2026年3月5日、WBCの開幕と同時に、東京ドームの場内飲食売店に新規8店舗がオープンした。加えて、期間限定のポップアップ・ショップも2店舗が同時に展開されている。
球場初出店は5店舗。渋谷で62年続く老舗焼き鳥店や、名古屋名物のみそかつ専門店など、歴史と実績のある名店が顔を揃えた。
近年、球場グルメは「観戦のおまけ」から「来場の目的そのもの」へと変わりつつある。東京ドームが打ち出した今回のグルメ拡充には、どのような狙いがあるのか。WBC開幕翌日の東京ドームに足を運び、新店舗のグルメを体験してきた。
今回オープンした新店舗
新たにオープンした8店舗とポップアップ2店舗の概要は以下の通り。
<1Fグルメストリート・1塁側>
- Labo-Teria Piece【球場初出店】:アプリコットマンゴージェラート800円、フルーツサワー各種850円ほか
- GRAZY POTATO:トリプルチーズポテト850円、バケツオリジナルソルト1,200円ほか
<1Fグルメストリート・3塁側>
- 大串やきとり 鳥竹【球場初出店】:鳥竹丼1,680円、煮込み800円ほか
- 仙臺たんや 利久:(数量限定)2,500円、牛たん焼1,600円ほか
<4F・中央>
- Smashed Burger TOKYO:国産牛100%パティのスマッシュバーガー専門店。ダブルチーズバーガー1,530円ほか
- 柿家すし・どんまつ:上にぎり1,750円、大海老重1,400円ほか
<外野・ライト側>
- IZAKAYA とぽす:もつ煮込み790円〜、焼き鳥(6本)1,380円ほか
- THUNDER BURGER【球場初出店】:ハンバーガー各種900円〜、アイスパフェ各種600円〜
<ポップアップ・ショップ(〜5月17日)>
- やきとん筑前屋【球場初出店】(1塁側):特製ホームラン豚バラ串800円、渋谷カオマンガイ1,500円ほか
- 名古屋名物 みそかつ矢場とん【球場初出店】(3塁側):みそかつ丼1,600円、ひれ串かつ(3本)800円ほか
※価格は税込み。場内は完全キャッシュレス決済。店舗・商品は変更になる場合がある。
(出典:株式会社東京ドーム プレスリリース 2026年2月25日)
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球場グルメは「観戦のおまけ」から「来場の目的」へ
球場グルメが大きく変わり始めたきっかけの一つが、2023年3月に開業した「エスコンフィールドHOKKAIDO」だ。北海道ならではの新鮮ないくらが豪勢に盛り付けられた『海味はちきょう』の「つっこ飯」をはじめ、試合終了後も飲食を楽しめる横丁エリアや、球場内で醸造したクラフトビールを提供するレストランなど、従来の球場にはなかった体験が話題を呼んだ。
その成果は数字にも表れている。北海道ボールパークFビレッジの年間来場者数は約459万人に達し、試合がない日でも休日には約1万人が訪れているとも聞く。さらに、試合日の観客の平均滞在時間は3時以上に。滞在時間が長く、試合前後の飲食が観戦体験の一部として定着しつつあることがうかがえる。
こうした「ボールパーク構想」はエスコンフィールドだけの話ではない。パ・リーグを中心に各球団が飲食やエンターテインメントの充実に取り組み、2024年のプロ野球全体の観客動員数は実数発表以降で最多となる2665万人超を記録した。
球場は「試合を見る場所」から「一日を過ごす場所」へと変わりつつあるのだ。
変化を続ける東京ドーム
東京ドームも、この流れの中で着々と進化を続けている。
2022年3月には過去最大規模のリニューアルを実施し、場内の完全キャッシュレス化や顔認証技術の導入といったDXを推進。同時に、1Fコンコースのグルメストリートを中心に飲食エリアを拡充してきた。
そして今回、WBCの開幕に合わせて新たに8店舗とポップアップ2店舗が加わったのだ。特徴的なのは、渋谷の『鳥竹』、仙台の『利久』、名古屋の『矢場とん』など、各地で長年支持されてきた名店が多く含まれている点である。
このラインナップからも、球場専用のフードコートメニューではなく、「街で愛されている味を球場でも楽しめる」という方向性が明確に感じ取れる。
WBC開幕翌日、新店舗を食べ歩いてみた
訪れたのはWBC開幕2日目の3月6日、平日の金曜日。この日の試合はチェコ対オーストラリア。10時開場、12時試合開始というスケジュールだ。
11時前に会場に到着すると、想像していたよりも多くの人。各入場ゲートにはすでに行列ができていた。場内に入ると、試合前の練習が始まっており、本番前の緊張感がドーム全体に漂う。客層は日本人が7割、外国人が3割ほどという印象。日本代表の試合ではないにもかかわらず、WBCというイベント自体の注目度の高さを感じた。
グルメストリートでは、ちょうど昼食前の時間帯ということもあり、各店舗に数名ずつの列ができていた。
今回は、4店舗をはしご。それぞれの率直な感想をお伝えしていく。
■仙臺たんや 利久「牛たん焼(5枚)」(税込1600円)

