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感謝をするとリラックスにつながる!? あなたの〝感謝力〟を3分でチェック!

2026.03.08

「感謝すると人間関係が良くなる」。この言葉を、どこか精神論のように感じている人も多いかもしれません。

しかし近年の脳科学研究から、感謝の感情は単なる気分の問題ではなく、脳や神経の状態そのものを変え、私たちの行動や対人関係に具体的な影響を及ぼすことが分かってきています。

感謝とは、前向きになろうと努力することではありません。脳の緊張をほどき、心身を本来のバランスに戻すことで、結果としてリラックスや良好なコミュニケーションが生まれる現象なのです。

α波と感謝、脳波が示すリラックス状態

私たちの脳は、置かれている状況や感情状態によって異なる脳波を発しています。その中でも、心身が落ち着き、集中と余裕が両立しているときに多く現れるのが「α波」です。α波が優位な状態では、過度な緊張が和らぎ、注意の視野が広がり、柔軟な思考や冷静な判断がしやすくなります。

感謝の感情を抱いたとき、脳はこのα波優位の状態に移行しやすいことが、感情研究や瞑想研究の分野で示されています。「ありがとう」と感じた瞬間に、自然と呼吸が深くなり、肩や顎の力が抜ける感覚を覚えたことがある人も多いでしょう。これは主観的な気分の変化ではなく、脳波レベルで緊張が緩んでいるサインです。

このとき自律神経では、副交感神経が優位になります。副交感神経は、心拍や血圧を安定させ、消化や回復を促す働きを担っています。つまり感謝とは、脳だけでなく身体全体を「戦闘モード」から「回復モード」へ切り替える合図でもあるのです。

現代人の脳は、仕事や情報過多の影響で、無意識のうちに常に緊張状態に置かれがちです。メールや通知に追われ、考えることが途切れない状態では、脳は休むタイミングを失い、交感神経優位の状態が慢性化します。その結果、集中力の低下やイライラ、疲労感が抜けにくくなります。感謝によってα波が出やすくなるという現象は、こうした日常的な脳の過緊張を一時的にリセットする役割を果たします。特別な環境や長い時間を必要とせず、ほんの一瞬でも脳をリラックス側に戻せる点が、感謝の大きな特徴です。

感謝の感情とオキシトシンの関係性

感謝の感情と深く関わっているホルモンが「オキシトシン」です。オキシトシンは、信頼や安心感、他者とのつながりを感じたときに分泌されることから、「絆のホルモン」とも呼ばれています。誰かに感謝を伝えたとき、あるいは感謝されたとき、脳内ではオキシトシンの分泌が促されます。

同時に、不安や緊張を高めるストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が抑えられることも分かっています。これは、脳が「ここは安全な場だ」と判断している状態です。

この安心状態では、防御的な反応が弱まり、相手の言葉や態度を過剰に警戒せずに受け取れるようになります。些細な一言に過敏に反応したり、必要以上にイライラしたりしにくくなるのは、このホルモンバランスの変化によるものです。感謝は感情を抑え込むのではなく、脳の化学反応を通して自然に心を落ち着かせているのです。

オキシトシンの働きが注目されている理由の一つに、「社会的ストレスを緩和する作用」があります。職場や家庭など、人との関係がストレス源になりやすい現代において、安心感や信頼感をもたらすホルモンの影響は決して小さくありません。

感謝を介してオキシトシンが分泌されることで、人は相手を敵か味方かで判断する視点から離れ、協力的な関係を築きやすくなります。これは、円滑なコミュニケーションだけでなく、精神的な消耗を減らすという意味でも重要です。

実践!感謝力レベルをチェックするセルフ診断

ここで、今のあなたの「感謝力」を簡単にチェックしてみましょう。感謝力とは、性格や人柄を評価するものではありません。忙しさやストレス、置かれている環境によって日々変動する、今の脳と心の余裕度のようなものです。深く考えすぎず、直感で「当てはまる」と感じた項目にチェックを入れてみてください。

