日本でも根強いファンが多い北欧、スウェーデンの自動車メーカー、ボルボの日本仕様は現在、主力のSUV、クロスオーバーモデルとステーションワゴンを展開。それもラインナップを拡大中のフルエレクトリックのBEV、そしてPHEV、マイルドハイブリッドの電動車のみを販売している。
中でももっとも新しいモデルとして2023年11月から日本に導入されているEX30は、XC40、XC60と並ぶボルボのヒット作となっている。
そんなEX30はフルエレクトリックEV専用車であり、サスティナブルとボルボ最先端のテクノロジー&先進性が凝縮されたボルボでもっともコンパクトかつ、BEV専用プラットフォームを使うSUVとなる。
2025年モデルまでは後輪駆動、一充電航続距離560km、総電力69kWhのEX30 Ultra Single Motor Extended Rangeの1車種だったものの、2026年モデルでEX30のラインナップを一気に拡充。
ボルボBEVの入門車種となりうるEX30 Plus Single Motor(航続距離390km。これのみリン酸鉄リチウムイオン電池。他はリチウムイオン電池)、EX30 Plus Single Motor Extended Range(航続距離560km)、2023年の導入時から引き続きラインナップされるEX30 Ultra Single Motor Extended Range(航続距離560km)、2026年モデルとして新たに加わった4WDのEX30 Ultra Twin Motor Performance(航続距離535km)、そしてクロスカントリーモデルとして最低地上高に余裕を持たせたEX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performance(航続距離500km)の5モデルが揃うことになった。※航続距離はWLTCモードによる。
ここではそんなボルボEX30の2026年モデルに新たに加わった、待望のクロスカントリーモデル、EX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performance で新潟、上越妙高からボルボスタジオのある東京・南青山までのおよそ400kmに及ぶ、市街地、山道、圧雪路、高速道路を含めて走破した極寒での試乗記を届けしたい。
なお、EX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceの詳細についてはこの記事の前編で紹介しているので、そちらを参照いただきたい。
ボルボ「EX30 Cross Country」の実力を雪上&400kmロングドライブで徹底検証【前編】
今回、@DIMEではボルボ主催の新潟妙高高原から南青山のボルボスタジオまでの約400kmの行程を、電気自動車のボルボEX30 Cross Country Ult…
ところで、EX30 Cross Countryについては昨年の冬、同じく上越妙高の雪深い道を、EX30 Ultra Single Motor Extended Rangで走り、後輪駆動ながらBEVならではの駆動制御の緻密さから、驚くほど雪道に強いことなどを報告している。雪道に強いのは4WD→FF→FRの順という常識を覆してくれたのだった。
さて、上越新幹線上越妙高駅近くの基地から午前8時すぎ、気温2度の寒さの中、シートヒーター、ステアリングヒーターで暖められた、Googleインフォテイメントシステムを標準搭載し、スタッドレスタイヤを履いたEX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceは充電約80%の状態でスタート。
例によって、ボタンレスキー(Key Tag)を携帯していれば、クルマに近づくだけでドアがアンロックされ、スタートボタンなど押さずに電源システムが入り、ステアリング右側にあるレバー式シフターをDレンジに入れることで走り出すことができる(ドアミラーの調整はインパネ中央の12.3インチタブレット型Google搭載インフォテイメントシステム内で行うのが面倒だが)。
2026年冬の新潟地方は、10年に一度の大雪に見舞われていたのだが、当日は快晴。市街地の路面の雪は見事に除雪されていたため、試乗ルートはボルボのスタッフがあえて雪深い上越妙高山奥の道を試乗ルートに設定。そこから高速道路で一気に東京・南青山を目指すことになる。
ボルボとしては、EX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceの雪道走行を体験してほしかったというわけだ。
