ソニーのα7シリーズは、フルサイズミラーレスのスタンダードとして常にシーンを牽引してきた。今回登場した最新モデル「α7V」は、センサーと画像処理エンジンを一新し、「Redefine Basic(ベーシックの再定義)」を掲げた意欲作だ。
このカメラの実力を探るべく、写真家の小平尚典氏と共にフィールドへ出た。前半は井の頭公園での野鳥撮影、後半は阿佐谷へ移動し、真造圭伍のコミックでありNHK夜ドラ化もされた『ひらやすみ』の聖地巡礼を敢行した。使用したレンズは、野鳥用が「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」、スナップ用が「FE 16-35mm F2.8 GM II」である。
カメラの進化点
α7Vの大きなトピックは、部分積層型センサーの搭載による高速化だ。連写性能は従来の10コマ/秒から30コマ/秒へと大幅に引き上げられた。さらに、AIプロセッシングユニットによるオートホワイトバランスの進化がめざましい。被写体認識AFの精度も向上しており、枝が複雑に入り組んだ木々の間に止まった小さな鳥に対しても、迷うことなく確実にピントを合わせてくれた。
吉祥寺のKANIフィルターショールーム訪問
撮影の合間に、KANIフィルターの輸入代理店であるロカユニバーサルデザインを訪ねた。代表の伊藤公彦氏に、風景撮影におけるフィルターの重要性について話を伺った。高品質でタフな光学ガラスを使用したKANIフィルターは、解像度を損なうことなく、白トビを抑えたりシャッタースピードを自在にコントロールしたりできるプロ御用達のアイテム。小平尚典さんも愛用している。
特に角形フィルターはレンズホルダーとアダプターリングの組み合わせにより円形フィルターが使えない超広角レンズに対応、さらにフィルター径の異なる複数のレンズにも対応する。また、差し込む位置や向きによりハーフNDフィルターを効果的に使いこなせる。同時に複数のフィルターを使うなど円形フィルターにはないメリットがある。
AI認識AFが捉えた野鳥
井の頭公園では、春の訪れを感じさせる多くの野鳥に出会うことができた。特に大量のメジロが飛来しており、その俊敏な動きを30コマ連写が捉える。また、上空には猛禽類のハイタカも姿を見せたが、進化したAFがその瞳をしっかりと認識し続けた。
ひらやすみの聖地巡礼
午後は広角ズームの「FE 16-35mm F2.8 GM II」に付け替え、小平氏と共に阿佐谷の街を歩いた。当日は天候に恵まれ、青空が美しく抜けている。聖地巡礼は風景だけでなく周囲の状況も描写したい。この広角ズーム1本で、作品の世界観を余すことなく切り取ることができた。強力な手ぶれ補正のおかげで、夜景でも三脚は不要だ。
正常進化したベーシックモデル
α7Vは、もはや「ベーシック」という言葉では括れないほどの高性能を手に入れた。高速連写が必要な動体撮影から、繊細な描写が求められる風景スナップ、そして暗所での手持ち撮影まで、あらゆるシーンで撮影者の意図を具現化してくれる。この1台があれば、日常の何気ない景色も特別な物語として記録できるはずだ。
写真・文/ゴン川野







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