日本の季節の変化が極端になり、春夏秋冬の四季ではなく「二季」と捉える人が多くなっているという。第一三共ヘルスケアは、全国の15歳から69歳の男女1100人に、冬の体調不良と対策に関する実態調査を実施して結果を公開した。
調査では、8割以上の人が季節の変化が極端になっていると感じており、およそ4人に3人が「冬の体調管理が難しくなった」と実感していた。
季節の変化が極端化していると8割以上が実感
調査で季節の感覚について質問すると、87.6%が「以前に比べて季節の変化が極端になっている」、65.9%が「日本の季節は『四季』ではなく、『二季』だ」と回答した。多くの人が日本の季節への感じ方が変わっているようだ。およそ4人に3人が「昨今の気候の変化にあわせた冬の体調管理は、これまで以上に難しくなっていると感じている」とも回答している。
特に感じる冬の症状は「乾燥」「手足の冷え」「寒暖差アレルギー」
風邪、のどの乾燥、鼻冷えなど21の症状を提示して、冬に感じることがある症状、ここ数年特に感じる冬の症状を質問すると、「肌の乾燥」、「手足の冷え」、「のどの乾燥」など冷えや乾燥が上位になった。最近、特に感じることとして「寒暖差アレルギー」が7位から5位に2ランクアップし、対策できていない冬の症状では、「手足の冷え」(19.3%)、「肌の乾燥」(15.4%)、「のどの乾燥」(14.1%)、「寒暖差アレルギー」(13.6%)、「肩こり」(12.9%)が上位だった。「寒暖差アレルギー」は、対策できていない冬の症状でも4位と上位になっている。
冬の不調対策トップ3は「手洗い・うがい」、「温かい飲み物・食べ物の摂取」、「湯船につかる」
睡眠を多めに取る、日に当たるなど17項目から冬の体調不良の対策として行っていることを質問すると、「手洗い・うがいをする」(45.5%)、「温かい飲み物や食べ物をとる」( 45.2 % ) 、「湯船につかる」(36.7%)がトップ3だった。ここ数年で特に感じるようになった冬の症状として、「乾燥」や「寒暖差アレルギー」などが挙がっていたが、対策では「まめに水分補給をする」と答えた人は約2割、「室内の湿度を一定に保つ」と答えた人は15.7%しかいなかった。
冬の体調管理をAIに相談するZ世代は約4割
冬の体調管理をAIに相談しているかについては、全体では26.5%とおよそ4人にひとりが相談していた。年代別では、Z世代(15歳~29歳)では41.0%と4割以上が相談していたが、シニア世代の60代では11.0%しかいなかった。古くからいわれている健康法の「頭寒足熱(ずかんそくねつ)」は、51.3%と半数以上が認知していたが、実践率は32.1%だった。年代別では、50代(認知率60.5%、実践率40.0%)、60代(認知率74.5%、実践率48.5%)は認知率も実践率も高いが、Z世代は認知率(35.3%)と実践率(22.3%)が低い数値になった。
「頭寒足熱」は、頭を涼しく保ち、足元を温かくするという東洋医学に基づく健康法で、血行促進、疲労回復、集中力アップ、安眠効果などが期待できるといわれている。現代人は、頭に熱がこもって足が冷える「頭熱足寒(ずねつそっかん)」状態の人が多いので、気を付けたいところだ。
「冬のジェットコースター不調」とは?
この調査では、今の日本の季節は「変化が極端」(87.6%)で「四季ではなく二季」(65.9%)と捉える人が多いという結果が出た。73.8%が昨今の気候の変化に合わせた冬の体調管理は「これまで以上に難しくなっている」と感じているようだ。
第一三共ヘルスケアでは、急変する気候の影響を受ける冬の不調のことを「冬のジェットコースター不調」と命名して、内科医の正木初美先生監修の下、危険度を確認するチェックシートを開発している。
チェックシートは全10問で、今の自分の状況で当てはまるものをチェックして、ひとつでも当てはまるものがあれば「冬のジェットコースター不調」予備軍になるという。
「乾・乱・遮」でセルフケア
もし「冬のジェットコースター不調」の予備軍だとしたら、それを乗り切るための対処方法として、正木先生は「かん・らん・しゃ(乾・乱・遮)」が有効だという。「かん」は乾燥を防ぎ、「らん」は自律神経の乱れを整え、「しゃ」は冷気を遮るための対策。目が回るような「冬のジェットコースター不調」には、同じく遊園地にある「観覧車で対策」と覚えるとわかりやすいかもしれない。
■「乾:乾燥を防ごう!」
冬の乾燥で鼻やのどの粘膜が弱くなると、冷気や寒暖差に過敏に反応しやすくなり、アレルギーのような症状を誘発するという。人間は汗をかいていない状態でも水分を失うため、冬は「隠れ脱水」にも要注意だ。水分補給を怠ると、粘膜が乾いて体内へのウイルス侵入リスクが高まる。加湿器やマスクを活用して、空気の乾燥防止や寝る前・起床時にコップ1杯の水を飲むなど意識的な水分補給を心がけよう。
