いま、部屋選びにおいて広さより利便性で選択する人が増えてきている。都心では若年層を中心に、狭小物件が一人暮らしの住まいとして利用されるようになってきた。
実は時代のニーズに合っている狭小物件
住宅情報サービスのLIFULL HOME’Sによると、2023年秋頃から都心で10平方メートル前後の部屋が目立つように。
「家賃や生活コストの上昇から、広さの代わりに会社や学校、遊びに出かけたりしやすい交通の利便性を求める人が、狭小物件に着目するようになりました」(LIFULL HOME’S 総研副所長 中山登志朗さん)
支持を集めている狭小物件は、必要な設備がそろい快適に暮らせる環境が整っている。SPILYTUSが設計・施工する『QUQURI(ククリ)』は、9平方メートルのワンルームにロフトが基本で家賃が相場より2〜3万円安いが、生活に必要な設備は完備。東京23区で約100棟1500部屋の施工実績を持ち、多くの物件が最寄り駅から徒歩10分圏内に立地している。
「生活コストの上昇もありますが、物を所有することよりも、何かを体験することに価値を見いだすようになったことなどから、若年層に支持されるようになってきました」(SPILYTUS代表取締役 仲摩恵佑さん)
通勤・通学時間の短縮で生まれた時間や浮いた家賃を、将来羽ばたくための投資に使ってもらいたい。そんな思いで、今年から入居者向けサービスとして、キャリアアップを支援する求人情報の提供やスキルアップにつながる教育研修プログラムの紹介を行なうことにしている。
もう少し広い部屋に住みたい人に向いているのが、セレ コーポレーションが設計・施工する『Feel Type』。面積は約25平方メートル。凸凹とした空間演出の工夫がウケている。
「ターゲットは25〜35歳で、面積以上の空間価値があることが強みです」(セレ コーポレーション マーケティング課課長 園田了一さん)
都心では希望の物件が見つからず「郊外にするか…」と諦める前に、狭小物件にも目を向けてみては?

「LIFULL HOME’S総研」副所長 中山登志朗さん
狭小物件は利回りが高いことから(表面利回り6〜7%)、物件のオーナーにとっても魅力的。借り手・貸し手の双方にメリットがあります。
必要な設備がそろう住環境。工夫次第で暮らし快適に

東京23区内で広さ15平方メートル未満の賃貸物件は現在約6000件(LIFULL HOME’S参照。2026年1月20日時点)。交通の利便性が良い都心部の恵比寿、渋谷、新宿、池袋エリアなどに多い。
家賃は相場より2~3万円低い

SPILYTUS『QUQURI』
入居者の9割超が30代前半までと、若年層の高い支持を獲得。職種は外資系コンサルティングなど、安定した収入を得ている人が多い。今年はホテル従業員用の住居として、静岡県熱海市に整備することも決まっている。
もう少し広さが欲しいなら…

セレ コーポレーション『Feel Type』
長方形ではない凸凹の空間設計が特徴。出っ張ったところにベッドが置け、ワンルームにありがちな玄関を開けるとベッドが見える構造ではない。単身者向けに、階段で上がる立体空間がある『Fusion Type』もある。
取材・文/大沢裕司 編集/髙栁 惠







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