なお、4WD、スタッドレスタイヤ(フィンランド製のノキアンというブランド)とともに、雪道走行での安心材料となるのが、クロスオーバーモデルだけの最低地上高195mmの余裕だ。EX30の標準車の最低地上高は175mmで、そのぶん、全高は立体駐車場の入庫が容易なEX30の標準車の1550mmから1565mmに高められている。
出発前に、BEVでのドライブのお約束でもある航続距離を確認すると、WLTCモードで500km。極寒の環境では、エアコンを使うと70%ぐらいになるはずで、実質350km程度の航続距離ということになりそうだ。
つまり、上越妙高~南青山までの、特別なルート設定での約400kmの行程では、1~2回の充電が必要になる。上越妙高の出発は朝8時すぎだから、途中の高速道路での30分の急速充電がてら、ランチをとるスケジュールとした。
それにしても、上越妙高駅近くから出発して、まず感動できたのは、BEVならではの車内の静かさは当然として、19インチのスタッドレスタイヤを履いていながらも、荒れた道でさえ快適な乗り心地の良さとシートのかけ心地の良さだった。
何しろ、19インチタイヤ装着となるCross Countryモデルのフロント:ストラット、リヤ:マルチリンク式を基本とする足回りはノーマルモデルよりソフトな、乗り心地と走破性にこだわった専用サスペンション(スプリング)とアンチロールバーに改められているのだ。
これなら、これから始まる約400kmのドライブを楽しみ尽くせそうである。また、EX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceは0-100km/h加速3.7秒という、ポルシェ911に迫るスポーツカー並みの加速力を「羊の皮をかぶった狼」として発揮するのだが、もちろん、雪道ではお預けである・・・(後輪駆動=FRのEX30 Ultra Twin Motor Performanceのほうは3.6秒で、史上最速のボルボでもある)。
そして市街地でも威力を発揮する、完全停止まで行えるワンペダルモード自然な制御も、見知らぬ土地での走りやすさに直結。アクセルペダルのみの操作で自在なスピードコントロールができるのが嬉しい。
Google搭載インフォテイメントシステムのGoogleマップによる的確なルート案内で、それまでのほぼドライ路面の道から、いよいよ豪雪地帯と言える、一気に雪景色となる道幅の狭い圧雪路も顔を出す上越妙高の山道に突入する。
標高が高まるにつれ、外気温は氷点下となるものの、EX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceの車内は暖かく、全方向の視界の良さ、そして何といっても全長4235×全幅1835×全高1565mmという日本の路上にもジャストなコンパクトなサイズもあって、山奥のクルマがすれ違えないような狭い道の走行も楽々、安心だ(雪道であろうとなかろうと)。
EX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceは4WD×BEVならではの緻密な駆動制御によって、クネクネした勾配のキツい圧雪路をグイグイ、意のままに進んでいく。ステアリングインフォメーションの確かさ、タイヤのグリップ感のつかみやすさも、滑りやすい路面での運転の安心感に貢献している印象だ。
こうした雪道の走行でもワンペダル機能が威力を発揮する。実際、雪深い道での対向車とのすれ違いで、左輪を深い雪の中に落とす場面があり、うっかり強いブレーキを踏んだ際、車体が一瞬、滑り始めてしまった。
が、そこはBEVの駆動制御によって瞬時に安定方向へと制御してくれたのだが、ほかの場所で同様の走り方を、ワンペダルモードによる減速で行うと、より安定したままの走破が可能になったのである。雪道ではブレーキングよりワンペダルモードが役に立つ(状況による)・・・ということでもありそうだ。
とにもかくにも、雪道をまったく不安なく走破し、梺に降りることができた。この時点でバッテリー残量は58%、航続距離は219km。そこからは上信越道~関越道~首都高へと続く高速走行だ。
EX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceの高速走行は直進性、安定感、レーンチェンジでの安心感、そしてシートのかけ心地の良さ、スタッドレスタイヤを履いていても発揮されるクロスカントリーモデルならではの極上の快適性によって、ストレスフリー。コンパクトなボディサイズにして、一回り大きいクルマに乗っているような居心地のよさに包まれることになる。
