2026年4月から、自転車の交通反則通告制度が新たに導入されます。これまでは自動車やバイクなどに限られていた「青切符」が、自転車の交通違反に対しても交付されるようになります。
自転車の「青切符」の導入によって、警察の取り締まりがどのように変化するのかを確認しておきましょう。
1. 交通反則通告制度とは?
「交通反則通告制度」とは、交通違反の取り締まりを簡略化するための制度です。
交通違反は本来、道路交通法によって刑事罰の対象とされています。
しかし、刑事裁判(少年の場合は家庭裁判所の審判)の手続きはかなり大掛かりなものです。多発する交通違反を、すべて刑事裁判にかけるのは現実的ではありません。
そこで従来から、自動車やバイクなどの交通違反については交通反則通告制度が設けられていました。
警察官が運転者に対して「青切符(交通反則通告書)」を交付し、運転者がそれに従って反則金を納付すれば、起訴される(=刑事裁判にかけられる)ことがなくなるというものです。
交通反則通告制度により、警察官は青切符を交付するだけで、交通違反の取り締まりを行うことができます。多発する交通違反を機動的に取り締まれる点が、交通反則通告制度の大きなメリットです。
運転者にとっても、反則金を納付すれば刑事罰を科されないメリットがあります。
実際に青切符を交付された運転者の多くは、反則金を納付しています(令和4年度の納付率は98.5%)。
出典:良好な自転車交通秩序を実現させるための方策に関する中間報告書 p15|警察庁
2. 【2026年4月~】自転車の交通反則通告制度が開始
従来は、自転車などの軽車両は交通反則通告制度の対象外とされていました。2026年4月からは、新たに軽車両も交通反則通告制度の対象となります。
2-1. 交通反則通告制度の導入により、自転車の取り締まりはどう変わる?
従来は、自転車の交通違反を取り締まるためには刑事裁判(少年の場合は家庭裁判所の審判)が必須でした。労力がかかりすぎるなどの理由から、自転車による交通違反の多くが見逃されていました。
2026年4月からは、自転車が新たに交通反則通告制度の対象となるため、警察官は交通違反をした自転車の運転者に対して青切符を交付できるようになります。
簡単な手続きによって取り締まりができるようになった結果、警察による自転車の交通違反の取り締まりが、従来よりも積極化することが想定されます。
なお、自転車の交通反則通告制度の対象とされているのは、16歳以上の運転者です。
16歳未満の運転者には青切符は交付されませんが、その代わりに基本的な交通ルールを記載した「自転車安全指導カード」などが交付されます。
2-2. 自転車の主な交通違反に対する反則金の額
自転車による主な交通違反の内容と、反則金の額は次のとおりです。
3. 青切符を無視して、反則金を納付しないとどうなる?
警察官から青切符を交付された自転車の運転者が、その内容に従わず反則金を交付しないと、起訴されて刑事裁判にかけられるおそれがあります。有罪判決が確定すると刑罰が科されるほか、前科が残ってしまいます。
反則金は、原則として取り締まりを受けた日の翌日から7日以内に、銀行や郵便局の窓口で仮納付をします。
仮納付をしない場合は、青切符に記載された期日に交通反則通告センターに出頭し、反則金の通告書と納付書の交付を受けます。通告を受けた日の翌日から10日以内に反則金を納付すれば、起訴されることはありません。
交通違反の取り締まりについて不服がある場合は、あえて反則金を納付しないことも考えられますが、起訴されて有罪判決を受けるリスクがある点に十分ご留意ください。
取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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