〈感謝力セルフチェック(10項目)〉

□ 誰かに何かをしてもらったとき、すぐに「ありがとう」が口に出る
□ 当たり前だと思っている日常(健康・仕事・環境)に、ふとありがたさを感じることがある
□ 思い通りにいかなかった出来事も、後になって「意味があったかもしれない」と振り返れる
□ 人の欠点よりも、良いところや助けてもらっている点に気づきやすい
□ 一日の終わりに「今日も悪くなかった」「よくやった」と思えることが多い
□ 忙しいときでも、誰かの配慮や小さな親切に気づく余裕がある
□ イライラしたときでも、少し時間が経つと気持ちを切り替えられる
□ 感謝の気持ちを言葉にすることに、強い抵抗や恥ずかしさがない
□ 人からの好意や評価を、必要以上に否定せず受け取れる
□ 「自分は一人で頑張っているわけではない」と感じる瞬間がある

★結果の目安★

■0~2個の人

感謝力はまだ眠っている状態
無意識に緊張しやすく、脳は防御モードに入りがちです。
疲労やストレスが溜まっている可能性もあります。

■3~6個の人

感謝力は育ち始めている状態
意識することで、心と体はさらに楽になります。
環境や忙しさの影響を受けやすい時期かもしれません。

■7~10個

感謝力が自然に働いている状態
脳はリラックスしやすく、人との関係性もスムーズになりやすい状態です。
ストレスからの回復力も比較的高いと考えられます。

チェックが少なかったとしても、落ち込む必要はありません。感謝力は「頑張って高める能力」ではなく、余裕が戻ることで自然に立ち上がる感情です。今の状態を知ること自体が、脳を整える第一歩。

この診断は、今の自分を責めるためではなく、これからのコミュニケーションや日常を少し楽にするためのヒントとして活用してみてください。

感謝とコミュニケーションの密接な関係

コミュニケーションがうまくいかないとき、私たちは話し方や言葉選びを反省しがちです。しかし実際には、その前段階として脳がどのような状態にあるかが大きく影響しています。脳が緊張状態にあると、感情を司る扁桃体が過敏になり、相手の言葉を攻撃的に解釈しやすくなります。

その結果、同じ内容でも強い言い方になったり、相手の意図を誤解したりしやすくなります。

一方、感謝の感情があると前頭前野の働きが保たれ、相手の話を冷静に理解し、適切な言葉を選びやすくなります。相手の話を最後まで聞く、評価より理解を優先する、といった姿勢が自然に生まれるのです。

同じ言葉を使っていても、伝わり方が変わるのは、気遣いやテクニックの差ではありません。脳の緊張度が違うだけなのです。感謝は相手を変えるための方法ではなく、自分自身の脳の状態を整えることで、結果としてコミュニケーションを変えていきます。

忙しい日常の中でも、会話の前にほんの数秒、「今ここにあるありがたさ」に意識を向けるだけで、脳はリラックスモードへ切り替わります。その小さな切り替えが、言葉のトーンや表情、相手との距離感に確実に影響します。

感謝は、特別な能力でも、意識の高い人だけが持つ資質でもありません。脳を整え、人との関係をなめらかにする、誰にでも使える現実的なコミュニケーションの土台なのです。

コミュニケーションにおいて重要なのは、何を言うか以上に「どんな状態で言うか」です。脳が緊張しているときは、相手の反応に過敏になり、無意識に防御的な態度を取ってしまいます。

その結果、必要以上に距離が生まれ、誤解や衝突が起きやすくなります。感謝の感情がある状態では、相手を評価するよりも理解しようとする姿勢が自然に生まれます。

これは訓練や努力によるものではなく、脳が安心モードに切り替わった結果です。感謝は、言葉を変える前に、対話の土台そのものを整える役割を担っています。

感謝は、人を無理に前向きにさせる魔法ではありません。脳と身体を本来のバランスに戻し、その結果としてリラックスや良好なコミュニケーションが生まれる、極めて現実的な仕組みです。

日常の中で、ほんの一瞬立ち止まり「ありがたい」と感じること。それだけで、脳の緊張は静かにほどけ、人との関係にも余白が生まれます。感謝は、忙しい現代人にこそ必要な、最もシンプルで再現性の高いセルフケアなのです。

文/野上徳子
のがみ・とくこ。医師/心理カウンセラー。久留米大学医学部卒業後、岡山大学第一内科に入局し、複数の病院勤務を経て現在は松山市内の病院で内科診療に携わる。神経学・生理学の視点から「心と身体のつながり」を探究し、産業医・オンラインカウンセリングなど幅広く活動。医療と意識の関係をテーマにしたオンラインイベントも主催している。臨床経験を踏まえ、心身両面からのアプローチで、日々の健康づくりや生き方の再構築を支援している。

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