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昆虫博士・牧田習さんが解説!北陸、養老、鈴鹿、信楽…同じ種類なのに違う亜種の世界

2026.03.14

昆虫はじめ、生き物に興味がある方の中には、「亜種」という言葉を聞いたことある方が多いかと思います。でも「種」と「亜種」の違いについては、なかなか違いが分からない方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は「亜種とは?」「亜種が多い代表的な昆虫たち」「日本語の和名が亜種を分かりづらくさせている理由」について解説いたします。

亜種って何?

亜種とは生物の分類において種より細かい区分です。そのため、1つの種の中にいくつもの亜種が含まれていることがあり、亜種が異なっていても、種が同じであれば、同種として扱われます。

例えば、トラには亜種がたくさん!

そして、昆虫含む動物では、基本的に亜種は地域によって見分けることのできる個体群につけられます。例えば、最初に本州で見つかったある昆虫がいたとして、その後に北海道でも個体群が見つかったとします。ですが、この北海道の個体群は本州の個体群と比べて同種と認識できる範囲で、色や形が少し異なっていました。この場合、この北海道個体群は北海道の亜種として扱われることがあります。そして、元々の本州の個体群は「名義タイプ亜種」という呼び名で扱われます。

亜種は種ほどきっちりした区分ではないため、その地域のすべての個体がその亜種の特徴を持っていないこともありますし、2つの亜種の分布が隣接する地域では、それぞれの亜種の特徴を共に持ち合わせたような個体が現れたりすることもあります。

牧田が研究しているオサムシの一種・マヤサンオサムシの亜種たち

分布域が広い昆虫などは多くの亜種が認められていることがあり、その仲間のことをよく知らないと、同じ種なのに別種のような見た目をしていることもあったりします。違う特徴を持っているのに、同種なの?と少し複雑に思ってしまうかもしれませんが、同種内の地理的なバリエーションを認識していく上で、亜種は非常に重要な区分なのです。

亜種が多い代表的な昆虫

それでは、ここからは亜種が多い具体的な昆虫たちを紹介していきたいと思います。身近にいる昆虫にもこんな亜種がいるの!?と驚く方も多いはずです。

(1) ヒラタクワガタ

日本でもおなじみのヒラタクワガタですが、日本に限らず、アジアに広く分布しており、なんと25もの亜種が知られています。世界最強のクワガタムシとして知られるパラワンオオヒラタクワガタもヒラタクワガタのパラワン島などに分布する亜種です。基準となる名義タイプ亜種はインドネシアの一部に生息しています。

(2) カブトムシ

日本の昆虫界の王様・カブトムシもまた、日本以外にも台湾、朝鮮半島、中国、インドシナ半島などに分布し、9以上の亜種が知られています。基準となる名義タイプ亜種は中国の中南部に生息しており、日本の北海道~九州に分布する個体群はその日本亜種です。

(3) マイマイカブリ

マイマイカブリも国内で7つほどの亜種が知られています(研究者によって様々な意見があります)。マイマイカブリはじめオサムシの仲間は飛んで移動することができない種が多く、地域によって独自の進化を遂げてきているため、同じ種でも地域によって多くの亜種が存在しています。

日本語の和名が亜種を分かりづらくしている!?

ここまで、亜種とはどのようなものなのか?と具体的な例について、紹介してきましたが、日本語の和名で書くとかなり複雑に感じる方が多いのではないかと思います。例えば、北海道に分布するマイマイカブリの亜種は「マイマイカブリ北海道亜種」と言えば分かりやすいですが、「エゾマイマイカブリ」と呼ばれることが多く、これだと同種なのか別種なのか分かりづらくなってしまうと思います。

これは日本の和名文化が非常に豊かであるがゆえに起こることです。それぞれの昆虫に精通している人であれば種か亜種か分かりますが、一般の人にはかなり分かりづらいと思います。亜種レベルの違いしかないのに、別種のような扱いをしている人も多くいます。しかし、昆虫の分類を考える上では、亜種の違いか種の違いかはかなり重要なので、必ずよく調べるようにしましょう。

さて、今回は昆虫でよく使われる亜種について解説してきました。昆虫は種類が非常に多い生き物ですが、同じ種内でも、亜種のバリエーションを楽しむことができる種類も多いです。ぜひいろいろな場所を旅して、地域オリジナルの亜種を楽しんでみてくださいね。

昆虫ハンター・牧田習

博士(農学)。1996年、兵庫県宝塚市出身。2020年に北海道大学理学部を卒業。同年、東京大学大学院農学生命科学研究科に入学し、2025年3月に同大学院博士課程を修了。昆虫採集のために14ヵ国を訪れ、9種の新種を発見している。「ダーウィンが来た!」(NHK)「アナザースカイ」(NTV)などに出演。現在は「趣味の園芸 やさいの時間 里山菜園 有機のチカラ」(NHK)、「猫のひたいほどワイド」(テレビ神奈川)にレギュラー出演中。昆虫をテーマにしたイベントにも多数出演している。著書:「昆虫博士・牧田習の虫とり完全攻略本」(小学館)、「昆虫ハンター・牧田習のオドロキ!!昆虫雑学99」(KADOKAWA)、「昆虫ハンター・牧田習と親子で見つけるにほんの昆虫たち」(日東書院本社)、「春夏秋冬いつでも楽しめる昆虫探し」(PARCO出版)好評発売中。Instagram・Xともに@shu1014my

書籍情報

昆虫博士・牧田習の虫とり完全攻略本

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文/牧田習

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