2026年2月28日、アメリカはイスラエルと共同でイランへの攻撃作戦を開始。3月1日にはイランの最高指導者・ハメネイ師の死亡が確認された。
これに対してイラン革命防衛隊はホルムズ海峡の封鎖を宣言。原油の供給不安から、2月27日には1バレル72ドルだった原油先物価格が上昇。1バレル90ドル台を予測する報道も流れる中、日経平均株価は大きく値を下げたが、果たして今後はどのような展開を見せるのか。
三井住友DSアセットマネジメント チーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏から分析リポートが届いたので概要をお伝えする。
日経平均は3月4日に史上5番目の下げ幅を記録、しかし米株高などを受け5日には急反発
3月4日の日経平均株価は前日比2033円51銭(3.6%)安の5万4245円54銭で取引を終えた。米国とイスラエルによるイランへの攻撃が長期化して原油価格が高騰するとの懸念を背景に、日経平均は3営業日続落となり、2月8日に投開票が行なわれた衆議院議員選挙後の上昇分は全て帳消しとなった。
この日の下げ幅は史上5番目の大きさとなり、取引時間中には一時2600円以上値を下げる場面も見られた。
しかし、翌5日の日経平均は大きく反発、前日比958円62銭(1.8%)高の5万5204円16銭で取引を開始。前日の米国で発表された、雇用関連の指標やサービス業の景況感指数が米国経済の底堅さを示す内容となり、ダウ工業株30種平均など主要3指数がそろって上昇した流れを引き継いだ格好になった。
また、WTI原油先物などの価格が比較的落ち着いた動きとなったことも、安心材料になったと思われる。
■紛争が短期収束なら日経平均は上昇基調回復、膠着でも原油急騰回避なら下値不安は後退
以下、日経平均の今後の展開について、イラン情勢に関する3つのシナリオで考えてみたい(図表)。

1つ目は、紛争が短期間で収束するシナリオだ。年内に米国は中間選挙、イスラエルは総選挙を控え、イランも国内経済の疲弊を踏まえると、3か国とも衝突の拡大・長期化は避けたい意向があると推測される。
実際に停戦合意の動きがみえてくれば、原油価格が大きく低下して、日経平均は上昇基調を回復する展開が予想できる。
2つ目は、イラン情勢が収束も悪化もせず、膠着状態が続くシナリオだ。この場合は原油価格の動きが重要になる。
例えば、ホルムズ海峡の通航量が徐々に回復して(長期封鎖はイラン自身の原油収入に打撃)、原油価格がそれほど急騰しなければ、株式市場は次第にイラン情勢の膠着化という材料を消化。日経平均の下値不安は時間の経過とともに後退していくと思われる。
■衝突拡大・長期化なら大幅安も米方針変更で急騰か、日経平均年末予想6万1500円は維持
3つ目は衝突が拡大・長期化、原油価格が急騰するシナリオだ。この場合、日経平均株価は再び大きく下落し、直近高値から20%超下げた「弱気相場入り」とされる水準(4万7080円22銭割れ)などが意識されやすくなると考える。
ただ、このような場合、トランプ米大統領が米国経済にマイナスと判断した結果、イラン攻撃の方針を急遽変更することも予想され、原油価格が急低下し、日経平均が急騰することも想定される。
以上、3つのシナリオをみてきたが、日経平均はそれぞれのシナリオにおいて目先の動きは異なるものの、いずれも最終的には上昇方向の推移が見込まれる。
引き続き、原油相場の動向と、トランプ氏のイランに対する政策方針には注意が必要なものの、三井住友DSアセットマネジメントは現時点で、2026年12月末の東証株価指数(TOPIX)は4100ポイント、日経平均株価は6万1500円で、それぞれ着地するとの見方を維持している。
構成/清水眞希







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