■「乱:自律神経の乱れに注意!」
急な気温低下は、体に大きな負担になり、自律神経のバランスが乱れやすくなる。自律神経が乱れると免疫力にも影響が出るので要注意だ。自律神経を安定させるためには、衣類の重ね着をして体を常に温める、意識的に外出したり運動するなど心身を整える行動を取り入れよう。急に寒くなると気圧の変化により頭痛が起こりやすくなるので、「気象病」にも注意が必要だ。
■「遮:冷気を遮断せよ!」
今冬は、例年より早く冷えを訴える人が多いという。冷たい風が体に当たると、鼻やのど、皮膚の表面が急に冷えて、刺激に敏感になりやすくなる。冷気を“遮る”ことにより、寒暖差による体への刺激を減らすことが大切になる。首元は冷気の影響を受けやすい部位なので、保温することで体が急に冷えるのを防げる。外出時は、マフラーやスカーフ、ネックウォーマーなどを持ち歩いて、冷えを感じたら我慢せずに対応しよう。
内科医・正木初美先生による「冬のジェットコースター不調」対処法
ここからは「冬のジェットコースター不調」のチェックシート作成の監修も行った正木先生のアドバイスを紹介しよう。
「今回の調査では、多くの方が今の日本の激しい季節変化を感じる結果となっています。私のクリニックでも患者さんから「秋がない、春がない」「二季ですね」という話を聞きます。そんな話の中で、倦怠感やしんどさの相談を受けます。特に今冬は例年より早く、乾燥や冷えを訴える患者さんが多いようです。
診察すると脱水や水分不足の方が多く、便が固いとか便秘がちになったり、自律神経の乱れから倦怠感を感じたり、尿検査で脱水症状と診断されて点滴をする患者さんもいます。老若男女問わず、そういった症状を挙げる患者さんが多いようです。
二季化により夏から急に冬が来て体が整わないとか、同じ日でも朝寒くて昼暑くて寒暖差が激しいとか、暖房がすごくきいている場所もあれば寒い所もあるなど、ジェットコースターのような激しい気温差ですね。皆さん体温の調節がしづらく、体調管理が難しくなっているようです。
気温の変化による不調を訴える患者さんに対して、気温差への対応ができるよう、脱ぎ着できる服装を心がけ、マフラー・ネックウォーマー、スカーフなど、首に巻いたり、膝にかけられるものを持ち歩いたり、また、入浴は自律神経を整える効果が高いので、シャワーではなく湯船につかるようアドバイスしています。
今回の冬のジェットコースター不調のチェックシートも「乾・乱・遮(かん・らん・しゃ)」の対処法も、患者さんに向けたアドバイスを基にまとめました。チェックシートの該当数が多いからなりやすいというわけではなく、ひとつでも該当すれば予備軍です。二季化による寒暖差への対策は、秋から冬にかけてと冬から春にかけてとはほぼ同じです。去年の秋ぐらいからアレルギー症状が続いているという方が増えています。
鼻水が出る、体がかゆい、目のまわりがかゆい、のどがかさかさする、せき喘息、頭痛・肩こりなど、花粉症のような症状が続いたり、症状がだんだんひどくなる場合は、寒暖差アレルギーかもしれません。ご自身では気付いていない方も多いのですが、アレルギーの場合、熱は出ずに、日によって症状があったりなかったりしてつい我慢してしまう方もいらっしゃいますが、症状が10日くらい続くようなら我慢しないで医療機関を受診してください」
正木初美先生
プロフィール
まさき・はつみ。正木クリニック院⾧。大阪府内科医会副会⾧。日本臨床内科医会理事、日本臨床内科医会専門医、日本内科学会認定医、日本医師会認定スポーツ医、日本医師会認定産業医、正木クリニック院⾧。女医としての特徴を活かし、女性が気軽に相談できる雰囲気作りや高齢者支援にも力をいれ、疾病の治療に留まらず、予防策の提案や健康維持の為の勉強会を開くなど地域医療に取り組む。テレビやラジオ、雑誌などのメディアを通じて正しい医療情報や疾病予防に役立つ情報も精力的に発信している。
https://www.masaki-clinic.info
体調管理が難しい季節のセルフケア
今回の調査では、Z世代の約4割が冬の体調管理をAIに相談しているという結果もあったが、AIは間違う可能性もあるので、症状が改善しなければ医療機関に相談することも大切だ。「冬のかくれ脱水」については、冬でも水分補給は忘れずに心がけよう。体調管理が難しくなる冬に、自分と向き合うセルフケアで体調の変化に気付けるようにして、しっかり対策をしていきたいものだ。
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp
構成/KUMU







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