となっている。問題は、この記事を書いている時点でアメリカ軍とイスラエル軍がイランを攻撃しているということだ。
この攻撃が、またしても物価を底上げしてしまう可能性はかなり高い。ホルムズ海峡の閉鎖は、当然ながら東アジアの国の物価を狙い撃ちするだろう。ここまで書いた『REDMAGIC 11 Pro』の価格が、半年後にも維持されているかどうかは誰にも分からない。
今のうちに購入しておく、という判断も悪いものではないかもしれない。
【参考】
REDMAGIC 11 Pro
文/澤田真一
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