カプセルトイ『赤の他人の証明写真』が話題になっている。しかも、写っているのは、芸能人でもキャラクターでもない一般人、正真正銘の〝赤の他人〟だ。知らない誰かの顔写真が景品となっている。
これが「エモい」「ずっと見ていたくなる」とSNSで共感を集め、シリーズ累計販売数は50万個を超える。スマホケースに挟んで持ち歩く人まで出現し、中にはプレミア化する写真も。購入者の中心は若い女性だという。
人気があるのはイケメンではなく、〝おじさん〟の証明写真
この企画をほぼ一人で手がけているのが、カプセルトイメーカー『奇人クラブ』の寺井広樹さんだ。
「証明写真は本来、提出先の担当者以外には見せることのない写真。だからこそ、一瞬の緊張や硬さが、その人の無防備さを際立たせているように感じます。その違和感が面白いと思いました」(寺井さん)
アイデアを思いついてから、カプセルトイとして売り出すまでにかかった期間は、わずか10日。販売初日から反響があり、寺井さんは「イケる」と確信。ただ、その後大きな動きはないまま、販売スタートからヒットするまで約2年半を要したという。
「諦めずにシリーズの拡大やヴィレッジヴァンガードへの展開を進めていくうちに販売数は徐々に伸びていきました。現在では全国100店舗以上に設置されています」
また、人気があるのはイケメンではなく、〝おじさん〟の証明写真だという点も興味深い。
「若い女性にとっておじさんは、日常的に見かける一方で、名前も背景もわからない、最も情報を持たない存在。だからこそ、この人はどんな人生を送ってきたのだろうと、想像の余白が生まれ、『エモい』という感覚につながるのではないでしょうか」
推し活のように、「情報を集めて距離を縮めていく」感情消費とは対照的に「あえて知らないままで楽しむ」という新たな感情消費を成立させた『赤の他人の証明写真』。ここには次代の流行を読み解くヒントが隠れていそうだ。
証明写真大募集!
あなたもカプセルトイの景品に!?証明写真を送る手順
【1】証明写真を用意
カプセルトイ用の証明写真を撮影する。すでに手元にある証明写真でもOK。画像データを奇人クラブのメールアドレス「info@kijinclub.com」宛てに送付する。

【2】メールでデータを送りZoomで本人確認
画像到着後、奇人クラブから連絡が届く。その後、Zoomで写真と本人が同一人物であることを確認する。きちんと本人確認を行なうため、写真が無断で悪用される心配はない。
【3】あなたの写真が景品に!?
使用承諾書を確認し、サインをすれば応募完了。各地のヴィレッジヴァンガードを中心に、自分の証明写真が入ったカプセルトイが設置されるかもしれない!?

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赤の他人のカプセルトイは〝証明写真〟だけじゃない!
ユニークな企画が続々誕生
本当に婚活ができる!?『赤の他人のお見合い写真』
赤の他人の写真は、過去にお見合いイベントにも活用された。女性の写真が入ったカプセルトイを男性が回し、出てきた相手と10分間トーク。連続で同じ人が出た場合は運命!? 随時開催している。

赤の他人のおじいさんがかわいい『じじプリ』も話題に
一般の〝おじいさん〟のポートレートをプリクラ風に仕上げた『じじプリ』も大人気。世代ギャップが生むシュールなかわいさが注目を集めている。今年2月には『ばばプリ』も登場するという。

取材・文/内山郁恵 編集/井田愛莉寿







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