最近の新卒採用では、企業によって新卒採用の書類選考を廃止して、対話重視の選考へ切り替える動きが出ているという。AI共生時代に突入しつつある現在、学歴が論理的思考力の保有や専門性を証明する指標となりうる一方で、学歴フィルターの中身の変化やAIを活用して成果を出した実績を重視する流れなど、学歴の意味が再定義され始めているという。
転職サービス『doda』などを提供するパーソルキャリアが運営する調査機関 『Job総研』 は、社会人男女に『2026年 学歴とキャリアの実態調査』を実施して、学歴とキャリアの関係性とその理由、もう一度学部を選べるならどのような選択をするかなどを調査した。ちなみに2024年の『Job総研』の調査では、約7割が学歴社会に賛成しており、「古いけど必要」といった声があったという。
学校選びで66.8%が学歴を意識したと回答
回答者全体に学校を選ぶ時に学歴を意識したか質問すると、「意識した派」は過半数の66.8%だった。その内訳は、「とても意識した」が17.1%、「意識した」が25.2%、「どちらかといえば意識した」が24.5%だった。
学歴はキャリアに関係すると思うかについては、「関係すると思う派」は2024年の調査時から1.6%ほど増加した81.9%と約8割もいた。内訳は、「とても関係すると思う」が13.5%、「関係すると思う」が32.6%、「どちらかといえば関係すると思う」が35.8%だった。
学歴社会の価値観が古いと感じる人は約6割
学歴はキャリアに影響すると回答した254⼈に理由を質問すると、もっとも多い回答は「学歴で判断する企業が多い」で 58.7%だった。それに「社会的な信用が上がるから」(48.4%)、「思考力が高いと見なされる」(39.8%)が続いた。回答者全体の310人が考える学歴社会の価値観では、「古いと思う派」は59.9%で過半数を占めた。
内訳は、「とても古いと思う」が7.4%、「古いと思う」が13.5%、「どちらかといえば古いと思う」が39.0%と「どちらかといえば古い」と考えている人が約4割という結果になった。
半数以上が違う学歴を選ぶと回答
AI時代の現在、もう一度学歴を選べる場合の選択では、「違う学歴を選ぶ派」は51.3%で過半数を占めた。内訳は、「絶対違う学歴を選ぶ」が14.5%、「違う学歴を選ぶ」が15.8%、「どちらかといえば違う学歴を選ぶ」が21.0%だった。
違う学部を選ぶと回答した159⼈に理由を質問すると、「AI時代に強い専門性を得たい」が最多の34.6%を占めた。それに「実践的なスキルを学びたい」(33.3%)、「世界で通用する学位を得たい」(32.7%)が続いた。
20代の約8割が学歴社会を必要と感じている
回答者全体の310人に学歴社会の必要性を質問すると、「必要だと思う派」は2024年時の調査から5.0%ほど増加して71.0%と高い割合になった。内訳は、「とても必要だと思う」が4.8%、「必要だと思う」が21.0%、「どちらかといえば必要だと思う」が45.2%だった。
「どちらかといえば必要」という消極的な回答が4割を超えた。年代別では、20代の「必要だと思う派」が79.8%で最多だった。30代は72.7%、40代は67.6%、50代は59.7%で、年代が下がるにつれて必要性を感じている結果になった。
学歴社会が必要な理由は、努力を評価する客観的な指針
学歴社会が必要と回答した220人に理由を質問すると、「努力を評価する客観的な指標」が65.5%で最多だった。「基礎学力や論理思考力の証明」が61.8%で2位、「企業の選考コスト削減になる」が38.2%で3位だった。
不要と回答した90⼈に理由を質問すると、「現在の実力を評価すべき」が62.2%で最多、それに「大学名と実力の相関の低さ」(47.8%)、「実務経験の方が信頼できる」(43.3%)が続いた。
学歴社会の賛成派は2024年から減少
回答者全体の学歴社会への賛否については、「賛成派」は2024年時の調査から2.1%ほど減少して64.8%だった。「とても賛成」(4.5%)と「賛成」(11.9%)の合計よりも「どちらかといえば賛成」(48.4%)の占める割合が高かった。学歴社会に賛成と回答した201⼈に理由を質問すると、「(業界/職種への)適応力の判断材料になるから」が43.8%で最多の回答だった。それに「学歴で努力した経験がある」(41.3%)と「努力した人が正当に報われるべき」(39.8%)が続いた。
この調査では、学歴を意識して学校を選んだ人が過半数を占めており、学歴がキャリアに影響すると考える人も8割前後という結果になった。その理由では、「学歴を判断基準とする企業が多い」や「社会的信用が高まる」などの回答が上位になっており、日本企業の採用が学歴に基づいていることがうかがえた。
注目ポイントとしては、「学歴の再選択」に対する意識もありそうだ。もう一度選べるなら違う学歴を選ぶと答えた人は5割を超えており、「AI時代に強い専門性を得たい」や「実践的なスキルを学びたい」など現代社会の変化を映した声が多く挙がった。
AI時代の学歴は、「肩書き」から「専門性や学び直しの起点」へ意味を変えつつあり、学歴の持つ役割も変化しながら新しい価値観に移行しようとしているのかもしれない。
『2026年 学歴とキャリアの実態調査』概要
調査対象者:現在就業中の『JobQ Town(ジョブキュータウン)』登録者
調査条件:全国の男女。20代~50代
調査期間:2026年1月14日~2026年1月19日
有効回答数:310人
調査方法:インターネット調査
https://jobsoken.jp/info/20260202/
構成/KUMU







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