以前、@DIMEでも紹介した『猛暑でもなぜか涼しい千葉県勝浦市』の真相。
千葉県勝浦市の涼しさがTwitterで大バズリ! 2022年は6月下旬から猛暑がスゴかった。 6月25日に過去最速で猛暑日を記録した東京都心は7 月に突入しても…
東京が35℃を超えているにもかかわらず、最低気温は20℃を切ることもあり、夜は涼しいを通り越して少し寒いと感じる日もあるという。
夏も冬も過ごしやすい勝浦最強説
1906年の観測開始以降100年以上一度も35℃を超える猛暑日になったことがない“日本屈指の涼しい街”勝浦市。昨年の夏も猛烈な暑さを記録した日本だが、6~8月の期間で勝浦市は33℃を超えることはなかった。
そんな勝浦市、実は『冬でも暖かいのでは?』と密かにSNSでささやかれている。
きっかけはこちらのポスト。
寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる寒すぎる
は?-23.9℃? pic.twitter.com/ueTXqXZ5Jn
— 走る人参(気象予報士) (@Runninzin) January 22, 2026
(出典:気象庁ホームページ)
画像をよく見ると、勝浦の最低気温が明らかに周囲よりも高い。
これはたまたまなのか?いや、もしかしたら一年を通して究極に過ごしやすい街が千葉県にあるかもしれない。
そんな思いから、「夏も冬も過ごしやすい勝浦最強説」を調べてみたくなった。
ポストしたのは、高校3年生で気象予報士に合格し、気象防災アドバイザーの資格も持つ走る人参さん。SNSを中心に活躍する気象系インフルエンサーで現在、大学院修士1年生。
気象界の若きエリートに今回、取材を試みた。
――走る人参さんのポストを拝見しました。勝浦の最低気温が周囲と比べて高いのは何故なんでしょうか?
「冬の晴れた夜、関東平野のような広い場所では地面の熱が宇宙へ逃げていく「放射冷却」という現象が起こります。これによって、地面に近い空気は明け方にかけてグンと冷え込みます」
「この冷え込みは海から離れた地域ほど激しくなります。というのも、陸地には「海に比べて冷めやすく温まりやすい」という性質があるからです」
――なるほど。だから、海に近い勝浦は暖かいと。
「はい。海水は夜になっても温度が下がりにくいため、勝浦や銚子、館山などの沿岸部(海沿い)では空気も温度が下がりにくくなります」
「そのため、海に近い街の冬の朝は内陸の街に比べると冷え込みがゆるやかで過ごしやすくなります。さらに、千葉県沖には水温の高い黒潮が流れているのも1つの要因です」
ここで気になるのは、走る人参さんのポスト以外の日も、勝浦の気温が高いのかどうかということ。
走る人参さんによると勝浦と関東の1月の気温は以下の通り。
勝浦の最高(平年):11.1℃ 最低:2.9℃
東京の最高(平年):9.8℃ 最低:1.2℃
つくばの最高(平年):9.3℃ 最低:-2.8℃
「やはり、近くを暖流が流れていることもあり、全体(最高も最低も)として勝浦では気温が高くなっています」
「朝の冷え込みに着目すると、内陸部の茨城県つくば市では勝浦より4℃程度も低くなることが分かります。東京も、勝浦よりは低いものの、海自体は近くにあったり都市化の影響もあって内陸部より冷え込みは弱くなっています」
さらに、海が近くにある所(沿岸部)は暖まりにくく冷えにくいこともあり、全ての季節で気温が比較的緩やかな変化をするという。
中でも勝浦付近にはこんな特徴がある。
「暖かい海流が近くを流れている中でも、やや海面水温が低くなる場所なんです。そのため、夏は特に周りよりも気温が低くなる傾向があります」
気象インフルエンサーが語る日本で一番過ごしやすい場所とは?
