春に向けて花粉シーズンが本格化しつつある。外出時だけでなく室内でも「目がかゆい」、「鼻がムズムズする」、「洗濯物を取り込むとくしゃみが出る」など花粉に関連した悩みが増える時期になった。環境省が実施した令和7年度のスギ雄花花芽調査の結果では、複数の地域で過去10年平均の2倍以上の雄花着花量となっており、今年春の花粉飛散量が多くなる可能性が高い。
パナソニックは、もっとも花粉に困っている人が多い『花粉お困り都道府県ランキング』を作成し、「花粉に関するお困りごと調査」を実施。その結果とパナソニック エアーマイスターの福田風子氏が解説する室内の花粉を減らすためにできる具体的な対策を合わせて紹介していこう。
『花粉お困り都道府県ランキング』1位は神奈川県
全国の20代から60代の男女5463名に花粉に困っているか質問すると、「とても困っている」と「やや困っている」の合計割合の都道府県別1位は神奈川県(54.5%)になった。2位は三重県(52.8%)、3位は静岡県(51.7%)、4位は山口県(50.0%)、5位は高知県(49.2%)というランキングになった。4位以上の県は、いずれもお困り率が半数を超えており、県民のふたりにひとりが花粉に困っていることがわかった。下位は、46位が北海道(28.3%)、47位が沖縄県(8.2%)と避粉地として知られる地域になった。
室内で花粉を感じる人は回答者の半数以上
室内で花粉を感じることはあるか質問すると、「頻繁にある」(13%)と「たまにある」(41%)を合わせた54%が室内でも花粉を感じていると回答。屋外だけでなく、半数以上が室内でも花粉に悩まされていると感じていた。
どのようなタイミングで室内の花粉を感じるかについては、もっとも多かったのは「洗濯物を取り込んだとき」(43%)で、それに「帰宅直後」(40%)、「換気のために窓を開けたとき」(38%)が続いた。衣類や洗濯物、換気などを通じて日常動作の中で花粉が室内に持ち込まれているようだ。
室内の花粉対策を「何もしていない」人が約4割
実際に行っている室内の花粉対策では、「空気清浄機の使用」(27%)、「部屋干し/乾燥機使用」(23%)、「マスク着用」(20%)などが上位だった。「何もしていない」と答えた人が約4割も存在しており、対策の必要性を感じつつも行動に移せていない人も多いようだ。花粉対策で困っていることでは、「換気すると花粉が入ってくる」(35%)が最多の回答だった。それに「対策しても改善を感じない」(26%)、「掃除やケアに手間がかかる」(25%)、「できる対策がわからない」(21%)と続いたが、「対策したいがどうすればいいのかわからない」や「やっても効果を実感しにくい」というジレンマも回答からは見えてきた。
花粉の侵入経路では13%がエアコンと回答
花粉がどこから室内に入り込むのかについての理解度では、誤解があることも浮き彫りになった。「室内に侵入する花粉の主な経路はどこからだと思いますか?」という質問では、「衣類・髪に付着した花粉」(64%)、「窓の開閉」(54%)、「洗濯物」(37%)、「玄関の開閉」(36%)といった項目が多く挙がったが、13%が「エアコン」を侵入経路として挙げた。だが換気機能を搭載していない一般的なエアコンは、室内の空気を吸い込んで暖めたり冷やしたりして再び室内に吹き出している。室内の空気を循環させているだけなので、通常はエアコンから花粉が侵入することはないという。侵入経路がわからないと回答した人も13%もおり、多くの人が花粉の侵入経路を正しく理解していないようだ。室内の花粉を減らすための対策では、「外から花粉を持ち込まない対策」(57%)がもっとも多く、「空気清浄機などで吸引」(35%)、「こまめな掃除」(35%)、「洗濯物の対策」(31%)などが続いた。“持ち込まない・ためない・取り除く”という複数の対策を組み合わせる必要があると考えている人が多かった。
パナソニック エアーマイスターが教える室内の花粉を減らす対策とは?