心配性の筆者としては、上信越道・小布施PAで一回目の充電。小布施名物の栗どら焼きとコーヒーのブレークタイムにちょうどいい。小布施PAから目的地の東京・南青山にあるボルボスタジオまでの距離はGoogleマップによれば255km、3時間19分。
ここで同乗者から「そろそろ運転を代わりましょうか」という提案もあったのだが、こちらは、予想に反して、まったく疲れていない。このままステアリングを握ることになった。
昼頃、上信越道から関越道に入っても、ステアリングを握る筆者は、朝8時すぎから市街地、山道、雪道、高速道路を運転し続けていたにもかかわらず肉体的、精神的ストレスはないに等しく、快適なまま、今回のおよそ400kmのEX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceでの試乗最後の休憩場所となる関越道・上里SAに到着。
ランチタイムでもあり、その時間を利用してここでも急速充電。バッテリー残量は82%、航続距離は約315kmまで復活。そこから東京・南青山までの距離は約110kmだから、余裕を持って走り切ることができるというわけだ。※この距離のロングドライブでは、2回の休憩は当たり前だろう。
関越道・上里SAからは助手席の住人になったわけだが、助手席のシートのかけ心地も、当たり前だが快適そのもの。午後3時、首都高、一般道を経て、約6時間半(充電、おやつ時間、ランチ時間含む)ものEX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceでのロングドライブを、運転席、助手席にかかわらず疲れ知らずで楽しむことができたのだった。
もし、雪道での安心感、高速道路での安定感、乗り心地やシートのかけ心地で劣るクルマであれば、ヘトヘトになっていたに違いない・・・。
ちなみに、ガソリン車は市街地で燃費が悪く、高速走行で燃費が良くなる傾向にあるが、BEVの場合はその逆。高速走行で飛ばすと電費が一気に悪化し、航続距離が短くなるものだ。筆者は高速走行中、0-100km/h3.7秒の加速力を発揮するパフォーマンスモードでポルシェ911並みの加速力を、静かでウルトラスムーズなまま、味わったりした。
電費、航続距離重視であれば、制限速度以下で走ると、電費がグッと向上(バッテリーが減らない)することも、改めて確認した。関越道・上里SAから、同乗者がステアリングを握り、ジェントルな運転に徹した際、バッテリーの減りが著しく減少したことからも、それは明らかだ。※2026年モデルから充電性能、電費も向上している。
そして約400kmのEX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceでのドライブ、試乗を終え、東京・南青山のボルボスタジオにバッテリー残量58%で到着。全行程の中の約300kmの運転、約110kmの助手席乗車となったが、繰り返しになるが、EX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceの運転のしやすさ、ボルボ史上最上、EX30シリーズ最上と思えてならない乗り心地の良さ、シートのかけ心地の良さ、車内の静かさを含めた総合的な快適度、そして雪道を含むあらゆる走行シーンでの安定感、安心感もあって、まさにストレスフリーのドライブ、試乗を、最新BEVのコンパクトクロスオーバーモデルで行えたのである。
そんなボルボEX30はEX30 Plus Single Motorの479万円から、今回、試乗したEX30 Cross Country Ultra Twin Motor Performanceの649万円という幅広い価格レンジだ。
新車5年保証のほか、Googleアプリ、サービスのデータ通信料もまた、5年間無料!!である。走行中でも最新の地図データによる目的地設定ができ、瞬時にルート案内をしてくれるだけでも、その価値はある。
2026年モデルではマップ上の充電スポット案内(タッチで目的地設定OK)、Apple car playのワイヤレス接続、スマートホンがキーになるアプリの追加など、アップデートに余念がない。
しかも、OTA((Over The Air=通信回線を通じてソフトウェアやファームウェアを遠隔で更新・配信する技術)によって2023年、2025年モデルでも、2026年モデルに準じた内容にアップデートできるのだから、クルマの革新性を、補助金を利用して我が物にできるということになる。
文・写真/青山尚暉







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