ヘビやヒツジ、トラなど十二支の動物たちと猫が、かけっこしまくるマンガをご存知だろうか?
めっちゃキュートな動物キャラクターが、山の向こうにある“すごいもの”を目指して旅に出るWebマンガ『かけっこネウ』。今、YouTubeなどSNSで話題だ。
昨年には絵本投稿サイト・よみきかせキャンバスで絵本化され、キャラクターを立体化したカプセルトイ「かけっこネウ ならぶんです。」も発売された。
“生きるために大事なこと”が大人にも刺さる
とにかく動物たちのフォルムがカワイイ。そして、1話が数コマ~2ページほどで読みやすい。ただ、「かけっこ×旅」というテーマの物語から見えてくる、“生きるために大事なこと”が大人にも刺さる。ほのぼのとした雰囲気の中にグッとくる瞬間がある。
手掛けたのは、マンガ「虚の記憶」やポケモン公式Xのポケモン情報局で「雨のちヌメラ」を連載するイラストレーターのネヲ先生と、おはなし担当のはみこま先生。
幅広い世代が虜となる小さな動物たちの物語はいかにして生まれたのか?
今回、ヒットの秘密を探るべく、イラストレーターのネヲ先生にインタビューを敢行した。
ネヲ先生のお話の前に、『かけっこネウ』とはどんなマンガなのか、ここで少しだけご覧いただこう。
【第1話】 あたらしい、物語のはじまり!
【第2話】 期待とワクワクがいっぱい!
まるで絵本のような世界観でサクサク読める作品だが、十二支と猫をキャラクターに選んだ理由はなんだったのか?
「もともとは2019年頃に描いた十二支のオリジナルイラストを、おはなし担当のはみこま先生がご覧になったことがきっかけです」
「十二支たちの有名な逸話で順番を決めるために競争をしたという話がありますが、「このテーマで一緒にマンガを作りたい」と声をかけていただき、『かけっこネウ』が誕生しました」
――元のイラストは『かけっこネウ』のキャラとは全然違う雰囲気ですね。
「そうなんです。『かけっこネウ』は1~2ページの企画だったので、キャラクターの説明に長い文章を使うことができなかったんです。そのため、はみこま先生が考案したキャラクター設定をベースに「一目でどんな性格の子かが伝わる」ことを意識してデザインし直しました」
「たとえば、未のモフさんはおだやかそうに見えつつ心の中に少しだけ黒い部分を持っていたり、丑のゼンコウジは少しオドオドした雰囲気になるよう工夫しています」
「実際に読者さんの反応を見てみると、キャラクターの性格がすっと伝わっているようで、その点はとても良かったなと感じています」
結果だけにこだわらず“途中”を楽しむ
『かけっこネウ』のテーマは「かけっこ×旅」。その2つにはこんな共通点があるとネヲ先生は語る。
「“かけっこ”と“旅”は実はとても似たテーマだと思っています。 どちらもゴールや目的地はありますが、大切にしたいのはそこへ向かう道中の時間です」
「かけっこにはスタートラインに立つときのドキドキや走っているときに景色が狭くなる特別な感覚があります。また、一生懸命走る姿を誰かが応援してくれることもありますよね。そうしたいろいろな気持ちが、かけっこの中には残ると思うんです」
「旅も同じで、道中での出会いや出来事にこそ意味があると考えています。その積み重ねの先に見える目的地の風景はまっすぐ効率的に進んでたどり着いた景色とは少し違って見えるのではないかなと思います」
ゴールや目的地を目指して進む、その道のりこそ大切にしたい時間。
たしかにマンガでは、かけっこ以外の出来事や道中の何気ない表情から、キャラクターの素顔、心に秘めた思いが感じ取れる。そこも面白い。
「ネウや仲間たちは、特別に強いキャラクターではありません。だからこそ、遠回りをしながらも楽しく旅をする姿を描きました」
「結果だけにこだわりすぎず、その“途中”を楽しめたほうが、少しだけ得なんじゃないかな。そんな風に感じてもらえたら嬉しいです」
そんな『かけっこネウ』に登場する個性全開のキャラクターの中で、ネヲ先生が個人的に好きなキャラクターとは?
「私は、毛の黄色い部分が前髪みたいに見えるようなモフさんが特にお気に入りです」
「立ち位置としては賢いつっこみ役で少し一歩引いたポジションですが、作中では意外と表情豊かで見ていて楽しい存在でもあります。辰のロンロンのようにオーバーなアクションはあまりしませんが、その分さりげないモフさんの表情の変化を楽しんでもらえたら嬉しいです」
では、こんな質問も。
【ネヲ先生ご自身に似ているキャラクターは?】
「コケコ…かもしれないです。キャラクターの設定にもあるのですがコケコの揺れる心の動きは “繊細さ”と“理想への憧れ”だと思ってます。もしかしたら、現代に生きる多くの人にもっとも近しい存在なのかもしれないですね」
読めば読むほどハマっていく動物たちのロードムービー
先日、『かけっこネウ』のキュートなキャラクターがバンダイのガシャポンに登場。マンガの魅力そのままに「イットウショウ」を目指してかけっこする姿と表情がなんともカワイイ。
並べて飾れるバンダイのミニフィギュアシリーズ「ならぶんです。」から全6種のキャラクターが販売されており、ネヲ先生もその出来栄えに大満足だとか。
「みんなが走っているポーズなので、外に連れ出して冒険しているような写真を撮れるところがお気に入りです。公園や街角、旅先など、置く場所次第で物語が広がるのもポイントだと思います。自分だけの“かけっこ”の絵を考え、創れるのも楽しい部分ですね」
『かけっこネウ』のキャラクターは、どれも個性的だ。
愛嬌たっぷりながら辛辣なセリフでドキッとさせるキャラもいれば、控えめで周囲に振り回されてしまうけど一生懸命なキャラもいる。
「かけっこ×旅」というテーマで繰り広げられる、動物たちのロードムービーのような物語にはワクワクする展開と共感できるシーンが満載。
読めば読むほど続きが気になってしまうのだが、これからどんな展開を見せるのか?
「今後の物語は、大きく何かが変わるというよりもこれまで積み重ねてきた旅が少しずつクライマックスに結んでいくかたちになります」
「ネウや仲間たちが出会ってきた出来事や気持ちが、ゆるやかにつながりながら物語としてひとつの景色を見せてくれると思っています。最後まで、ネウたちらしいペースで進んでいく物語を見守ってもらえたらと思います」
――『かけっこネウ』はどんな方にどんな風に楽しんでもらいたいですか?
「このマンガは正しい読み方がある作品ではないと思います。それぞれのペースで、それぞれの気持ちのまま、気軽に読んでもらえたらと思っています」
「お子さんには、難しく考えずに「なんだか楽しいな」「この子たち好きだな」と感じてもらえたら嬉しいですし、大人の方には、ネウたちの遠回りや道中の楽しんでいる姿を通して、必ずしも速く走らなくても、結果がすぐに出なくても、その道中に意味があるんだと感じてもらえたらとてもありがたいです」
マンガ『かけっこネウ』
『かけっこネウ』公式X @kakekko_neu
ネヲ先生X @Newo22cube
文/太田ポーシャ







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