気象庁によると、今年の夏(6月~8月)は全国的に暑くなるらしい。
昨年まで3年連続で記録的な高温となっているが、もしかしたらそれが4年連続となり、酷暑が再び襲いかかるかもしれない。
また、西日本や関東あたりは気温も湿度も高く、蒸し暑くなるとの予報もある。
そんな、ワケワカラン気候に支配された日本において、勝浦は「夏は涼しい、でも冬は暖かい」「暖流&海風最高」というコピーを掲げてもいいのではないかと思えてしまう。
ちなみに、勝浦以外にも冬の時期に比較的暖かい街はあるのか?これも走る人参さんにお聞きした。
「これまでの解説の通り、沿岸部では比較的暖かい所が多くなります。ただ、内陸部よりも風が強く吹くため、体感はわりと寒かったりもしますが…暖かいのは銚子ですかね」
「銚子は三方向を海に囲まれているため、冬の気温が他と比べて高くなりがちです。勝浦周辺は上記の理由からも突出して過ごしやすい気温になりやすい街だと思います」
――関東以外の都市で「夏は涼しく冬は暖かい」場所は?
「たとえば、和歌山県の串本や愛知県の南知多など、とにかく周りが海の所はマイルドな気温になります。また、大きめの都市では、福岡や横浜はそのような条件に近く、気温においては過ごしやすい大都市だと思います」
今回、筆者のわがままにより、無理な分析をしてくださった「走る人参」さん。
正真正銘の気象予報士であり、また、自然が作り出すものへの尊さやそこから起こりうる災害へも対応していけるよう、気象防災アドバイザー、防災士、健康気象アドバイザーなどの資格も取得したという。
現在のSNS総フォロワー数は10万人超。期待の気象予報士はなぜ気象の世界にハマったのか?
「2歳くらいの頃、あまり雪の降らない地域に住んでいたのでそこで大雪になって雪遊びをしたところから気象に興味を持ち始めました。小さいころから天気予報ばかり見て、自分でも調べるようになり、高校生になった時に「受けてみるか」というノリで受験したのがきっかけです」
そんな走る人参さん、HPやSNSで気象にまつわる独自の分析や興味深い研究、全国に設置されたアメダスを巡る旅などネットを中心に情報を発信している。将来的に目指しているものは?
「テレビからネットに動いている現代で、ネットを中心に活動されている気象予報士の方はほとんどいません。デジタルネイティブともいえる私くらいの人間こそ、ネットの世界で上手いこと発信出来たら新しい扉を開けるような気がしていて、模索しながらやっています」
「もちろん、災害などから身を守る防災情報を始め、気象のおもしろさをより多くの人と共有できたら嬉しいです。気象と言えば『走る人参』と言われるようになりたいですね」
現在、気象庁に登録されている気象予報士は1万20000人以上。メディアで活躍する予報士はほんのひと握り。そんな中、今後の活躍を期待される走る人参さんの強みとは?
「それは若さです。そして「友人に伝えるように」気象情報を発信しています。気象情報の堅苦しいイメージから離れて、とにかく伝わること、みんなが気になるような情報を発信するという点ではテレビなどで活躍する方々よりは秀でている部分が少しあるかもしれません」
そんな彼にズバリお聞きしたい。
Q: 気象予報士として日本で一番快適に過ごせる場所はどこだと思われますか?
「気温差の観点では勝浦周辺はやはりマイルドな気候で素晴らしいと思います。ただ、冬も暖かい沖縄地方はどこも過ごしやすいのではないでしょうか。夏の気温は勝浦と同じくらいの30℃程度ですが、冬は勝浦よりもさらに暖かくなります」
では最後に、「全国的に暑くなると言われる今年の夏も勝浦は涼しくなるのか?」
走る人参さんの答えは…
「特に大きな変動は無く、黒潮など勝浦の気候をマイルドにする要因は地球が回っている限りは大きく変わりませんので、今年の夏もある程度ほかの地域に比べれば涼しくなると考えられます」
走る人参さんX @Runninzin
走る人参さんYouTube
走る人参さん公式HP
文/太田ポーシャ







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