都内だけでなく、地方でもよく見かけるようになった赤のボディのシェアサイクル「ドコモ・バイクシェア」。
このサービスが2026年5月1日から新ブランド「NOLL(ノル)」に変更となり、全面的にサービスが刷新されることが、3月3日に行なわれた「ドコモ・バイクシェア リブランド発表会」で発表された。
車両についても白と赤を基調とした新デザインを導入。5月1日から東京広域、横浜、大阪、広島で新車両や新料金プランをスタートし、順次全国に展開していく。年内には特定小型原動機付自転車モデルのサービスも開始予定だ。
「ドコモ・バイクシェア」がリブランドしたのは何故?
「ドコモ・バイクシェア」は、日本のシェアサイクルの先駆けとして2011年にサービスを開始し、15年以上の歴史がある。
現在では全国63のエリアに拡大し、総利用回数も1億4500万回を超えるほどに成長。なぜ今の段階でサービスを刷新する必要があるのだろうか。
その疑問について、発表会に登壇した代表取締役社長の清水貴司氏は、「自転車自体の認知率は50%程度あるものの、名称認知は5%以下である」ことを告げた。
シェアサイクルは公共性を有するサービスで、これまで自治体との官民協働で社会課題の解決を行なってきた。
例えば、再開発により駅への自転車通勤者が増えた東京都港区では、駐輪場不足や違法駐輪の課題をシェアサイクルで解決。奈良市では観光地への移動手段不足の課題に対して、シェアサイクルの導入により観光地周遊を促進したといった具合だ。
このような背景から地域ごとに名称が異なり、前述の東京都港区では「港区自転車シェアリング」、奈良市では「奈良バイクシェア」という名称。中には、「ちよくる」(東京都千代田区)、「ぐるりん」(山梨県甲州市)といった名称もあるなど実に様々だ。
そのため同じ運営基盤であっても全国共通のサービスとして認識しづらく、サービスを利用したくても検索できなかったり、他のエリアで見つけても、同じサービスだと気付かないケースも多かったという。
そのため今後は「NOLL」ブランドで統一。サービス名称にも「by NOLL」などと付けることで、共通サービスであることを示していく考え。
「ドコモ」という名称をあえて出さなかった理由は、ドコモのスマホじゃないと使えないという認識が出ることへの懸念からで「公共性の高いサービスなので、特定のキャリアを意識させないようにした」という。
新ブランド「NOLL」の名称の意味
新しい名称の「NOLL」には、日本語そのままの「乗る」という意味から、人々が楽しく快適に「乗る」移動体験を提供したいという思いと、「NOLL」がスウェーデン語で「ゼロ」を意味する言葉であることから、乗る人も乗らない人も不安が「ゼロ」になるようなモビリティサービスでありたい という気持ちが込められている。
従来の1.7倍の大容量バッテリーとなり、電池切れになりにくいところが特徴。また、前輪、後輪共にノーパンクタイヤを採用。前輪にサスペンションを付属して振動を抑制したり、カゴをハンドルではなくフレームに設置することで、重い荷物を載せてもハンドルが振られることが防ぐなど、安全性と耐久性を追求した造りで、乗り心地の向上を図る。
新車両に新たに特定小型原動機付自転車が導入されることにも注目したい。「NOLL」では時速6km以下なら歩道通行を可能にする特例モードは非搭載で運用。そのため後輪の泥よけボードに「STOP!歩道走行」という車両ステッカーを貼り、利用者にも歩行者にもそのことを周知する。
電動アシスト付き自転車との大きな差別化はカゴの色になるが、ナンバープレートがあったり、足のステップが固定されているところなども異なる。新車両ではすべての操作がアプリ完結になるので、仮に自転車と原付を間違ったとしても、アプリでの利用開始時に気付くという。
特定小型原動機付自転車を利用するには、もちろん運転免許証の登録が必須。最初の乗車前には交通ルールテストがあり、全問正解しなければ利用できない。1回で合格する人は1割程度の厳しいテストで、利用者に交通ルールの周知を図る。将来的にはAIを活用し、利用者が正しい場所を走行しているどうかを判別し、アラートを発するようにする計画も予定している。
ショートライドのニーズに合わせた料金設定
現在は30分単位の料金だが、1回のライド時間で一番多いのが8分。1日パス(0:00~23:59)も午後からの利用が7割という状況なのだそう。
このような現状を踏まえて、新料金プランは10分単位に変更。10分間で従来型は99円、新型は120円にする。1日パスも利用開始時間から3時間、6時間といった料金形態に変更する。
今後は5月1日に強制アップデートがかかり、従来の「ドコモ・バイクシェア」のアプリが「NOLL」のアプリに変更になる。新車両は通信モジュールを設置することで、施錠や解錠がアプリ制御になるので、スムーズな操作が期待される。
2026年度中の新しいモデルの電動アシスト付き自転車の導入台数は5500台を予定。既存の車両は保守を継続しつつ運用し、順次新車両に切り替えていく。
清水社長は、「乗る人も乗らない人も安心安全なモビリティサービスを目指して、これからも一生懸命頑張ってまいりますので、引き続き宜しくお願いいたします」と力を込めた。
文/綿谷禎子







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