最初に向かったのは、3塁側の仙臺たんや 利久。注文したのは「牛たん焼」。5枚の牛たんがしっかりとした歯応えで、噛むほどに肉の旨味が広がる。味付けがしっかりしており、何もつけずにそのまま食べても十分に美味しい。付属の南蛮味噌をつけると、また違った味わいが楽しめるのも乙だ。
球場グルメというと手軽さ重視の印象は否めないが、牛たんの食感の良さや味、そして満足感。どの要素も、実際の店舗での食事と同等のレベルだと感じた。
■やきとん筑前屋「特製ホームラン豚バラ串」(税込800円)

続いて、1塁側のポップアップ・ショップであるやきとん筑前屋へ。特製ホームラン豚バラ串を注文。
第一印象、長い。トレーからはみ出すほどの長さ。一本で十分な満足感がある。脂が多めの部位と少なめの部位の両方が含まれていて、場所によって焼き具合にも微妙な違いが。一本の中で味わいの変化を楽しめた。
800円で一本という価格設定だが、ボリュームを考えれば納得だ。
大串やきとり 鳥竹「煮込み」(税込800円)

3塁側の鳥竹では、名物のやきとり弁当がすでに完売だったため、煮込みを注文。
煮込みは、ちゃんと熱い。当たり前のことのようだが、球場グルメでは実際の店舗と比較すると、冷めていたり、パサパサとしていたりすることもしばしば。だからこそ、球場の飲食で「ちゃんと熱いものが出てくる」というのは、嬉しいポイント。
具材はどれも大ぶりで食べ応えがあり、お酒が飲みたくなる濃いめの味付け。球場の中にいることを忘れるような、本格的な一杯だった。
鳥竹の本店は渋谷にあり、前を通るたびに店先から漂う煙と香ばしい匂いに誘惑されていた筆者。今回は焼き鳥を食べられなかったので、近いうちに本店へ足を運んでみたいところだ。
Labo-Teria Piece「ジェラート(チョコレート)」(税込800円)

最後に、1塁側のLabo-Teria Pieceでジェラートを。東京ドーム限定の「アプリコットマンゴー」も気になったが、チョコレート好きとしての本能が抑えられず、チョコレート味を注文。
試合開始が近づくにつれ高まる熱気と、直前に熱々の煮込みを食べたこともあり、ジェラートを食べるには絶好のコンディションだった。
ジェラートは、濃厚だけど甘すぎず、底にシリアルが敷いてあるので、食感も楽しめる一品に。また、フレーバーのバリエーションが豊富なので、好みに合わせて自由に選べるのもうれしい。熱い試合展開の合間に食べて、気持ちと体をクールダウンさせるのにもおすすめだ。
球場グルメは、来場動機になる
4店舗を食べ歩いて感じたのは、どのメニューも「球場だから仕方ない」という妥協がないこと。街の名店と遜色のない味が、球場の中で楽しめる。東京ドームに足を運ぶ理由が、確実に一つ増えている。
贔屓のチームが負けた日でも、美味しいものを食べた記憶があれば、一つは良い思い出を持って帰れる。気に入った店があれば、本店にも足を運びたくなる。グルメが観戦の「ついで」ではなく、来場の動機そのものになりつつある今、東京ドームのグルメストリートはその変化を体感できる場所となっている。
今回は4店舗を巡ったが、まだ食べていない店も多く残っている。次の東京ドームでは、試合前の時間をもう少し長めに確保しておくつもりだ。
取材・文/宮﨑駿
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