ついに、ダイハツからも” e-SMART ELECTRIC ”搭載のe-ハイゼットカーゴとe-アトレー、つまり軽商用車のBEV=電気自動車が登場した。もちろん、ベース車両となるのは日本の物流のラストワンマイルや各産業を支え続けてきた定番軽商用車のハイゼットカーゴとアトレーである。ホンダのN VAN eが先鞭をつけた軽商用BEVだが、やはり、カーボンニュートラル時代には、軽商用車も電動化が必須ということになる。また、深夜、早朝の利用でも、電気自動車ならではの静かさを生かした運用ができるメリットも併せ持つ。
まず気になる一充電当たりの走行距離
これまで、ガソリン車のハイゼットカーゴ、アトレーを利用していたとすれば、まず気になるのは一充電走行距離ではないだろうか。例えばアトレーの2WD車であれば、3気筒ターボ、64ps、9.3kg-mを発揮し、車重960kgでWLTCモード燃費14.7km/L、燃料タンク38L。つまり約500kmは走れることになる。一方、e-アトレーは電池容量36.6kWhの安全性が高いリン酸リチウムイオンバッテリーを搭載し、モーターの最高出力47Kw(63.9ps)、最大トルク126N-m(12.8kg-m)、総電力量36.6kWh、車重1300kgで一充電走行距離257kmとなる。ダイハツが実施した市街地走行パターンによれば、春秋の気温25度、エアコン使用なしで約300km、夏の気温30度、エアコン使用ありで約170km、冬の気温5度、エアコン(暖房)ありで約140kmの一充電走行距離が得られるという。
たしかに1回の給油、充電(充電にかかる時間は電欠ランプ点灯から満充電まで、バッテリー温度25度の場合、6kWの普通充電で約6時間、3kWの普通充電で約12時間。急速充電ではバッテリー温度25度で電欠ランプ点灯から80%まで約50分。急速充電は30分まで)での走行距離はガソリン車の半分以下になってしまうものの、レジャーユース、アウトドアユース、車中泊ユースとして使うケースは別にして、軽商用バンの約8割の1日あたりの走行距離が100km未満というデータからすれば(ダイハツ調べ)、e-アトレーでも、1.5日~2日に1回充電すれば、スムーズに運用できることになる。実は、2026年6月30日までに-ハイゼットカーゴ& e-アトレーを成約すると、200V、16Aコンセントの普通充電器本体と基本工事費(一般的な戸建住宅の充電設備本体設置工事。配線長10m以内)11万9900円~の費用のうち、最大12万円をサポートしてくれるダイハツ充電器設置応援キャンペーンが開催されているのだから、営業所、自宅の普通充電器設置のハードル、費用負担はほぼないことにもなる。とくに地方で廃業が相次いでいる(都心でも)ガソリンスタンドに立ち寄る必要もなくなるメリットもあるわけだ。なお、充電ポートは車体前部に普通充電用と急速充電用のふたつがカバーの中に隠されている。
さらに、ガソリン車に必要なエンジンオイル、フィルターなどの消耗品の交換費用も電気自動車では不要で、ランニングコストの節約にもなりうるのである。ここで事情通の方なら、「電気自動車は車重が重いため、タイヤに負担がかかり、ガソリン車より早めのタイヤ交換が必要になるのでは?」という意見も出てきそうだが、開発陣に聞いたところ、BEV専用タイヤをヨコハマタイヤと共同開発し、摩耗具合はガソリン車と同等とのことだから、その心配は無用ということになりそうだ。もちろん、すでに説明した、モーターで走る電気自動車はエンジンノイズとは無縁であり、静かな走行が行えるため、早朝、深夜の運用で、静かな住宅街に迷惑をかけることもない大きなメリットもある。
そして何といっても、e-ハイゼットカーゴとe-アトレーには、ハイゼットカーゴ、アトレーにはないAC100V/1500Wコンセント(非常時給電システム付き)が、運転席から手の届きやすい位置に標準装備され、仕事に使うスマホ、タブレット、USB-A、Cでは難しいノートPCの充電が可能になり、仕事の効率もアップしそうだ。災害時にはフロントサイドウインドーに装着する外部給電アタッチメントを使う事で、電源ケーブルをウインドーなどを開けることなく外部に引き出すことができるのだから、働くだけではなく、非常時に役立つ走る電源供給車にもなるのだから頼もしい。
荷室の使い勝手は既存のガソリン車と変わらない
ところで、働くクルマとしての荷物の積載性についてだが、電動化による部品配置の見直しやボディ、サスペンションの新設計によって室内スペースを犠牲にすることなく大容量バッテリーを搭載することができ、働くクルマで重要な上屋、荷室の使い勝手は既存のガソリン車と変わらない、軽キャブオーバーバンNO.1の積載スペース(e-ハイゼットカーゴ4シーターの例)、使い勝手の良さ、魅力を受け継いでいるという。
※エンジンのないBEVにもかかわらず、ガソリン車にある車体右側のガソリン給油口がそのまま残されているのはボディを共通化したコストダウンによるものか(開きませんが)。
具体的には、荷物の積み下ろしがしやすい大きな開口部と低くフラットな床面を持つ荷室は、e-ハイゼットカーゴの場合、開口部地上高630mm、開口幅最大1345mm、開口高1165mm、荷室幅1270mm(2名乗車時)、1410mm(4名乗車時)、荷室長1005mm(4名乗車時)、1920mm(2名乗車時)、荷室高1250mm。スライドドア側も開口幅785mm、開口高1210mmと広大。みかん箱68個、ビールケース36個、パンケース71個、畳(中京間)9枚が積めるスペースとなっている。なお、e-アトレーは荷室幅1265mm(2名乗車時)、1410mm(4名乗車時)、荷室長1005mm(4名乗車時)、1820mm(2名乗車時)、荷室高1215mm。スライドドア開口幅685mm、開口高1190mmとなる。さらにe-ハイゼットカーゴの助手席を前倒しし、簡単な操作で後席をフラットに格納すれば、最大荷室長は2650mmに達するから長尺ものの積載もOKというわけだ。そのフルフラットアレンジを利用すれば、もちろん、車中泊にも対応してくれるのである。
運転席周りの収納では、助手席前のトレイなどはもちろん、頭上にオーバーヘッドシェルフを備えているため、働くクルマとしての使い勝手は十二分。室内灯、荷室灯に白い光のLEDが奢られているため車内の明るさ、夜の車内の作業にも不満は出ないと言っていいだろう。







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