福田風子氏
パナソニック エアーマイスター/睡眠改善インストラクター。パナソニック 空質空調社。自宅に異なる4機種のエアコンを設置し、機能の違いや風の違いを感じ分ける。スマホを使って家中のエアコンを遠隔操作したり、時にはカビの発生したエアコンを自ら入手・分解して調べるなど担当の枠を超えてちょっとしたエアコンマニア。
今回の調査結果を踏まえて、室内の花粉を減らすためのポイントをパナソニック エアーマイスターの福田風子氏が解説している。それによれば、花粉が室内に入り込む経路は大きく3つあるという。
(1)人やペットの体に付着:帰宅時にどれだけ花粉を家の中に持ち込まないかが室内の花粉対策の大きなポイント。外から持ち込む花粉が室内の花粉量の大部分を占めるとも言われている。
(2)玄関や窓などの開口部:人の出入りや換気のたびに、外の空気と一緒に花粉が入り込んでしまう。
(3)外干しした洗濯物:濡れた衣類の繊維は花粉を絡め取りやすく、取り込む際に大量の花粉を家の中へ持ち込んでしまう。
花粉対策は「入れない」「ためない」「舞わせない」が大切
花粉が屋内に入り込む経路や侵入する状況を踏まえた花粉対策は次の通りだ。まず玄関でのひと手間が花粉対策の要となる。「室内の花粉対策でもっとも効果的なのは、玄関で花粉を落としきること。衣類やバッグ、靴についた花粉は、粘着ローラーや衣類用ブラシを使って玄関先で落とすのが基本で、ペットがいる場合はお散歩帰りに濡れたタオルで体を拭いてあげることで毛についた花粉の持ち込みを減らせます。髪や顔についた花粉は、できるだけ早くシャワーや洗顔で洗い流すことが理想的。静電気防止スプレーを衣類に使うことで、外出中の花粉の付着を抑えることもできる。消臭スプレーの中にも静電気防止効果を持つものがあり、花粉対策として有効」(福田氏)
次に換気と洗濯で花粉を入れない工夫も効果的だ。「換気の際は、窓を大きく開けるほど花粉も入り込みます。環境省が作成した『花粉症環境保健マニュアル』によると、窓の開け幅は10cm程度にとどめ、レースカーテンを閉めた状態で換気を行うことで、室内に入る花粉をおよそ4分の1に減らすことができます。どうしてもしっかり換気したい場合は、花粉が飛びにくい夜間から早朝にかけて行うのが効果的です。洗濯物や寝具は、花粉シーズン中は外に干さないことが基本です。濡れた繊維は花粉を吸着しやすく、一度入り込んだ花粉は乾いても簡単には落ちません。部屋干しや乾燥機、衣類乾燥除湿機や布団乾燥機を活用し、仕上げに粘着ローラーや掃除機で表面の花粉を取り除くことで、室内への持ち込みを防ぐことができます。室内の花粉対策は、「入れない」「ためない」「舞わせない」を意識することが何より重要です。特に帰宅時の行動を少し変えるだけで、家の中の花粉環境は大きく変わります」(福田氏)
エアコンと空気清浄機の「併用」テクニックも効果的だが、併用時の最適な配置もあるという。「エアコンと空気清浄機を合わせて使用することでエアコンの気流がアシストし、集じん効果を高めることができます。その際にはエアコンの気流に合わせた空気清浄機の置き場所がポイントです。空気清浄機の多くは、前面もしくは側面から汚れた空気を吸い込み、上部からキレイな空気を出す構造です。エアコンの暖房は足元から暖めるのがオススメのため、下向きの気流となります。対面に空気清浄機を置くことで、汚れた空気を空気清浄機の方へ送り込みフィルタ―を通じて上部から空気を吹き出すことで、効率的にお部屋の空気を循環しながら清浄することができます。また、浮遊する花粉は集じんできても、花粉はカーテンやソファ、衣類に付着するため、この付着花粉は集じんだけでは対策できません。その場合、エアコンや空気清浄機から飛び出すイオンなどで付着している花粉を直接アタックする機能を搭載した商品もあります」(福田氏)
『花粉お困り都道府県ランキング』上位の県は、ふたりにひとりが花粉に困っていると回答しており、花粉対策は多くの人の関心事でもある。今回の解説とアドバイスを元にしっかり対策して、なるべく快適に花粉シーズンを乗り切りたいものだ。
『花粉お困り都道府県ランキング調査』概要
調査対象:20代~60代の男女
調査地域:全国
調査期間:2025年12月12日~2025年12月19日
調査方法:インターネット調査(協力:ジャストシステム)
有効回答:5463名(男性:3045名、女性:2418名)
『2026年花粉のお困りごとに関する実態調査』概要
調査対象:20代~60代の男女
調査地域:全国
調査期間:2025年12月12日~12月14日
調査方法:インターネット調査(協力:ジャストシステム)
有効回答:550名(男性:339名、女性:211名)
構成/KUMU







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